工藤阿須加の取材で感じさせられた公康監督との「親子の絆」

2015年9月20日11時15分  スポーツ報知

 17日にパ・リーグ史上最速でリーグ優勝を決めたソフトバンク。チームを率いた工藤公康監督の長男で俳優の工藤阿須加(24)に、父への祝福の言葉を聞いた。合同取材で、他紙からは野球担当も来ていたのだが、彼らは皆「お父さんにすごく似てるよね」と話していた。

 私は残念ながら公康監督を取材したことはない。だが、それを聞いて阿須加に過去に取材したことを振り返ってみた。2012年10月、彼にとっては俳優として初めてのインタビューを振り返ってみると、なるほど公康監督の性格や影響を大きく受けていることが改めて分かったような気がする。

 中でも「面白いな」と思ったのは、公康監督が監督を引き受けることを聞き、母と妹、弟と“家族会議”を行った後の言葉だ。阿須加は公康監督に「家族全員で現役の時みたいに支えるから頑張って」と言ったという。父の決心が揺るがないことを感じてのものだっただろうが、当時のインタビューでは阿須加が20歳の時に公康監督から「自分の人生は自分で決めなさい。どんな協力でもするから」と言われたことを明かしていた。それを聞いて、俳優の道を進むことを決意したという。

 自分が昔、父に言われたことを意識していての今回の言葉ではなかったと思う。お互いを支え合うというのはある意味、親子では当たり前のことかもしれない。でも、それを言葉にしてハッキリと相手に伝えることができるというのは、私自身が同じようなことを思っていても照れがあって家族に言えないことを考えると、「工藤家だからこそ」とではないだろうか。

 ソフトバンクが福岡を拠点とすることで親子が顔を合わせる機会は減ったが、男2人で食事をすることは度々あるという。「その時は、会話はあまり多くはないですね。でも話さなくてもいい。男同士だからこそ感じられることがあります。一緒にいて、プロとは何かということが伝わって来る」。3年前には「(プロとは何か)本当は言葉で聞きたいんですけどね。そう言ってる時点でガキなのかもしれませんが…」と話していたことを思い出すと、“成長”を感じさせる。

 公康監督がソフトバンクの監督を引き受けたのには、様々な理由があるはずだ。ただ、今回の阿須加の言葉を聞くと「息子が自分の考えるように育ってくれた。自分がいない時にも家族を任せても大丈夫だ」と確信したことも大きかったのではないだろうか。同時に、「子供たちの更なる成長のために、再び戦いの場にいる自分を見せたい」とも考えたのでは…。そんなことを考えさせられる取材だった。(柳)

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