| 制作発表を報じる東スポweb |
『塀の中の神様』は、プロデューサーに藤原慎二氏、監督に高橋伴明氏、出演は島田陽子氏、奥田瑛二氏、哀川翔氏などが予定されていると発表されています。内容は再現ドラマとドキュメンタリーをあわせた構成になるとされ、福永氏のインタビュー映像も収録される予定。
すでにクランクインしており、来年4月の公開を予定しているとのことです。
報道によると、会見には福永氏自身も刑務服姿で登場。しかし映画以外の質問はシャットアウト。一方で藤原プロデューサーが福永氏について「教団とは関係ない。肩書はフリー」(日刊スポーツより)だとして、法の華三法行の後継団体である天華の救済と福永氏が無関係であるかのように語っています。
■福永氏は天華の救済の宗教指導者
福永氏の号令で「最高ですか!」を連呼する行者たち(今年4月に開催された「復活祭」で)
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天華の救済はれっきとした法の華三法行の後継団体であり、福永氏はその宗教上の指導者です。教団における形式上の肩書が何であろうが、とうてい無関係ではありません。
これを無関係だと語る藤原プロデューサーの発言は、明らかなデマです。
■紀藤弁護士に出演依頼なし
東京スポーツは、制作発表会見を報じる記事の中で、〈ドラマには奥田瑛二(65)が刑事役、哀川翔(54)が弁護士役で出演。ドキュメンタリーには「法の華」被害者弁護団の副団長を務めたことで知られる紀藤正樹氏(54)も出演予定だという。〉としています。
一方、日刊スポーツは、会見を報じる記事と別途、紀藤弁護士の出演に関する記事を掲載。ここでは、〈藤原慎二プロデューサーが会見後、「紀藤弁護士に、インタビューさせてもらう。ひと言、言いたいと言っているようだ」と語った〉とされています。これに対して、記事では、紀藤弁護士が日刊スポーツに対して「話も来ていない」と出演を否定するコメントをしています。
東スポは紀藤弁護士本人に確認しないまま報道。紀藤弁護士に確認をとった日刊スポーツは、制作発表を報じる記事とは別に、紀藤弁護士の見解を報じる記事を掲載したようです。
しかし当の紀藤弁護士は、本紙の取材に対して、こう語ります。
「どうやら会見後の囲み取材で私の名前が出たようなのですが、出演依頼は来ていませんし、藤原氏とは面識もありません。なぜ私の名前が出てきたのか、さっぱりわかりません」
もし今後、出演依頼が来たら出演するのでしょうか。
「台本を見せてもらってから決めます。裁判記録なども含めて検証して事実に基づいて福永氏を描こうとしたら、ふつうは批判的な作品にならざるを得ません。そういう映画なら出演するかもしれませんが、福永氏を礼賛したり、福永氏という犯罪者の言うことを鵜呑みにして作られる作品なのであれば、論外です」(紀藤弁護士)
記者会見では高橋伴明監督と福永氏が仲良く握手をして写真撮影に応じています。プロデューサーが公の場でデマを連発していることから考えても、とても事実に基づいた批判的作品を作ろうという姿勢には見えません。
■犯罪者の片棒をかつぐ映画制作陣
有名俳優を使って、巨額詐欺事件で服役した教祖の映画を撮る。ましてやその教祖は、罪を反省して刑期を終えたのではなく、いまだ全く反省しないまま後継団体で宗教活動を再開している──。
過去の犯罪者を歴史やフィクションの題材として扱う映画と違い、福永氏や天華の救済の宣伝映画になる可能性が高い作品です。紀藤弁護士も、その点を危惧しています。
「法の華事件は、起訴されたのは被害者31人、被害額約1億5000万円についてですが、被害者の総数は2万2000人、被害総額は950億円。詐欺事件史上、10本の指に入るほどの巨額詐欺事件です。法の華が破産し、破産で被害を届け出た被害者には、わずか27%しか賠償されていません。にも関わらず福永氏は詐欺性を未だに否定して、活動を再開しています。今回の映画は、後継団体である天華の救済や福永氏の宣伝になる可能性が高い。制作発表の記者会見で監督が福永氏と握手をしている写真がスポーツ紙などに掲載されていますが、これ自体が教団や福永氏の宣伝になってしまいます。仮に今後、新たな被害者が出ることがあれば、宣伝に加担した映画関係者も責任を追求されることになるでしょう」(紀藤弁護士)
福永氏が教団と無関係というのもデマ。紀藤弁護士が出演予定という話もデマ。ただ単に映画を作るだけではなく、制作陣が公の場で教団や福永氏に利するデマを流しているのですから、もし今後新たな被害者が出れば、藤原プロデューサーらの責任はさぞかし重いものになるでしょう。
「私には出演依頼が来ていないばかりか、制作発表では私の名前すら挙がらなかった。こんな映画の制作は即刻、中止すべきだ」
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