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憲法改正のドラマに迫る
安倍晋三首相が「戦後レジームからの脱却」を主張するとき、その第一は戦後憲法の改正であろう。
現在の日本国憲法は、敗戦の翌年、1946(昭和21)年の2月4日から12日までの9日間に、連合国軍最高司令官マッカーサー元帥の命令で、GHQ民政局の25人のメンバーが書き上げたものである。その作業は、当時の日本政府にもまったく知らされず、いわば秘密裡の密室作業だったのである。
そのために、憲法改正を唱える勢力は、「占領軍による、日本弱体化のための押し付け憲法」で、日本が主権のない時代に押し付けられた憲法は「無効」だと主張する。だから石原慎太郎氏などは「改正」ではなく「破棄」すべきだと言って捨てる。
たしかに、GHQ憲法は「戦争放棄」、つまり日本の非武装を前提にしていた。そして作成したGHQ自体、日本が独立すれば、当然日本人の手で憲法をつくり直すものだと考えていた。
現に1955(昭和30)年に保守合同によって自由民主党が発足したとき、その綱領に「現行憲法の自主的改正」が謳われていたが、それから60年経った現在まで「改正」は行われていない。もちろん、この間何人もの首相が「憲法改正」を唱えたが、具体的な作業は行われなかった。なぜなのか。
この60年間、ほとんど政権を握り続けながら、自民党はなぜ「憲法改正」をしなかったのか。かつて宮澤喜一氏が「日本人は、自分の体に合った服をつくるのは下手だが、押し付けられた服に体を合わせるのはうまい」と言ったことがある。憲法のことを言っているのである。
アメリカに押し付けられた憲法を、日本人は上手に使いこなしているということだ。
それは具体的にはどういうことなのか。
自民党にとって、あえて憲法を改正しないことに、どのようなメリットがあったのか。それを、今、安倍首相は、なぜ憲法改正に挑戦しようとしているのか。
あらためて、GHQによる大急ぎの、秘密裡の密室作業から、現憲法を捉え直すことにした。
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