僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
「それ」とはゆがみのない真理。
明快で合理的な思考。
考えを伝えるための強力な武器。
今こそ手に入れよう。
(来緋)勝手に行けばいいじゃん!
(圭次)え?そんなキレるセリフあったっけ?むかつくんだもん!そんな言われ方。
(手を打つ音)
(マリア)来緋なに役と現実混同してるの?これはセリフだよ。
だってアジオやなやつすぎるよ。
え?そうかな?アジオはリーダー的な存在になっていくんだからこれくらいみんなを強く引っ張っていった方がいいと思うけど。
リーダーっていうか俺様って感じ。
(ノーノ)私もこういう人苦手。
リーダーシップを描きたいならこれは失敗だね。
リーダーシップと偉そうなだけっていうのは全然違うもん。
失敗って…じゃあどうすればいいの?
(溝口)見せかけだけではない本当の説得力を持たせる事よ。
(4人)溝口先生。
偉そうな態度で上から頭ごなしに決めつけられるそんな事は世の中でもよくあるわね。
でもそんなニセモノの説得力にだまされては駄目。
どうすればいいのか考えてみましょう。
第15話…
ん?何これ?
(波)私たちの新作よ。
うわっ新井波だ。
有名人?溝口先生が掛け持ってる映像部の子。
めっちゃ個性的らしいよ。
これはガリレオ・ガリレイが言ったとされる「それでも地球は動く」をモチーフにした作品なの。
当時は「太陽が地球の周りを回っている」っていうのが常識だったからガリレオは宗教裁判で否定されたんだよね。
そう。
この作品では1人が裁判官でもう一人がガリレオ。
裁判官が絶対に自分は正しいという態度で決めつけてガリレオ役がそれに抵抗するの。
抵抗できないと太陽は回り続ける。
では最初は私が裁判官をやりましょう。
(小づちをたたく音)うわ〜目が回る〜。
早く抵抗しないとどんどん回るわよ。
でも先生にそんなふうに言われるとそんな気になっちゃうし。
相手の言い方や態度にだまされないで内容を冷静に考えなさい。
「大学を出て良い会社に入る」これは本当に常識かしら?え〜っとえ〜っとあのですね大学を出て良い会社に入るのがいいと考える人もいるけど考え方や生き方は人それぞれで別に常識という訳ではないと思います!はあ〜。
ちょっと弱気だったけれど高圧的な態度に屈しないでふんばりを見せたわね。
それにたとえそれが常識だったとしても常識に従って生きるかどうかは個人個人の問題だよね。
はい!次私。
圭次ガリレオやって。
やだよ。
僕三半規管弱いんだよ。
圭次君頑張って。
フッ困ったな。
あ!圭次ニタニタしてる。
してないよ。
(せきばらい)
(小づちをたたく音)うっ気持ち悪い。
僕こう見えて人見知りだし。
圭次!内容を冷静に考えてみて。
そんなの別に基本じゃないよ。
別に誰とでも友達にならなくた…うっ…あっ…やっぱ無理。
これ以上無理。
「誰とでも友達にならなくちゃいけない」って決めつけられると「そうかな?」って思っちゃうけど…。
う〜ん私は割と誰とでも友達になるけどでもそれも人によるよね。
「少数の友達を大事にしたい」っていう考え方の人もいるし。
別に「絶対友達がいなくちゃいけない」って訳でもないし。
それを「基本中の基本」とか「基本も分からないんじゃお話にならない」とか言われると自分が全面的に否定されたみたいで何も言い返せなくなっちゃう。
あ…そっか。
これ僕の書いた台本だ。
うん。
相手を押さえつけるのはリーダーシップでも何でもない。
特に脅し文句で決めつけるのじゃ全然駄目だと思うよ。
アジオがやなやつになってたって事が分かったよ。
皆を引っ張っていきながらでもみんなで考えていかなくちゃいけなかったんだ。
いい脚本になるといいね。
頑張って。
ありがとう。
どういたしまして。
じゃあ…
(手を打つ音)いい感じじゃん!この方がリーダーって感じ!でもさあ…。
何?マリアの裁判官怖かったな〜。
え?「基本中の基本でしょ!お話にならない!」。
何よ!でもそんな言葉で偉そうに決めつけるのってインチキ。
本当の説得力じゃないよね。
そんなニセモノの説得力が世の中にはたくさんある。
だからそれに負けないで冷静に考えていかなければとんでもない事になってしまうわ。
相手の言い方や態度にだまされないで内容を冷静に考える。
これって…。
そう。
これも…「ロンリのちから」。
(小づちをたたく音)
(女王)赤いタルト以外は作ってはならぬ。
それがこの国の常識じゃ。
(アリス)そんな!私はブルーベリーを使った青いタルトが一番好きなのに!その者を処刑せよ。
(小づちをたたく音)
(王様)女王の言う事には逆らわないそれがこの国では何よりも基本なんじゃ。
そんな事も知らぬのか。
でも不思議の国の常識は私たちの世界では非常識よ。
赤いタルトを作るかタルトを食べるのを諦めるかだ。
(ウサギ)いやいや女王様。
自分たちにとって常識でもほかの人たちにとっては常識じゃない事もあるんです。
ウサギさんの言うとおりだわ。
だからね時には自分たちのこれまでの常識を疑ってみる事も必要なんですよ。
でもウサギさんそれもやっぱり…。
そう「常識を疑え」そんな事ももちろん言うまでもなく常識だ…あれ?
(小づちをたたく音)これにて閉廷〜!2015/09/17(木) 23:45〜23:55
NHKEテレ1大阪
ロンリのちから・選「ニセモノの説得力」[字]
論理的思考力を養う番組。毎回、簡単な例文を題材に、論理的に考えるとはどういうことかを学んでいく。今回は「ニセモノの説得力」について学ぶ。
詳細情報
番組内容
偉そうな態度で上から頭ごなしに決めつけられると、なんとなく「そうかな」と思ってしまうことも世の中にはよくある。しかしそんなニセモノの説得力にだまされてはいけない。相手を押さえつけるのはリーダーシップでもなんでもないのだ。相手の言い方や態度に惑わされずに内容を冷静に考えることが大切だ。そして、それを可能にするのが「ロンリのちから」だ。【出演】緒川たまき ほか
出演者
【出演】緒川たまき,水石亜飛夢,阿久圭介,高橋春織,田中美海
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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