中尾さんこれ返して。
嫌や。
はいどうぞ。
お金返せ。
・「お金返せ」?あっ痛っ!取るよはい。
泥棒じゃ!ほんまやなごめん。
えいっ。
帰れ帰れ帰れ!帰るわそれもらったら帰るわ。
(ナレーション)コミュニケーションがうまく取れない…うるさい!帰れ!…は認知症と共に生きる人に寄り添います。
(都村)おはようございます。
中尾さん行こうか。
お父さんお母さんは?おうちにいるよ仕事は畑。
はぁ〜お母さんはどんなお母さんでしたか?お母さん怖いよ。
お母さん怖かった?勉強せぇへんかったら怒られた。
何て言わはるんですか?中尾さんに。
お母さん。
タエコ。
タエコ!って。
勉強せなあかんやろ!って。
そこまでは言わない。
そこまでは言わなかった?お父さん戦死したから。
そうですか。
ううっ…。
お父さん会いたいね。
お父さんに会いたい。
お父さん会いたいね。
ほんとやね。
うん会いたい会いたい。
ううっ…。
お父さん戦死したんや。
生きてるよ。
あぁお父さん生きてるよね。
会いたいね。
何もできない何もわからないんじゃないんですよ。
表現できなくなってるだけなんです。
いや私はあなたのこと認めてるよって。
あなたの気持ちに私は共感しようと思ってるよということをちゃんと伝えることができればお年寄りは速やかに反応されます。
介護業界を中心に今ひとの心に寄り添うための技術……への関心が高まっています。
お年寄りの生きてこられた人生の意味とかその人の存在の価値を私たちが確認をさせていただくというのがバリデーションの実はゴールです。
お年寄りがおむつをしたりあるいはお年寄りが失禁することがね当たり前やってなってしもたらね私はそれが一番恐ろしいことやと思います。
そうでしょ?みんな自分に考えてみて?置き換えてみて。
もし自分がねやりたいときにおしっこできへんようになったらどうなるかって。
人の前でねっお漏らししてしまわなあかんようになったらどんな気持ちになるかって。
どれほど恥ずかしかったりどれほど苦しかったりするかって想像してみてください。
福祉の現場で働く人や学生たちなどさまざまな人にバリデーションを伝えています。
都村さんはその1期生です。
バリデーションにはいくつかのテクニックがあります。
まずは…ガラス屋さん。
「ガラス屋さん」?最後におすのんがはんこですもんね。
会いたいねタエコ〜!って言ってくれたね。
…など14のテクニックを組み合わせます。
近くの介護施設で学生たちがバリデーションの実習を始めました。
学生プロジェクトのリーダー…この日が最初の実習です。
・いってらっしゃい。
(仲野)飯田さんこんにちは。
僕関西福祉科学大学の仲野っていいます。
学生ですよろしくお願いします。
今日はねお話をねさしてもらいたくて来さしてもらったんです。
仲野さんが選んだのはほとんどしゃべらない……とのバリデーションです。
飯田さんお風呂は好きですか?
(飯田)なっ…。
しんどいんですかね。
やっぱりな…とかあ…しか言われないのが。
(中南)もともと来はったときからそんなに。
歌が好きなんよすごい。
そやから歌を一緒に歌ったらもしもしかめよ言うたらかめさんよぐらいは出てくるし。
ちょっとまだ…また情報が歌が好きなのも今聞かせてもらったのが…。
(中南)海も川も釣りはプロでございます。
そうなんですね。
ちょっとそのへんを参考にして次お話…はいさしてもらえたらなって思うんですけど。
ふぅ〜。
もう1人谷政一さんともバリデーションを試みます。
こんにちは。
こんにちは僕ね学生のね仲野っていいます。
(谷)何するのも関係ないわ!谷さん今日少しお話聞かせてもらってもいいですか?
(谷)向こう行けや!もう!僕がいると…。
向こう行け!僕がいると邪魔ですか?邪魔や!向こう行け!はよ!いや〜取り付く島ないっすね。
えっ会議?うん会議。
さっき出ていったばっかり。
30分以内に戻りますとは言ってんけど。
今行ってきたんやけどどういう結果やったと思う?・アウト。
うん正解。
・何分もったん?30秒ももってない。
こら〜!ばん!ってやってはははっ…。
・お疲れさん。
ヤバかった〜。
殴られましたか?いやもうなかなか…。
30秒で帰されました。
「30秒」?ヤバかったんすよ。
殴られはしなかったですけど。
惜しかったな〜。
目の前でばん!おぉ〜みたいな。
言ってたじゃないですかここ行く前にそんなに俺がいるのが嫌なんですねみたいな感じでそんなに僕がいるのが邪魔…僕のこと邪魔ですか?みたいな。
邪魔や!みたいな。
いや〜あれはなかなかメンタルがやられそうやなって。
メンタルやられるってことはやっぱりセンタリング不足やね。
ちゃんとほんとにセンタリングの練習しましょうね。
怒りのカリブレーションっていうかその共感っていうのが…。
一番難しいわね怒りは。
怒ってるのに対して怒りの表情で対話するのはまた違うじゃないですか。
いやいやそやねんで。
あっそうなんですか?だってカリブレーションってそうでしょ?どんな喜怒哀楽どんな感情でもそのまんま相手の感情をそのまんま反映させるんやから。
はい。
だから怒ってたら怒ってらっしゃるんですねって。
それはこっちも怒ってる表情でっていう?そう一番何がムカつきますか?って。
あぁ〜なるほど。
お前じゃ!って言われる。
あぁ僕ですか〜って。
なるほどそう…。
あぁそっかそういうふうに聞けばあれか。
まあ練習練習。
(仲野)
(谷)ちょっと詰められたんですか…大丈夫ですか?もう…すいません…
(谷)そうですよねわかりました。
おはようございます。
今日もお話さしてもらっていいですか?いいよ。
僕学生の仲野っていいます。
前も来さしてもらいました。
ありがとうございます。
うん。
今日は飯田さんすごくいい天気ですね。
ははっ。
飯田さんさっきね職員の人にね飯田さんすごく釣りが好きだっていうふうに聞いたんです。
あぁ…。
ふだんどんな釣り…どんな魚が好きですか?あぁ…。
釣りはよく行かれたんですか?あぁ…。
僕とねお話するのねしんどくないですか?
(飯田)うん。
良かったですありがとうございます。
(飯田)良かったははっありがとう。
ありがとうございます僕もすごくうれしいです。
(飯田)あぁ…。
あぁ…。
僕ねもっと飯田さんのこと知りたいです。
あぁ…。
なのでねまたもっといっぱい教えてください。
あぁ…俺はうれしいよ。
うれしいですかありがとうございます。
あぁ…。
うん。
初めてありがとうっていうふうに言ってもらえたから。
何か釣りのこととかいろいろしゃべりたかったのかなみたいな。
あぁヤバいですねちょっとうれしかったです。
高齢化に伴い増え続ける認知症の高齢者。
10年後には65歳以上の5人に1人に当たるおよそ700万人が認知症になると予測されています。
・やっぱり今一番の問題がいかに人材を確保するか。
(小松)今までですとね10人の中で3人選べた時代というのもあっていろいろ勉強してきた人思いのある人っていうのを確保できてた時代っていうのもあったんですけども。
まあこれねこの業界全体で言えるのかなと思いますけどやはり来る人もうどなたでもいいのでっていう状況も若干ありますので。
介護の仕事は24時間。
利用者の暮らしを支える体力と…。
・プー!
(ナースコール)心を支える気持ちが必要です。
・キクチさんどうした?キクチさんどうしました?夢。
夢見たん?怖い夢見た?もう落ち着いた?落ち着かへん。
・落ち着かへん?本当。
・おしめ替えさせてもらいますわ。
どうしたんかな?腹減ったんや。
おなかすいたんかな?もの言わんぐらい。
1つくれ。
1つか。
・やっぱりありがとうっていう言葉をかけてもらったときが一番何かやってて良かったなって思います。
(高橋)認知症の度合いによるとは思うんですけれどもこちらの言うとることに対しても何言うとるかわからんわとか否定的な言葉を受けるとつらいなって思うところですね。
トン!トン!トン…ここで暮らす……は周りの人との交流があまりありません。
都村さんがバリデーションを始めます。
どこか空いてるお部屋でね10分でも。
芝田さんってどんな方やったっけ?経歴とか。
(大塚)経歴はちょっと詳細が…お1人の方なんであれなんですけども昔はすごく立派な…自分の体を洗う小僧さんがおったっていうぐらい。
そういう方やったねはい。
こんにちは。
芝田さんね2度目お目にかかります。
お話させていただいてもよろしいですか?
(芝田)知らん!どこの人か知らんわ!そうやね。
しゃべらんでええ!気分悪いねもうほんとに。
ちょっと…何も関係ないな。
関係ないなぁ。
一番嫌なん何ですかね?何?いつまで撮っとんの。
撮ってはる人が気になりますか?やっぱり。
はっあんなもん撮って…。
ちゃんとしてこられたんですねこれまでは。
何にもせんでも自分がせんでもひとがする。
あっ芝田さんがせんでも周りにお仕えになられてる方々が。
小僧さんとか。
おっきい家ですか?あぁ?おっきい家?大きな家。
ふふふっほらおっきいわさぁ。
偉いさんやもん。
偉いさん?村の一番の偉いさん?すごいな〜。
ほな村長さんですか?あぁ?村長さん。
うんそう。
そう。
お父さん元気ですか?お父さんは学校の先生やもん。
あっそう偉いね〜それは。
一番偉かったんやねそれで。
学校の先生やしうちにお父さんはおらへんねん。
うん。
飛行機で焼かれて…。
飛行機で焼かれてもうたん?えぇ〜芝田さんはそのとき大丈夫やったんですか?何で…うちのお父さんとお母さんや。
そう良かったねお父さんと芝田さんは焼かれんで。
お父さんってうちのお父さん偉いさんやもん。
偉いさんやから良かったんやね。
うわ〜戦争のとき…。
いつまで写真撮っとん?うんうんうん。
はははっ。
ははははっ。
訳わからん。
ははははっ。
面白いね〜。
何で撮ってんねやろねぇ。
ねぇでも楽しいですね。
ねぇ。
まあ芝田さんの笑顔見れてうれしいですわ私も。
ははははっ。
あぁ〜良かった。
山田哲さんは何かに不安を感じながら暮らしています。
最近ではご飯もお風呂も嫌がることが増えました。
おはようございます。
(山田)あら写真撮りはるの?少しお話を。
あぁそう。
私も寝てばっかりですからね。
どうですか?最近は。
最近も寝てるほうが多いです。
あぁそう。
ちょっとしんどいですか?しんどいんです。
ほんとに。
今ご主人は?もうとうに亡くなりました。
そうですか。
教会の牧師です。
あら〜。
それで教会へ来られる方のお世話をするのが…。
それはそれは。
それがお仕事です。
それはすばらしい。
大事ですねご主人ね。
はいそうです。
でも夫も病気をして早くに亡くなりましたけどね。
お祈り今でもされますか?
(山田)今自分で?うん。
(山田)そら1人で黙って心の中でしてる。
賛美歌は歌われますか?
(山田)ここであんまり歌いませんけど。
・いつくしみ深き
(都村・山田)・友なるイエスは・われらの弱きを・知りて憐れむよくご存じでうれしいです。
(都村・山田)・悩み悲しみに・沈めるときも・祈りにこたえて労りたまわんありがたいわ。
・アーメンまたお歌歌ったらちょっとお元気出るかもしれませんね。
(山田)そうですねありがとうございます。
ありがとうございました。
(山田)こちらこそうれしいですお話できて。
良かったです。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
失礼します。
ありがとうございました。
ありがとう。
ありがとう。
(山野邉)すごくいい笑顔でお話もされてたし山田さんも喜んで先生を受け入れられてたっていうのをこう目の当たりにするとちょっとショックで私。
私じゃないのねみたいな。
でだんだんまあね時間をかければ自分もそういうふうに変わっていけるのかなって。
都村さんは教員になる前には特別養護老人ホームで働いていました。
そこでさまざまな認知症高齢者と出会ったことがバリデーションを追い求めるきっかけになりました。
認知症の人を人として見るんじゃなくてもう何もできなくなって何もわからなくなって要するにもうまるで動物…。
結局大暴れした人には手がつけれなくなる。
で叫んだりね手が出る人には私たちはもう対処のしようがなくなってで最終的にはその方にいわゆる向精神薬を投与しましょうというそういうことが当たり前のようにやっぱり起こっていた。
一生懸命いろんなものを私は探ったわけですけどバリデーションに出合ってやっと認知症になってもその人を最後まで人としてねあなた大事ですよってあなたは最後まであなたらしく生きれる存在ですよということを伝えるということがこれだったらできると思ってですね。
だから必死になって学ぼうと思い第1期のワーカーコースによくわからないまま申し込んだと。
(山野邉)どこに住んでました?この日は都村さんによるバリデーションの研修です。
(山野邉)京都はいい所ですか?表情を合わすのがだめなんですよ。
もうずっと長いじゃないですか。
にこやかに対応しなさいってね習ってるんですね。
だから大してにこやかな気分でもないのにつったら語弊があるんですけども。
いやいやいや…。
にこっと笑って誰々さんって言うのがもう癖になってるんだなぁと。
最初の一声のときは都村さんって笑っててでもそのときに見たお年寄りの顔がもうつらそうにしてたら次の瞬間ねできるだけ合わせていくっていう。
それでいいと思いますよ。
(高橋)タマエさんお名前はタマエさんでよろしかったですか。
あぁ〜それで結構です。
ありがとうございます。
車椅子自分で動かして自分から近づいてる。
お年寄りのほうが。
これはすごいことですね。
2つの意味ですごいんですよ。
高橋さんは近づかなあかんのに近づけてない。
(笑い)それはまあすごいというか残念というか。
(高橋)残念のほうですね。
そっちは残念のほうですね。
ところがお年寄りのほうがねっあぁちょっと聞き取れてないって思ったんでしょうね。
ちゃんと聞いてあげなあかんって。
ていうことはまあちょっともうあと10cmぐらい近づいてバリデーションしたほうがいいっていう感じですよね。
(都村)…私たちがね。
それをしていただきたいのでもっともっとその苦しさ悲しさつらさに近づかなあかんと思うんです。
しゃべらそうとしてねいっぱいで励まそうとしていっぱい声かけるけどそれはあぁ〜この人は何か別の世界の人やけどまあええ子やな〜ぐらいは思ってはるかもしれませんけどね。
ほっとかれるよりはよほど。
でもわかってもらえたっていう感じにはなりにくいと思います今のままでは。
しゃべっててなかなか聞き取りづらい方に何て言いました?って何度も繰り返してしまうのはすごい失礼かなって思ってしまうので。
出た。
「出た」?出たい。
「出たい」?あっあっちに出たいんですね?…でいいんですよ。
曖昧なままでいいんで意味をつかもうとするんじゃなくてこの人の今の感情あのなってあっち行きたいねんって。
あっち行きたいんですかとかね。
言葉もだからそのまま返していく。
意味がわからなくても返していく。
あぁ意味がわからないですけど聞き取れた言葉を返して…。
そうそうそう。
学生のバリデーションの実習が続いています。
ありがとうありがとう。
ありがとうございます。
ありがとうね皆来てくれはってね。
(出口)ほな行きましょか。
(堀井)行こう。
(出口)うんこっち。
連れていって。
3年生の出口裕丸さんの実習はこの日が3回目です。
(堀井)こっち行くの?
(出口)うん中入りましょか。
ろくじゃない。
ろくじゃない?うん。
(堀井)はよ連れて帰ってほしい。
うんおうち帰りたいですね。
(堀井)家まで…今日はどんなん?連れて帰ってくれへんのかな?
(出口)う〜ん…おうち帰りたいですね。
(堀井)帰りたいよ。
ねぇ。
(出口)おうちには誰がいてはりますか?お父さんとお母さん。
(出口)うんお父さんとお母さん。
…はいてます。
後はいてません。
やっぱりお父さんとお母さん見たい。
うん。
向こうも待っとると思う。
というて迎えにも来られへんしね。
普通違うから。
(出口)普通じゃない言うてはったよね?うん。
どう…何が変わってはります?えっ?変わってる言うとった顔が。
怖いこと言わんといて。
そんなこと言わないけどね。
(堀井)死に近いようなったら顔も相も変わってしまう。
(出口)死に近い思います?
(堀井)こいつ連れていくかもわからん連れを。
連れていくかもわからんて?あの世に。
連れを?僕をです。
あぁ〜連れていくって。
距離OK。
位置OK。
まあ裕丸は自分はあまり意識できてないって言ってるけど何かとにかくこうマッチしてるのよね。
わかる?わかります。
ものすごいマッチしてるでしょ2人が。
一番いいのはね裕丸が待てるっていうことです。
ずっと待ってるでしょ沈黙を。
そこが…。
だからしゃべらないやん自分から。
沈黙が起きたら。
ず〜っと待ってるやん。
うん。
ほら。
これがすごいのよね。
これがいいねん。
長生きできたらすぐ電話します。
うんよろしくお願いします。
えぇ〜。
ははははっ。
またお話聞きにきますんで。
ええ来てくださいね。
(出口)よろしくお願いします。
ほなおおきに。
失礼しますね。
さよならありがとう。
小林キクイさんは最近ほとんど言葉をしゃべりません。
…ヨウコです。
(小林)えっ?・ご近所の方とランチも行ってました。
あぁ〜ほなねっ割と活動的に。
盆踊りなんかがあったらねそんなのも率先してお手伝いやら。
そうですか。
ご本人が踊られていたわけではない?あっ踊ってました。
あぁ〜そうですか。
失礼します。
お顔の艶がよろしいですな。
ちょっと今日。
つるつるされてます。
そんなにむげにしないでね。
うんねぇ無理やりは嫌ですよねほんとにうん。
でもね小林さんのご様子をね…。
えっ?小林さんのご様子をお嬢さんがご覧なりたいって。
元気にしてるかな?ってお母さん元気?って。
すいません。
いえいえとんでもない。
いい表情です。
いいお顔。
そう?うんそうですよ。
・小林さんとおとうさん…ご主人は仲のいいご夫婦でしたか?よくみんなが見にくるの。
うんみんな見にくるの?あぁ〜そう。
じゃあお願いしますね。
お願いしましょうかね。
ええ来るように。
あっおとうさんにも?来てもらいたい?そう。
何とも言わないでねあれしてできないから。
何とも言わんで出てきましたか?小林さんがおうちを。
・
(小林)そんなにねぇ1人でできるもんじゃない…。
・そうよね家のこと1人でできないよねおとうさん。
・心配ですね。
・
(小林)でも何とかなるんでしょうね。
・何とかなるでしょうねそうですね。
・おとうさん1人でね頑張ってくれてはるそうです。
お願いしますね。
うん。
またちゃんとお願いしときますねねぇ。
小林さんたくさんの家族さんおられてず〜っと幸せな人生でしたね。
そうですか?そうだと思います。
お幸せなお母さんでした。
ありがとうございます。
いいえ。
一生懸命お母さんしてこられましたね。
一番しんどかった…つらかったん何かありますか?そんなにないのよね。
わぁ〜すごいな〜。
つらいことなかった?あぁ〜そう。
いい人生でしたね。
(小林)まあご苦労さま。
たくさんお話できたね。
よくやったわね。
よくやりましたねぇ。
すごいです。
ねぇ。
いっぱいお話できましたね。
ねぇ。
もう2年近くこんなにお話したことないです。
あっ2年ほど。
わぁ〜良かったそれは。
ねぇ。
すばらしいわ。
(小林)うまくいくわね。
うまくいきましたねほんとにまあお見事でした。
・何かもうちょっと母とねお話できるようになりたいなって思いました。
ちょっと半信半疑だったんですけどね今日こういうことあるので来てみませんかっていうふうに言われてどうかなと思いながら来たんだけどちょっと予想以上だったのでびっくりしました。
食事の介助だけじゃなくてねもっと来て母の笑顔を見たいですねはい。
飯田さんはねやっぱこう遠くで釣りしてるときが一番楽しいですか?もうもういいよ。
もういい?やっぱりいい?○△※□×…。
うん。
もしね釣りができなくなったらどう思いますか?あっ?はははっ。
悲しい?悲しいです悲しいです。
反対のことを想像するはちょっと今の使い方じゃないほうがいいかもしれませんよね。
釣りができなかったらどう思いますか?って。
だってできひんやんか今もう実際。
できなくなったらっていうのはまるでできてるかのような表現やんか。
あぁ〜。
それは違うと思うねん先生。
なるほど。
それは。
何て言うんですかねそれは多分僕が受け取って…。
自分の感情やんねそれ。
そうそやからまだ完全にご利用者の気持ちに近づこうとしてるんじゃなくて何とかこの人をしなければならないっていう自分がいててねっ。
自分の感情を表出してしまってるっていうところがそれは不要だよね。
鏡にならないといけない鏡に。
運営にバリデーションの実践を取り入れた在宅介護の事業所が名古屋にあります。
田端うきゑさんは1カ月ほど前からここに通っています。
(上野)子供が好きですごく話したいからおいでよおいでよとかかわいいねってなでてあげたいという気持ちがすごく強くて怖がってしまうお子さんが見えて。
学校のほうにも少しお耳に入ってうちのほうに相談が…。
(田端)お前が黙っとらんとやれぇ!はよ。
ぶん殴れ思いっ切りぱんぱかぱんの。
ぺっぴんさんの顔見とるって汗が出てくんやろか。
あっかんべ〜。
何とかせぇよこいつを。
(田端)・うるさいうるさいあっかんべ〜・ぽんぽこりんのすっぽんぽん・やかましい!
(田端)うるさいわ!お前がはよ何とかせぇ!ほんならこいつを!相手が何様だろうがね俺には関係ないの。
こうやって会ったらみんな一緒でしょ?一緒です。
お前の手あっついな。
心も熱いんです。
はははっ。
ホット。
ええかげんにしろ〜!って大きな声でわぁ〜!って言い合いっこしたいんですよね?田端さんね。
そのほうが元気が出るからね。
おとうちゃんはどうされてますか?今。
もうおらん。
えっ?もうおらん。
おとうちゃんどうしたんですか?もうあの世へいっちゃった。
ご病気で?うん。
まあ飲むわ打つわやりたい放題。
女は作るわね。
女も作った?飲む打つ買う?うん。
で俺が全然飲めないし。
だでやりたい放題相手は。
やりたい放題してた?うん。
向こうは早く逝ったからねまだぴかぴかのハゲおやじだぎゃ。
ありゃりゃ…。
ムカつきゃせん?仏壇見るとね。
まだ元気いっぱい?お写真。
写真はね若いでしょ。
そしたらおとうさんねおぉ〜元気かうきゑって言ってますよ。
おぉ〜今日も元気だなって。
当たり前だろうが。
当たり前だろうが!ってこっちはもっと元気に頑張るぞ!ってね言ってあげてください。
まあ言うしかないもんね。
そうですね。
いや〜今日はいいお話ありがとうございました。
ごめんね言いたい放題で。
もうすごくうれしかったです。
何とかせぇ!あいつを。
お前をぶん殴るぞ!よ〜しいくぞ。
・ぽんぽこりんのすっぽんぽん・ぽんぽこりんのすっぽんぽんぽんぽんぽん
(田端)ほんとはもっと殴りたかったんだけどね。
(上野)ほんとはもっと殴りたかったの?
(田端)こいつの顔がね汗が…汗が付いてて。
疲れてるわおにいちゃん。
(上野)拭いたってここにあるよ。
おにいちゃん。
(上野)拭いたって拭いたって。
(田端)あらまぁべったべただがやお前。
お前大丈夫か?あははっ優しいね。
(田端)お前が黙っとらんで何とかこいつをせぇ。
(上野)ほっといていかんね!べたべたなのにね〜。
本当にべたべたでさ。
暑いのにねこんな重たいの持ってねぇ。
OK!ありがとうございます。
良かった。
ははははっ。
ありがとうございました。
ごめんね〜。
(東)ご主人亡くなられてからお子さん2人を女手1人でやっぱり育て上げるっていうのは相当なことだったと思うんです。
そうですよね。
(東)ここで役割を果たしてるんだと思うんです。
そうなんですよね。
・
(田端)何とかせぇこいつを。
「何とかせぇこいつを」ってそのまま言っときたい。
(東)ああいうふうにされてることでしかひととコミュニケーション取れないとするならそこを私たちのほう側から理解をしていく…。
そうですね。
受け入れてまあできたらちょっとでも一番信頼おける人が1対1でちょっとねお話する時間が出来たらもう少し表出のしかたが変わってくるかもしれないですね。
(せみの鳴き声)研修の日から1カ月がたちました。
おはようございます。
何なん?この人ら何?あぁあのときの。
(山野邉)覚えてる?覚えてる。
(山野邉)覚えてる?そうすごいね〜。
(山野邉)暑いから水分はいっぱいとらんとね。
水分いっぱいとらんと。
とらんとあかん。
うん。
お風呂?今日はやっぱりしんどいときはやめとく。
(山野邉)そうなん?治ったら入る。
(山野邉)治らんと思うけどな。
そんなにしんどいかな?
(山田)ほんとやっぱりね。
どこらへんが一番しんどい?
(山田)えっ?どこらへんがしんどい?
(山田)寝ても背中が痛いしね胸が…しんどい。
助けて…。
助けてやって!・あぁ…。
あぁあぁ…。
助けてやってほしいです。
お孫さんを助けてやってほしいんですか?うん。
タマエさんお孫さん大事なんやね。
・あんたに助けてもらえるかと思て来たんですけど何にもありませんね。
そうなんですね。
助けてほしかったんですね。
はい。
(山野邉)レクリエーションに参加されたがらない方なんですね。
今何かやってるのよねちょっと行こうかな。
じゃあ一緒に行きます?って言ったらあんたが行くんなら行く。
あぁまだまだお元気なんだな〜と再確認をさせていただいたので。
もう自分があかんかもしれんって言われたときにそうやねあかんのやねそう思うんだねっていうふうな言葉が怖くて言えないんですよ。
共感するっていうか受け止めるっていう部分でちゃんとやるとやっぱ死ぬんや!とかっていうふうには絶対ならないんですよね。
うそつかないほうがすごく楽で自分の精神状態もいい状態で仕事ができるようになりました。
田端さんも変わりました。
(田端)おかあさんはいどうぞ。
OK!
(田端)・おててつないで・野道を行けば・みんな可愛い・小鳥になって飯田さんね僕釣りもね好きやって聞いたんですけど。
これないよないよ。
「ないよ」うん。
他にもね歌とか歌うのも好きって聞いた…。
だよだよ。
楽しい?うん。
相手を変えるのではなく自分を変えるバリデーション。
なぜ私たちは認知機能を奪われたお年寄りの表面的な言語的なその表出されている言葉にだけそこに全てがあるように理解をしてしまうのか。
実はそこから私たちの意識の転換それから理解の転換をスタートしなければ認知症ケアの発展というのは実はありえないと。
言葉ではなく手の届く距離で正面から相手に向き合うことで初めて伝わるものがあります。
バリデーションは実はもうちょっと広まっていくとですね認知症の方だけじゃなくってね病気でない我々同士もやっぱりこう反発し合ったり相手を受け入れられなかったりっていうことの繰り返しではないですか人生っていうのはねぇ。
でもそういうふだんの生活がもう少し豊かな人間関係が形成されるようなそういう状態に近づくんじゃないかなって思っています。
2015/09/20(日) 01:35〜02:30
関西テレビ1
ザ・ドキュメント 生きること〜認知症の心に寄り添うバリデーション〜[字]
厚労省の試算では、10年後、65歳以上の5人に1人が認知症になる。介護がより身近になるなか、いま介護の現場で注目されている「バリデーション」とは何なのか。
詳細情報
番組内容
かつて人は認知症の進行とともに記憶を失い、話すことができなくなった高齢者は感情を無くすと考えられていた。最新の研究では症状が進んでも感情は死の間際まで残ることがわかってきた。しかし介護施設の人手不足は深刻で、感情が置き去りにされることも多い。
番組内容2
関西福祉科学大学の都村教授は日本に9人いる認定バリデーションティーチャーの一人。都村さんが認知症患者に正面から話しかけると、打てば響くような反応が返ってくる。都村さんは、認知症患者との意思疎通を図る手法「バリデーション」を取り入れている。
カメラはバリデーションが起こす変化を記録する。
出演者
都村尚子(関西福祉科学大学教授)
スタッフ
【ディレクター】
真鍋俊永
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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