東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

年金情報流出で厚労相らを処分

 日本年金機構がサイバー攻撃を受けて百二十五万件の個人情報が流出した問題で、厚生労働省と機構は十八日、関係者の処分を発表した。厚労省は塩崎恭久厚労相ら政務三役が就任時からの議員歳費を除く給与と賞与を全額返納し、村木厚子事務次官ら十四人を戒告や訓告などとした。機構は水島藤一郎理事長を戒告にするなど十六人を処分した。

 塩崎氏は記者会見で、水島氏について「当面は機構の再生に全力をささげるものと理解している。改革の道筋を付けるのが理事長のけじめと責任だ」と述べ、任期の十二月末までは続投させる考えを示した。

 塩崎氏の返納額は計約二百三十万円に上り、政務三役が昨年九月の就任時から九月までの給与と賞与を返納することは「法律上できる限りの対応だ」と強調した。

 塩崎氏は、情報セキュリティー対策の強化を柱とした省の再発防止策も公表。十月にも「情報セキュリティ対策室(仮称)」を新設して外部の専門家を常勤させるほか、来年度には省内の情報セキュリティー担当部署を集約し、機能を強める。機構との関係では日常的な情報共有をルール化し、人事交流を拡大する。

 【厚生労働省】

 ▽給与・賞与全額返納 塩崎恭久厚労相、山本香苗、永岡桂子両副大臣 橋本岳、高階恵美子両政務官▽戒告 年金局事業企画課長ら四人▽訓告 村木厚子事務次官、香取照幸年金局長ら九人▽厳重注意 事業企画課課長補佐

 【日本年金機構】

 ▽戒告 水島藤一郎理事長、薄井康紀副理事長ら七人▽訓告 事業管理部門担当理事ら六人▽注意 三人

◆村木次官退任 後任に二川氏

 塩崎恭久厚生労働相は十八日、村木厚子事務次官(59)を退任させ、後任に二川一男医政局長(58)を充てる人事を固めた。厚労省は旧労働省出身の次官が二代続いており、三年ぶりに旧厚生省出身の次官が誕生する。月内にも正式決定する。

 二川氏は医療、年金分野の経験が長い。来月から始まる予期しない患者死亡が起きた医療機関に第三者機関への届け出と院内調査の実施を義務付ける「医療事故調査制度」にも関わった。

 村木氏は、女性登用の象徴として安倍晋三首相の強い意向で二〇一三年七月に次官に就任した。

 【厚生労働事務次官】

 二川 一男氏(ふたがわ・かずお)東大卒。80年厚生省。官房長を経て14年7月から医政局長。58歳。富山県出身。

 

この記事を印刷する

PR情報