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Locus 1
お読み頂き、そして評価して下さりありがとうございます。
まだまだ至らぬ所が多々ありますが、作者は豆腐メンタルです。
暖かい目でご覧ください。よろしくお願いします。
一時的に視界が真っ暗になり、それから強い光を感じ、目を開けてみると俺は粗末だが、丈夫そうな長袖長ズボンにサンダルを身に着けて、草原に立っていた。
柔らかな日差し、若草と土の匂いの混じる風。
そして・・・・・・目の前には拳大で淡い燐光を発しながら浮遊する球体!?
「ようこそ。『Struggl Locus On-line(ストラグル ローカス オンライン)』の世界へ!私はこれから始める冒険の案内を勤める『ナビ』と申します。短い間ですが、よろしくお願いします。」
「あぁ・・・・・・これはご丁寧に、こちらこそよろしく。」
「では、あなたのお名前を教えて頂けますか?」
そう問われると、目の前に半透明のキーボードとディスプレイが現れた。
名前はすでに決めてあり、「L」、「I」、「O」、「N」:リオンと入力し、決定ボタンを押した。
この名前は本名を元に連想してつけたものだ。
どういったように連想したかというと、本名の佐伯 千早の名の方の千早には、猛々しいという意味がある。
そして一般的に、猛々しいものはなんだろうかと考え、俺は百獣の王つまり、獅子を思い浮かべた。
獅子を英語表記に直し、ローマ字読みをするとLion:リオンとなる。
「リオンさんですね。この名前でよろしいですか?」
そう聞かれた後に、Yes/No というウィンドウが現れ、迷わずYesを押す。
「では容姿を設定して下さい。容姿は実際に行動することを前提に、最大5cmのみ変化が可能です。又、リアル割れ防止のため最低でも目や髪の色等を変えることをお奨めします。」
そう言われ行動の妨げが嫌だったので、目を赤紫に、髪を銀灰色にして、アバターの容姿設定を終え完了ボタンを押した。
「これ以後容姿の設定は変更できなくなりますが、よろしいですか?」
そしてまた、Yes/No のウィンドウが現れたので、素早くYesを押した。
「次にステータスポイントの割り振りを行って下さい。ステータスについて説明は必要ですか?」
一応ゲームについてた取り扱い説明書は読んだが、何かしらの不備があるといけないと思い、説明を聞くことにした。
聞いた内容をまとめると、こういうものだった。
最初は皆種族Lvが0で、割り振れるステータスポイントは20。
LvアップごとにHPとMPが一律で10上昇しHPとMPを除く全ステータスに自動で1ポイント加算され、任意で3ポイント割り振るというものだった。
そしてステータスの内容は名前、性別、実年齢に加え、
種族(race):自分の種族。種族ごとにステータス補正や種族スキルが異なる。
種族(race)Lv:その種としての階級。これが上がるほど、種として強くなる。
職業(job):現在就いている職業。職業ごとにステータス補正や専用スキルを覚えることがある。
職業(job)rank:その職業としての階級。これが上がるほどより多くのことができるようになる。
科業(class):現在ついている科業。科業ごとにステータス補正や専用スキル、アーツを覚えることができる。
科業(class)Lv:その科業としての階級。これが上がるほど強力な専用スキルや特定条件下でより上位の科業へ転科することができる。
HP:生命力の総量。ダメージを負うと減少していき0になると死亡する。
MP:魔力の総量。アーツや魔法を使用したり、ダメージを負うと減少していき0になると、最大MPの1割が回復するまで全ステータスが半減する衰弱状態になる。
STR:物理攻撃力・装備品の使用適正値に影響。
VIT:物理防御力・肉体系状態異常耐性に影響。
AGI:移動速度・平衡感覚・物理、魔法回避力に影響。
INT:魔法攻撃力・魔法詠唱速度に影響。
MID:魔法防御力・精神系状態異常耐性・回復系魔法威力に影響。
DEX:物理、魔法命中力・生産成功率等に影響。
LUK:あらゆることに影響。
ここで注目する所はMPが0になると、最大MPの1割が回復するまでバッドステータスが発生することだ。
これは、魔力がこの世界では生命が活動する上で必要不可欠なものであるためだそうだ。
逆に考えれば、例え残りMPが1割を切っても0にさえならなければ、バッドステータスが発生しないことになる。
一応目安としてMPは1割くらい残しておくように心がけておこうと思った。
説明を聞き終わって俺はステータスポイントを割り振った。
ゲームの中でまだどんなクラスに就くか決めてなかったので、どんなことになってもいいように、ステータスポイントは平均的に割り振った。
そして今のステータスはこんな感じだ。
name:リオン
age:16
sex:男
HP:31 MP:6
STR:3
VIT:3
AGI:3
INT:3
MID:3
DEX:3
LUK:2
割り振り完了のボタンを押し、ステータスの割り振りを終えた。
「次に、種族を選択して下さい。一部の種族を除いて種族による外見的要素はランダムで決定します。」
ここでいうところの、種族による外見的要素とは、例えば、獣人系の種族ならば耳やしっぽの形、翼の羽の模様等のことを指す。
つまり人にはないものの形状や模様、本数がランダムで決定するということだ。
そして選べる種族はこちら。
・人族
・獣人系:犬人族、猫人族、兎人族、狐人族、熊人族、鳥人族
・妖精系:森人族、山人族、水人族、草人族、羽人族
・鬼人族
・竜人族
人族意外の種族も魅力的だったが、人にはない外見的要素で動きが阻害されることが嫌だったので、人族に決めた。
そして種族を決めたことでステータスはこのように変化していた。
name:リオン
age:16
sex:男
race:人族Lv0
job:自由人 rank-
class:ノービスLv0
HP:76 MP:72
STR:8
VIT:8
AGI:8
INT:8
MID:9
DEX:9
LUK:8
「次に、種族スキルを選択して下さい。特定条件を満たしている場合、新たな種族スキルを選択できる場合があります。」
俺はさっそく種族スキル覧を確認した。
そして・・・・・・ソレはあった。
種族スキル・人族
<天稟・武器習熟>:以下の天稟を1つ取得。取得した天稟により、特定の武器スキルに補正(微)
「剣」、「短剣」、「斧」、「槌」、「杖」、「弓」、「槍」、「格闘」
<ガッツ>:致命攻撃を受けた時、1日1回HP1で踏みとどまる。
<運気上昇>:LUKの値に+3
NEW
<ハーフブラッド>:下記の混血から1つ選び、種族スキルを3つの内から1つを選択する。
・ハーフエルフ:人族と森人族の混血
<魔力向上>:MP、INT上昇(微)
<地形効果(森)>:森の中にいる時、全ステータス上昇(微)
<風の操手>:風魔法の威力と風耐性に補正(微)
・ハーフニンフ:人族と水人族の混血
<体力向上>:HP、VIT上昇(微)
<地形効果(水中)>水中にいる時、全ステータス上昇(微)
<水の操手>:水魔法の威力と水耐性に補正(微)
・ハーフドラゴン:人族と真竜の混血
<部分竜化>:一定時間体の一部位を竜化させる。但し、竜化部位は固定。
<属性耐性>:属性1種に対し高い耐性を得る。但し、属性は固定。
<竜の息吹>:特定属性のブレスを1日1回使用可能。威力はINTの値に依存。但し、属性は固定。
・ハーフフェザリアン:人族と天翼人の混血
<小さき翼>:一定時間翼を展開し、滑空することが可能。
<天稟・造形>:INT、DEXに補正(微)
<眉目秀麗>:NPCとの売買で、買受時の金額が減少し、売却時の金額が増加する。(微)
・ハーフヴァンパイア:人族と吸血鬼の混血
<筋力向上>:STR上昇(小)
<時間効果(夜)>:夜の時間帯の時、全ステータス上昇(微)
<影の操手>:影魔法の威力と影耐性に補正(微)
「おぉ・・・・・・新しい種族スキルがある。」
う~んどれも魅力的だけど、ここはロマンを取ってみようと思う。
とういうことで、俺はハーフドラゴンの<竜の息吹>を取得した。
種族スキルを取得したら、耳になんとなく違和感があり、髪も少し伸びた気がした。
手で耳に触ってみると、少し小ぶりでやや尖った形になっていた。
そういえば、種族による外見的要素というものがあったことを思い出した。
うかつすぎるだろう・・・・・・俺。いきなり竜尾や竜翼が生えたりしたらどうするんだよ。
鏡がないので顔等は分からないが・・・・・・いや、聞いてみればいいか。
「ナビさん、鏡ってありませんか?」
「ありますよ。どうぞ。」
そうナビさんが言うと、俺の目の前に等身大の鏡が現れた。
やはり、耳が少し小ぶりで尖り、髪が少し伸びていた。
それ以外は特に変わったところはないようだったが、ただでさえ女顔とか言われるのに、髪まで長く(といっても女性でいうショートヘア位だが)なると益々女性に間違えられそうで、少しうんざりした。
さて・・・・・・気を取り直し次にいってみよう。
「では、スキルを取得しましょう。」
説明をまとめるとこんな感じだった。
初期のスキルポイントは10。この10ポイントを消費して、多種多様なスキルを取得していく。
又、現在の最大装備可能スキル数は、10個だ。
スキルには大きく分けて、ES、AS、PSの3種がある。
ESは、自分のステータスが常時上昇するスキルで、STR増加やMP増加等がある。
ASは、能動的に力を発揮するスキルで、自らが使う意志を込めながら発声することで力を発揮する武技や魔法等を覚えられるスキルのことだ。
PSは、特定条件下で自動で発動するスキルで、看破系や~の目系等のスキルがある。
説明を聞き終わった俺は、膨大な数のスキルからSPを消費して、スキルを取得しようとして、スキル一覧を見ると、一覧の一番上にこんなスキルがあった。
□ アイテムボックス (AS):消費SP3
アイテムボックス!?このゲームでは、所謂インベントリがスキルとして存在するのか?
説明!このスキルに対する説明はないのか?と思い探してみるがそれらしきものは見当たらない。
試しにアイテムボックスという文字をタップしてみるが、『アイテムボックスを取得しますか? Yes/No』としか表示されない。
・・・・・・あっ!こんなときこその《ナビ》さんだ。分からないことがあれば、聞けばいいじゃない。
「ナビさん、スキルの説明が見たいんですけど、どうやったら見られますか?」
「スキルの説明は、スキル名をドラッグしたまま右にスクロールすれば見られますよ。」
「なるほど、ありがとうございます。」
「いえいえ、分からないことがあれば、またお聞き下さい。」
俺はナビさんの助言に従い、アイテムボックスの文字をドラッグしたまま右にスクロールしてみた。
□ アイテムボックス(AS):アイテムを入れることができる箱を具現化することができるスキル。消費SP3
う~んまるで、詐欺のような説明だ。しかも大事なことは何も書いてない。
ここまであからさまな罠のようなスキルがあるだろうか?いやない。(反語)
しかし、これ以外にインベントリに代わるスキルはないのだろうか?
こういう一覧とかには検索欄があるはずなんだけど・・・・・・あった。
一覧の一番下に検索と逆引き欄がある。
まずは検索する。インベントリ・・・・・・ない。倉庫・・・・・・ない。
次は逆引きで探す。う~ん入力する文字は何にしよう?
よしっ!~庫で逆引き検索だ。・・・・・・あった。該当件数1件。
□ 虚空庫(PS):虚空にアイテムを収納することができるようになるスキル。消費SP2
うん。やっぱり説明は色々と足らない、ここまでくると意図的に足らなくしてるのかも。
でも、アイテムボックスよりはよさそうに思える。消費SPも1ポイント少ないしね。
後8ポイントでよさそうなスキルはっと。
俺は、虚空庫を取得して、残り8ポイントでスキルを取っていった。
そして、俺が取得したスキルはこちら。
□ STR増加(ES):STRを増加させる。消費SP1
□ AGI増加(ES):AGIを増加させる。消費SP1
□ 鑑定(AS):アイテムの詳細を調べることができる。消費SP1
□ 剣(AS):ATKに補正、耐久値消耗率軽減。消費SP1
□ 料理(AS):DEXに補正、料理の成功率が上昇。消費SP1
□ 気配察知(AS):一定範囲内に居るものの気配が分かる。消費SP1
□ 梟の目(PS):DEXに補正、夜目、望遠。消費SP1
□ 発見(PS):隠されたものや、見つけにくいものを見つけ出す。消費SP1
これらとさっきの虚空庫(PS)を合わせて消費SPは10ポイントの計9個のスキルを取得した。
料理を取得したのは、現実では食べられないようなものを食べてみたかったからだ。
魔法も欲しかったけど、ポイントが足りなくなってしまった。
スキルはゲーム内でも入手できるようだから、後で入手しようと思う。
そうして俺は確認ウィンドウのYesを押して、スキルの取得をし終えアバターの設定が完了した。
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