柳亭市馬の演芸図鑑「ナポレオンズ、桃月庵白酒、徳光和夫」 2015.09.20


おはようございます。
今日も「演芸図鑑」をご覧頂きましてありがとうございます。
柳亭市馬でございます。
今日はオチの話をしたいと思いますが「一にオチ二に弁舌三にしかた」なんて事を言いましてまあ落語で一番大事なのがオチといってもよろしい訳でいろんなオチの種類もあります。
見立てオチとかね逆さオチとかしぐさオチぶっつけオチとかトントンオチとか。
よくだじゃれでオチになりますな。
「隣の空き地に囲いが出来たってね」。
「へ〜い」なんて。
こういうの地口オチで。
時々客席でね先にオチを言うお客様がいる。
これがもう落語家は一番困る事でございまして。
どうぞそういう事がないようによろしくお願いします。
そういう訳で今日の出演者をご紹介致しましょう。
マジックのナポレオンズのご両人でございまして。
息の合ったお二人の芸を楽しんで頂きたいと思います。
そして落語は桃月庵白酒さん。
この芸名も珍しいんですけども人のやらない珍しい話も大事にやってくれる白酒さん。
今日はそんな話でご機嫌をうかがいます。
どうぞ。

(拍手)どうも皆さんこんにちは。
まだやっているナポレオンズです。
どうぞよろしくお願いします。
さあ今日はですね一人一人でパートに分けてやりたいと思います。
まず最初僕でございます。
これがすごいマジックでございますよ。
驚いて頂きましょう。
なんとですねこのバラでございますよ。
バラを皆さんでね見つめるんでございますね。
するととんでもない事が起きるんでございますよ。
バラを見つめていると折れちゃうというね。
ハハハハハ…。
あ〜面白い面白…。
(笑い)お嫌いですか?そうですか。
はい。
あ…何だ?うん?
(拍手)
(拍手)長い。
長いよあなた本当にね。
それではこのあとにいきましょう。
今度はですねマジックは忘れて下さい。
マジックではございません。
超能力でございますよ。
何の変哲もないこのペットボトルでございますね。
それでスプーンでございます。
それでこのスプーンをですねペットボトルの中に入れてうっと念を入れるとなんとおっ…あっあっなんという…。
とんでもない事が起きているんでございます。
帰っていいよ〜。
ほら入っていきました。
出ておいで〜。
ほらほら!皆さんもうちょっと驚くようにして頂きたいと思うんでございます。
ああ…。
あ〜ねえ。
マジックはまだまだ続きます。

(観客)おお〜。
(拍手)さあ…。
ねえ本当にね。
私の場合はですねこの重い重いこの木のバットでございますね。
この木のバットを使って不思議なマジックをやるんでございます。
何にもついていません。
全く仕掛けありません。
何にもついていません。
(笑い)この重い重いこの木のバットがほら空中を空中をフワフワとフワフワと浮いているんでございます。
はいほうほうほう…。
お〜っとっとっと…。
なるべくきれいな人のところに飛んでいくんでございますよ。
ほいほいほいほいほい…。
ほ〜ら不思議だ。
あ〜何と言うこれねやってる私が一番楽しいんでございますよ。
ほっほっほっほっほ…。
はい!
(拍手)ジャ〜ン。

(観客)おお〜。

(拍手)残念ながらお時間がやってまいりました。
2人による初めての共同作業マジックでございます。
ご覧頂きましょう。
なんとナポレオンズ名物人間の頭がグルグル360度回ってしまうという頭グルグルマジックでございま〜す。
まいりましょう。
(笑い)
(観客)おお〜。
(拍手)あ…。
(笑い)はい!
(拍手)
(拍手)帰るよ。
(拍手)
(拍手)
(拍手)ありがとうございます。
桃月庵白酒でございます。
時代と共に変わる商売なくなる商売というのはございます。
一つ物流もそうなんですな。
物流に致しましてもだいぶ発達してまいりますと本当に世の中も変わってくる訳でございます。
それにつれて商売が変わってくるという。
宅配便に致しましてもそうでございますね。
今もういろんなサービスがございます。
時間指定ですとか日にち指定なんてのがございます。
非常に細かいサービス。
これは日本独特なんだそうでございましてね。
これは何でございます昔はこれに代わりますのが飛脚というものでございますね。
飛脚というものもいろんな種類があったんだそうでございます。
普通の飛脚がいたかと思いますといわゆるVIP専用ですね大名お抱えの飛脚もいたんだそうです。
ちょいとお金は張りますけれどもいわゆる早飛脚というただいまで言うとこの速達便もあったんだそうでして。
これは大変に速かったんだそうですね。
江戸大坂間をひとつきに3往復したんだそうでして大変なもんでございます。
ですから5日でもってたどりついたという大変な速さでございまして。
扱うもんが扱うもんでございますからやはり下手な所には泊まれない訳でございますよ。
1日目はこの宿場のこの宿2日目はこの宿場3日目はこの宿場。
ちゃんときちんきちんと決まってる訳なんですけどもところがただいまと違いますのが道路が舗装されちゃおりませんからね雨でも降ったりなんか致しますとそこに足を取られたりなんかする訳でございまして。
この飛脚さんいわゆる棒の先にこのぐらいの箱がございましてこれ挟み箱なんてのがございますから。
この中に手紙ですとかあるいは物道具ですわねあるいはお金なんてのも運んだんだそうでございまして大事に扱うものでございますからこれはなんとか届けなくちゃいけないという事なんですけども。
これはたまさかね宿外れでもって足をくじいたりなんかするとえらい騒ぎでございますから。
「あ痛い痛い痛い!あ〜痛い。
あ〜足をひねっちゃったよ。
弱っちゃったなどうしようかな。
薬は持ってきてんだよな。
一晩休みゃなんとかなるんだけども。
え〜この宿外れでな野宿って訳いかねえしな。
次の宿場までだいぶあるしどうしようかな。
あ〜弱っちゃったなこれ。
あら宿屋かい?へえ〜こんな宿外れにな〜。
へえ〜こりゃ助かった。
一晩やっかいになろうじゃねえか。
茗荷屋?変わった宿屋だね。
おいごめんよ!やってねえのかな?おいごめんよ!」。
「はいはいはいはいはいはいはいはい。
何です?」。
「あの…一晩やっかいになろうと思ってよ」。
「あ〜一晩やっかい…。
すいませんねうち見ず知らずの方うち上げる訳いかないもんですから」。
「お前んち宿屋じゃねえの?」。
「あ〜はいはいええ宿屋ですけど」。
「だからやっかいになろうってんだい」。
「えっタダで?」。
「いやタダじゃねえよ金払うよ」。
「ひょっとしてお客様?」。
「そうだよ。
誰だと思ったんだよ?」。
「お客様ですか!ああちょっと待って下さい。
おいおっかあおっかあお客様お客様」。
「何言ってんのまた幻見てんのよ」。
「違う違う。
幻じゃなくて本物だって」。
「何言ってんの。
あら私にも見える。
どこの狐の仕業だい!」。
「いや狐じゃねえよ。
本物の客だよ」。
「本物?あなたよかったわねお客様。
ありがとうございます。
2年ぶり5人目なんです」。
「おい大丈夫か?嫌なとこ来ちゃったな。
じゃあ構わねえから上がらしてもらうぜ」。
「ええさあさあどうぞどうぞ。
あ飛脚の方で。
こんな宿外れでお珍しい。
あ足をくじいた。
それは大変でございました。
いいえさあさあどうぞどうぞお上がりを」。
「すまねえな。
いやゆっくりしちゃいられねえんだよ。
一っ風呂浴びて飯を食ったらそのまま寝て明日の朝早くな出かけなくちゃいけねえから。
すぐに支度してくんな。
湯は沸いてんだろ?」。
「まさかお客様いらっしゃると思ってないんで…。
すぐに沸かします。
すぐに湯を沸かして。
さあさあさあどうぞどうぞ」。
「それからなこの挟み箱預かっといてくんねえか」。
「へえよろしゅうございます。
私初めてこういう挟み箱っていうのを扱うんでございますがだいぶ重い物なんですな」。
「そうなんだよ。
また今日はな金めのもんが入ってるから。
いいかい百両入ってるからな。
大事に扱ってくんな。
分かったね」。
「えっ何ですか?百両!?ありがとうございます」。
「いややる訳じゃねえんだよ。
預かっといてくれって言ってるだけなんだ」。
「承知致しました。
あ…あり…。
何湯が沸いた?ああそうか。
じゃあどうぞゆっくりお入り頂いて。
その間に飯の支度しときます。
はいどうもごゆっくりと。
おっかあ今な飛脚から挟み箱預かったんだけど百両入ってんだと」。
「あら百両ですか!?まあどうしましょう?」。
「お前ももらうつもりでいやがる。
そうじゃねえんだよ。
『預かっといてくれ』って言ってるだけなんだから」。
「でもね百両でしょう?2〜3枚なんとかなりませんか?」。
「何ともなりゃしねえんだから」。
「だってね少しでもお金があればうちだってもうちょっとましな所に宿屋出せると思うんですよ」。
「そうもいかねえんだから。
泥棒できる訳ねえだろ。
それよりなおまんま召し上がりたいとおっしゃってんだからすぐに支度をしろ。
分かったな」。
「そんな事言ったってね客来ると思ってないから何の支度もしちゃいませんよ。
それにうちほら茗荷屋っていうぐらいですからねそこら辺に茗荷が生えてますからそれ適当に見繕って…。
そうだお前さん。
ほら昔からよく言うじゃないの。
茗荷をたくさん食べたら頭がぼ〜っとして物忘れが激しくなるって。
ねえどうだろうね。
あの飛脚にたくさん茗荷を食べさせたら事によったら挟み箱忘れるんじゃなかろうかね」。
「うまくいくか?」。
「うまくいかなかったらいいの。
宿代入ってくるんだから。
うまくいったらめっけもんじゃないの。
やらない手はないと思うよ」。
「そうだよなうん。
別に悪い事やってる訳じゃねえしな。
忘れるの向こうだしな。
じゃあ支度してくれ分かったな。
あお上がりになりました?どうでした?湯加減は」。
「ぬるいよバカ。
全然温かくねえじゃねえか」。
「すいません。
いや急なこってございますから。
別に悪気があってやってる訳のもんじゃございませんで」。
「当たり前だよ。
悪気があったらけんかにならあ。
それよりな腹すいてんだ。
とにかく飯は?」。
「へえ承知致しました。
まずはこちらおみそ汁を」。
「あ〜助かるよこれだ。
体温まるからな。
これもぬるいぞお前。
いちいちぬるいなお前のとこは。
あれ?何これ?あ茗荷?へえ〜そうかい。
いやいや俺茗荷好きだから。
あなるほどね。
へえ〜。
うんなかなか結構結構。
どんどん持ってきてくんな」。
「こちら茗荷の漬物でございます」。
「う〜んなるほど茗荷尽くし。
いいやね茗荷屋だけに。
そういう売りがあった方がいいやな。
ああそうかそうか。
いや俺茗荷好きだから大丈夫大丈夫うん。
なかなかよく漬かってる」。
「ありがとうございます。
こちら焼き茗荷でございます」。
「あ〜茗荷尽くしだね。
いいよいいよ。
アハハハ…。
うんなかなか香ばしい」。
「ありがとうございます。
こちら茗荷の刺身でございます」。
「これ何だろうね?生の茗荷切っただけだろ?」。
「いいえ刺身でございます。
わさびじょうゆで」。
「引かねえやつだなお前はな。
あそう。
ふ〜ん」。
「これはよした方がいいんじゃねえか?」。
「あ〜やっぱりしょうがじょうゆ?」。
「いやそういう問題じゃねえんだよ。
いちいちうるせえんだおやじは。
ほかにねえか?」。
「すいませんエヘヘ。
こちらにに…に…ににょ…にみょ…煮茗荷でございます」。
「言えねえんだったら作るなよお前。
煮てよし焼いてよしって言うけど…。
うんうんうん…。
なるほどな」。
「あのお味はいかがで?」。
「いや茗荷だよ。
もう茗荷以外言いようがねえよ本当にな。
それより何かおまんまねえのか?」。
「すいませんこちら炊き込みごはんで」。
「予想はついてたけどな茗荷ごはんなんだね。
大体こういうものっていうのはおまんまの中に具が入ってるもんなんだけどこれ何か茗荷の中におまんまなんだね。
まあまあいいよいいよ。
腹すいてるからな」。
「う〜ん…。
う〜ん…。
何か頭がぼ〜っとするな」。
「そうですか!」。
「気持ち悪いなお前本当に。
うんごちそうさんありがとよ。
じゃあ明日朝早いからな。
じゃあな!」。
「どうもごゆっくりとお休みを」。
烏カアでもって夜が明けます。
「おはようございます。
ゆっくりお休み頂けました?」。
「お前んとこは布団ねえの?」。
「すいません。
布団は我々夫婦の分だけで手いっぱいで」。
「それ客に回せよお前。
座布団2枚しか並べてねえじゃねえかよ。
しかも何かゴロゴロしてたぜ」。
「茗荷が入っております」。
「入れるなバカ。
寝づれえと思ったんだ。
それよりすぐに出かけるからな飯の支度」。
「承知致しました。
どうぞこちら」。
「あ〜出てきた出てきた。
え〜茗荷のみそ汁と茗荷の漬物とこれが茗荷ごはんとうん。
これ何?」。
「そちら茗荷の開きでございます」。
(笑い)「これ焼き茗荷切っただけ…」。
「ええ開きでございます。
大根おろしと共に」。
「お前も本当引かねえやつだなお前な。
何?このグズグズなの」。
「あそれ半熟茗荷でございます」。
「いや朝飯っぽくしなくていいんだよこれな。
これだけ茗荷尽くしでもってこれは間違いないって茗荷の天ぷらって出てこねえんだね」。
「面倒くさいもんですから」。
「何だ面倒くさいって」。
「まあまあいいよいいよ本当にもう。
いちいち分ける事ねえ。
これどうせ味一緒なんだから。
一緒にしちゃおうなっ。
はあ…。
う〜ん…」。
「あのお味はいかがで?」。
「だから茗荷だよ!以上でも以下でもねえよ本当にもう」。
「何か気持ち悪いな。
じゃあな世話になったなありがとうよ」。
「あどうも行ってらっしゃいまし…。
おっかあうまくいったよ!」。
「本当ですようまくいきました」。
「おっすまねえすまねえ。
何か軽いなと思ってたんだよ。
挟み箱出してくんねえか」。
(笑い)「何の事やら?」。
「しらばっくれんなよお前。
預けといたろ」。
「いえあのひょっとして…」。
「これだこれだ。
おうありがとうよ!」。
「はいどうも。
はあ〜チクショーもうちょいとだったんだけどな」。
「本当ですよ。
でもねあれだけ茗荷を食べさせたんですから何か忘れてると思うんですよ」。
「そうだ宿代払うの忘れていきやがった」。
(拍手)今日のゲストはですね我々おしゃべりする者の大先輩でございまして今でも携帯をお持ちにならずにやってらっしゃるという。
いいですね〜。
お通いになるのも電車を使われるといううれしいお方でございます。
ご存じ徳光和夫さんをお招き致しました。
徳光さんどうぞお入り下さい。
どうもおはようございます。
おはようございます。
ようこそおいで下さいました。
今日はどうもこんなすてきな番組にお招き頂きましてどうもありがとうございます。
よろしくお願い致しますどうも。
ご紹介コメントがあれですね市馬師匠口跡がすばらしいですね実に。
また早速褒めて頂いて。
徳光さんもうフリーになられて何年になりますか?もうかれこれ25年ですかね。
もうそんななりますかね。
26年局アナ致しましてね禄をはんでおりましてそれで…ですからちょうど半々ぐらいですかね。
じゃあもうこの道50年以上ですね。
そうですね。
徳光さんといえばね落語がお好きだというんで有名なんですけれども。
好きですね。
落語の魅力をちょっとひと言で言うとどうでしょうね?これは難しいですね。
難しいけどもね。
ひと言でなかなか言いにくいけども。
言いにくいですよね。
笑いに行こうと思ってですね行く訳じゃないですか落語は。
笑いに行ってやっぱり話がうまいと話芸がうまかったり口跡がいいとですねその世界にどんどん入り込んでってしまうという。
15分なり30分なりの話を聞いておりますとね本当にその時代に自分も入ってその時代の話を聞いてるんじゃないかなっていう。
ですから僕なんかあれですね。
こういう話していいのかどうか分かりませんけどもベスト4を挙げろといいましたらですねやっぱり4位が文楽師匠の「明烏」。
3位が志ん朝師匠の…。
志ん朝師匠はいろんなものがあるんですけども「三枚起請」とかね。
2位は何と言いましても金原亭馬生さん。
つまりお兄さんの「厩火事」。
1位は…。
はい。
柳亭市馬師匠の「船徳」。
ハハハ…。
どうも。
汗顔の至りでございます。
初めて新宿末廣で聞いた時にこんなに体が大きいのに何で…。
体が大きい噺家さんというのはあんまりいなかったんでありますけどもね。
そうですね。
何でこの口跡がよくて体の大きさを感じさせずに若旦那が揺れるこの舟の揺れ方なんかも実に見事だなと思って。
本当にこれお世辞でなく私今市馬師匠は「東京かわら版」見ながらですね市馬師匠の高座がありますとそれを探してですね行ける日は…。
いらして下すってるというね。
ご挨拶には伺いませんけどもね。
いえいえもういや〜もう。
ありがとうございます。
今日はまた落語の話はね後でまたゆっくり伺うとしてまずじゃあ歌の話を。
歌もいけるんですか?ええいきますよ。
もちろん。
これはすごいでしょう師匠歌に関しまして。
私はね昭和歌謡が大好きなんですがもちろんその歌が本当にヒットしてる時代は私生まれてませんので。
そうですよね。
東海林太郎さん歌われるけど生まれてないですもんね。
まあ徳光さんはね戦前の…生まれはね。
その昭和20年代30年代黄金時代といわれる昭和歌謡の実際にずっと生きてこられてその時代をご存じな訳じゃないですか。
まず昭和20年代。
その時はやっぱりラジオですか?ほとんどラジオですね。
ラジオでまああれですかね昭和20年代といいますとですねやっぱり幼心に覚えているのは「リンゴの唄」とかですね「青い山脈」とかその辺りからちょっと聴き始めたといいましょうか。
これは前後するんですがアナウンサーになって歌番組を担当するようになりましてやっぱり終戦直後のお話なんかはそれぞれその時代にですね私より先輩ですね10歳ぐらいであるとか二十歳ぐらいであるとかそういった方々から伺いますとやっぱり確実に歌は背中を押してるんですよね。
「リンゴの唄」の明るさがやっぱり自分を後押ししてくれてこのままじゃいけないんだとかこれでようやく平和になれたんだとかそういったような事を感じさせたり「青い山脈」のあのメロディーこそがやっぱり何と言ってもこれから平和になるんだっていうような事を感じさせてくれたり田端義夫さんの「かえり船」を聴いてですね皆さん満州から大陸から帰ってくる訳じゃないですか。
「熱いなみだも故国に戻りゃうれし涙に変るだろ」というねこの3番の歌詞なんかはもうまさに…。
たまらなかったと思いますよね。
たまらないですよね。
その時代を映してますからね。
だからそういう意味で僕はそのころの歌をまたこの仕事をしたがゆえに触れる事ができたっていう喜びも感じてるんですが。
でもねこれ師匠ご存じかどうか分かんないんですが昭和24年に雑誌の「平凡」と「明星」というのがございまして当時。
もうそのころから。
あったんですよ。
人気歌手ベストテンというので読者が要するに投票致しまして人気ランキングを…。
そういうのがベストテンが。
その時に5位が藤山一郎さん4位が灰田勝彦さん3位が田端義夫さん2位が小畑実さん1位は誰だと思いますか?え〜その伝でいくと岡さんですか?すばらしい!いやいや大体…。
岡晴夫さんですよ。
そうでしょうね。
「憧れのハワイ航路」ですよ。
「東京の花売娘」とかですね。
・「青い芽を吹く柳のに」いいですね。
昭和24年が第1期の歌謡界の戦後の黄金期だとすると昭和28年から本格的な歌謡界黄金期を迎えると思うんでありますけどもそれはやっぱり「お富さん」ですよ。
あ〜春日八郎さん。
春日八郎さんと頃合いを同じくしまして三橋美智也さんが登場しましたね。
出ましたね。
大体当時高音がもてはやされましたよね。
三波春夫さんもね高音で。
そうですね。
それが要するに低音ブームになるのがフランク永井さんからの昭和33年ぐらいからになる訳でありますけども。
それもやっぱり田正さんとしましては当時山の手ではやっておりましたジャズとかカントリーウエスタンとか下町ではやっておりました演歌とかまた違うジャンルの2つを合わせて日本人らしい歌謡曲が出来ないかというんでムード歌謡が出来る訳ですよね。
なおかつデパートの宣伝ソングという事で「有楽町で逢いましょう」が。
あれがね。
これに歩調を合わせるようにコーラス歌謡ですよね。
これが僕ね師匠ね好きなの。
ここ来ましたね。
このムードコーラス歌謡というのがたまらなくいいですね。
いいですね。
私たちはマヒナスターズね。
和田弘とマヒナスターズのイメージが強いんですが。
和田弘さんのムード歌謡っていうのはですねともするとやっぱり主人公が男性だとしますと男から見た女男から見た女性の愛らしさであるとかですね彼女を捜し続けるとか彼女のどんなところに引かれたかっていう男目線で歌の主役が男な訳ですよ。
それを男が歌う訳ですよ。
ところがムード歌謡コーラスそのものですね例えば三浦弘とハニーナイツとかですねロス・プリモスとか。
あ〜黒沢さんね。
ロス・インディオスとかですねそれから森雄二とサザンクロスとかですね。
はあ〜出ますね。
秋庭豊とアローナイツとか。
沢ひろしとTOKYO99とかですね。
沢ひろしとTOKYO99。
かなり深いところへいきましたね。
「愛のふれあい」でしたっけ?「愛のふれあい」ですよ。
これはリードボーカルの男性がその主人公の女性になりきって歌う。
でリードボーカルの人は大体歌が…。
あっ!おお!・「感じていたの」ここは前段ですよね。
・「今夜ははじめから」今夜は初めから感じていた訳ですよ。
説明してます。
ここからです。
・「私をじっと」・「見る瞳がちがう」オネエチックに歌うでしょう?そうですね。
リードボーカル。
・「胸にひめた」この辺に魅力がある。
この辺なんです。
・「深いなやみ」ここからメランコリックに。
ほら。
・「たとえ聞いても言わないで」ねえ。
この歌い方。
この歌い方がですね後のゲイバーに結び付くと思うんですけどもね。
ちょっとオネエチックにリードボーカルの人が歌うという。
いや本当ですね。
これはあんまりなかったんですよね。
なかったですね。
それまでの歌謡曲に。
このまんまマンモスのようにですねちょっと固まっちゃって凍ってしまってその後いまだに今は全くない訳でありますけども私の勝手な分析はそのオネエチックに歌う事がそのままゲイバーに結び付き彼らの着ておりましたコスチュームね。
かなり原色に近いようなスーツ。
キラキラ光ったりね。
あれがホストクラブに流れたんじゃないかなと思うんですけどもね。
なるほど。
これは大体ムード歌謡に出てくる特にリードボーカルの人がオネエチックに歌う主人公の女性は幸せな人ではない訳です。
そうですね。
幸薄いというか日陰の道というか。
そうなんですよ。
事情でホステスさんになられてそこで来たお客さんにちょっとほれちゃってですねほれたのはいいんだけれどもでも奥さんから奪い取るような事はしないと。
しないんだけれどもこの人への愛は貫き通したいみたいな。
でもいつか私身を引かなければいけないっていうね。
そういう立場の女性というのはそれなりにいらっしゃったと思うんですよ。
この人たちはもうグサリと来てですねそんな女性たちを思いながらまたこちらもグサリと来るという…。
思いが深いですよこれは。
すいませんどうも。
徳光さん落語語ってる時よりねもう目が違いますよ。
2015/09/20(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
柳亭市馬の演芸図鑑「ナポレオンズ、桃月庵白酒、徳光和夫」[字]

落語家・柳亭市馬が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、ナポレオンズのマジック、桃月庵白酒の落語「茗荷宿(みょうがやど)」。対談のゲストは徳光和夫

詳細情報
番組内容
落語家・柳亭市馬が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、ナポレオンズのマジック、桃月庵白酒の落語「茗荷宿(みょうがやど)」。対談のゲストは徳光和夫。
出演者
【出演】ナポレオンズ,桃月庵白酒,徳光和夫,【ナビゲーター】柳亭市馬

ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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