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チリ沖で大地震 沿岸で津波観測
9月17日 14時12分

南米のチリの沖合で日本時間の17日朝発生したマグニチュード8.3の巨大地震で、チリ政府は、これまでに5人が死亡したと発表しました。また、アメリカの津波警報センターによりますと、チリの沿岸で、高さ4.6メートル余りの津波が観測されました。
16日午後7時54分ごろ(日本時間17日午前7時54分ごろ)、チリの首都サンティアゴから北北西に229キロ離れた沖合を震源とする大きな地震がありました。アメリカの地質調査所によりますと、震源の深さは25キロ、地震の規模を示すマグニチュードは8.3と推定されています。
チリの防災当局は記者会見し、この地震でこれまでに5人が死亡、1人が行方不明になっていると発表しました。また、被害は沿岸部だけでなく内陸部まで広がっているとしたうえで、津波の被害を防ぐために沿岸部に住むおよそ100万人を対象に避難を指示しているとしています。
一方、アメリカの津波警報センターによりますと、チリの沿岸では津波が観測されました。このうち、震源に近い町コキンボの沿岸で、地震発生からおよそ1時間半後の日本時間の17日午前9時25分に4.6メートル余りの津波が観測されたほか、バルパライソでは、その19分後に1.8メートル余りの津波が観測されました。
津波警報センターは今後、南太平洋のフランス領ポリネシアには高さ1メートルから3メートルの津波が、また、チリの北に位置するペルーとエクアドルや、日本を含む太平洋沿岸の広い範囲に高さ30センチから1メートルの津波が来るおそれがあるとして、警戒や注意を呼びかけています。

日本への影響 気象庁情報に注意を

地震のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の古村孝志教授は「チリ沖の海底では海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいて地震活動が非常に活発な地域だ。去年4月にも今回の北側の領域でマグニチュード8クラスの地震が起きていたほか、5年前にも巨大地震が起きている。この海域での地震では過去にもくり返し津波が発生しているが、日本への影響については、太平洋沿岸のほかの国の観測結果でおおむね推定ができるので、気象庁からの情報に注意して欲しい。津波が到達すると予想される場合には、津波が太平洋から伝わる間に波が集中し、東北などでは波が高くなりやすいので注意が必要だ」と話しています。

過去にもチリ沿岸巨大地震で津波被害

地震が起きたチリの沿岸では、太平洋側からナスカプレートと呼ばれる海底の岩盤が、南米大陸をのせた南米プレートという岩盤の下に沈み込んでいます。このため過去にもマグニチュード8以上の巨大地震が繰り返し起きていて、太平洋沿岸の広い範囲で津波の被害が出ています。
このうち、1960年には、チリの沖合で、世界の地震観測史上最大のマグニチュード9.5の巨大地震が起きました。この地震で津波が発生し、チリ沿岸部はおよそ18メートルの津波に襲われました。津波はおよそ15時間後にハワイに到達したあと、およそ23時間後に日本の三陸沿岸などにも押し寄せ、140人以上の死者・行方不明者が出ました。この津波災害は「チリ地震津波」と呼ばれています。
また、およそ140年前の1877年にチリ北部のイキケの沖合で起きたマグニチュード8クラスの地震では、津波によってチリ北部で多くの死者が出たほか、日本の沿岸でも岩手県釜石市に高さ3メートルの大津波が到達しました。
また2010年にはチリ中部の沿岸部でマグニチュード8.8の巨大地震が起き、地震と津波で500人以上が死亡しました。
さらに、去年のチリ沖合を震源とするマグニチュード8.1の巨大地震では、倒壊した建物の下敷きになるなどして6人が死亡したほか、2000余りの建物が倒壊する被害が出ました。

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