胃がん(1)全摘出手術経て限定復帰
テレビ局記者を経て、フリーアナウンサーとして活動し、昨年4月、長年の夢だった報道番組のキャスターになった。しかし、その4か月後、胃がんとわかり無念の休業。全摘出手術、痛みや抗がん剤の副作用など、壮絶な闘病を続け、今年春、週1回の限定で番組に復帰した。
鹿児島市の出身。小さい頃は人見知りで、よく泣く甘えん坊だった。サラリーマンの父は、ラグビーの社会人クラブチームの監督もしていた。小学生の時、父が見ていたニュース番組で、堂々と原稿を読むアナウンサーにあこがれた。「早くから、将来はアナウンサー、と決めていました」
長身でスポーツ好きだったので、中学では軟式テニス部に入り、キャプテンになった。しかし、部活で走りすぎたため、一時、腎臓の病気「
県立高校2年の時、母が乳がんになり、2か月ほど入院した。深刻とは思わなかったが、「母が死を覚悟しながら、部分切除の手術、ホルモン剤、放射線、抗がん剤の治療を続けていたことを、後で知りました」。
大学は、女性アナウンサーが多い出身校を調べて決めた。上京し、すぐにアナウンストレーニングのスクールに通った。交換留学生としてフランスで1年過ごした。ここまでは、絵に描いたような学生生活だった。
報道番組キャスター 黒木 奈々(くろき なな)さん 32
(2015年8月6日 読売新聞)
一病息災 最新記事 一覧はこちら
- 胃がん(7)闘病の現実伝えたい(2015年9月17日)
- 胃がん(6)今度は味覚障害…泣いた(2015年9月10日)
- 胃がん(5)公表、手術…痛みとの闘い(2015年9月3日)
- 胃がん(4)復帰の10日後に事態一転(2015年8月27日)
- 胃がん(3)会食中に激痛、救急搬送(2015年8月20日)
- 胃がん(2)苦労重ね「メイン」に抜てき(2015年8月13日)
- 胃がん(1)全摘出手術経て限定復帰(2015年8月6日)
- 難聴(4)周囲のフォローに助けられ(2015年7月30日)
- 難聴(3)名医にも「治らない」と言われ(2015年7月23日)
- 難聴(2)友人に指摘され気づく(2015年7月16日)