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 生態系に悪影響がある赤や緑色の外来浮草がこの夏に大繁殖した百舌鳥(もず)古墳群・ニサンザイ古墳(堺市)の堀で、今度は絶滅危惧種の「オニバス」が確認された。市によると、この古墳に生息した記録はなく、長い間水底で眠っていた種が芽吹いた可能性がある。

 オニバスは葉に鋭いトゲがある一年草で、環境省が絶滅危惧2類に指定している。市は今月から外来浮草の除去を始め、その作業の際に堀の東側に生えていることに気づいた。研究者が17日、オニバスと確認。直径50~100センチの葉が約100枚あるという。

 市は昨秋、古墳の護岸工事のため堀の水を完全に抜いた。大阪市立自然史博物館の佐久間大輔・主任学芸員は「泥が攪拌(かくはん)され、長年泥の中で眠っていた種子が刺激された可能性がある。堀の底にはまだ種子があるはず。絶滅の恐れがあるので、外来浮草を押さえ込む必要がある」と話す。(村上潤治)