iPhoneの機種変更時にデータ移行(復元)する方法まとめ──iTunes/iCloud経由や、AndroidからiOSへ引き継げるアプリ(Move to iOS)の使い方も
2015.09.19 22:03iPhone 6s/6s Plusなど新しいiPhoneへ機種変更するなら、古い端末からのデータ移行は必須の作業でしょう。iPhoneからiPhoneへの乗り換えでは、iTunesやiCloudを利用してバックアップを作成し、現在使っているデータを新端末へ引き継いで復元できます。また、Android端末からiPhoneへ移る場合でも、Apple公式アプリ「Move to iOS」を使って連絡先や写真などを引き継げます。
1. iTunesによるデータ移行と復元(PCがある場合)
今使っているiPhoneから最新のiPhoneにデータを引き継ぐには、iTunesかiCloudを利用します。パソコン(Windows PC、Mac)があるなら、iTunesを利用するのが簡単です。すべてのデータをPCに保存した後、新しいiPhoneにデータを転送します。iTunesは下記より入手できます。
iTunes - iTunesを今すぐダウンロード - Apple(日本)
なお、アプリによっては機種変更を行うための準備が必要なものもあります。たとえばLINEは、メールアドレスの登録、もしくはFacebook連携を済ませておかないと、新しい端末で本人確認がおこなえません。
関連:失敗しない、機種変更時にLINEを引き継ぎする方法(iPhone・Android対応)
またプレイデータの引き継ぎに、引き継ぎコードの発行や、データのバックアップが必要なゲームアプリもあります。それぞれのアプリでデータの移行方法を確認し、準備しておきましょう。
1-1. iTunesで旧iPhoneからデータのバックアップをとる
それではバックアップを開始しましょう。iPhoneに付属のLightningケーブルでPCと今使っているiPhoneを接続し、iTunesを起動します。
端末アイコンをクリックして[概要]を開きます。バックアップオプションが表示されるので、[iPhoneのバックアップを暗号化]にチェックを入れます。
バックアップを暗号化すると、バックアップ全体をパスコードで保護できます。さらに、メールアカウントやWi-Fiのパスワード、アプリに登録しているユーザーIDやパスワードなども保存されます。
LINEを利用しているなら、トーク履歴などを引き継ぐこともできます(※失敗することもあります)。アプリの設定を引き継げるように、暗号化は原則としてオンにしておきましょう。
関連:機種変更時にLINEのトーク履歴を引き継ぎ、元通りに復元する方法(iPhone・Android対応)
暗号化をオンにすると、パスワードの設定画面が表示されます。任意のパスワードを入力し、[パスワードを設定]をクリックします。
パスワードは復元時に必要です。メモを残しておくなど、忘れないようにしましょう。
「手動でバックアップ/復元」の項目にある[今すぐバックアップ]をクリックします。
iPhoneのデータがPCに転送開始され、進捗状況が表示されるので、バックアップ完了までケーブルを抜かないようにしてください。
このような画面が表示されたら、[Appのバックアップを作成]をクリックします。アプリを復元するのに必要なバックアップを作成します。
1-2. iTunesのバックアップからデータを新iPhoneへ復元する
新しいiPhoneを購入してきたら、PCに保存したバックアップデータを復元します。iTunes経由の復元なら、古いiPhoneのデータを一度に転送できます。しかし、そのぶん転送に時間がかかります。転送中はケーブルを抜かないよう注意しましょう。
なお、復元をおこなっても、ミュージックライブラリの音楽は転送されません。再度ダウンロードを実行するか、iTunes経由で転送し直します。
関連:iPhoneに音楽・曲を同期(転送)する方法、同期できない時の対処法も
また、サードパーティのアプリで、アプリ内課金などを利用して追加したコンテンツも復元されません。復元を実行した後、個々のアプリを起動して機能のリストアをおこなう必要があります。
このほか、アプリによっては引き継ぎに特別な操作が必要なものもあります。たとえばLINEでは、新しい端末へ移行するのに本人確認が求められます。メールアドレスとパスワード、PINコード入力のほかに、電話番号が変わる場合は新しい番号で電話番号認証(SMS/音声通話)をおこないます。
新しいiPhoneをiTunesに接続すると、「新しいiPhoneへようこそ」という画面が表示されます。
[このバックアップから復元]を選択して、バックアップ元のデータを選びます。[続ける]をクリックします。
バックアップにかけられた暗号を解除するためのパスワードを入力します。[OK]をクリックすると、復元を開始します。
なお、バックアップを選ぶ際に[新しいiPhoneとして設定]を選択すると、まっさらなiPhoneとして使うことができます。アプリやアプリのデータを引き継がなくてもよい場合は、こちらのオプションを選びます(iCloudにサインインすることで、メールやカレンダーなどを同期することはできます)。
「新しいiPhoneへようこそ」の画面が表示されない時は、端末アイコンをクリックします。
「概要」タブが開くので、[バックアップを復元]をクリックすれば、PCに保存したバックアップデータを転送できます。
初期化が完了するとiOS設定アシスタントが表示されます。
画面をスライドし、[続ける]をタップします。
Apple IDのパスワードを入力します。
iMessageとFaceTimeの連絡先情報を設定するため、[次へ]をタップします。
Touch IDやパスコードについては、新しく設定し直す必要があります。
関連:iPhoneで指紋認証「Touch ID」を設定する方法と使い方、できない時の対処法も
最後に[さあ、はじめよう]をタップすると、ホーム画面が表示されます。
写真や動画、アプリなどがiTunesから転送されます。ファイルの転送サイズによりますが、転送が完了するまで20~30分程度かかることがあります。
2. iCloudによるデータ移行と復元(PCがない場合)
PCがない場合、iPhoneから新iPhoneへの機種変更時の引き継ぎには、iCloudを利用します。旧iPhoneのデータをWi-Fi経由でクラウドにアップロードし、新しい端末に復元するという手順です。
注意したいのはiCloudの容量です。標準(無料)で5GBまでは利用できますが、容量が不足するとバックアップできません。その場合、容量を追加購入するか、写真やビデオなどサイズの大きなデータをバックアップ対象から外す必要があります。
関連:iCloudのストレージプランは50GBで130円から、アップルが新料金を発表
2-1. iCloudに旧iPhoneからデータのバックアップをとる
iCloudのバックアップは、今使っているiPhoneの「設定」アプリから[iCloud]へ進んで行います。
最初にバックアップする項目を確認しておきます。
[容量]→[ストレージを管理]→[このiPhone]の順にタップすると、バックアップオプションが表示されます。
バックアップのサイズがiCloudの容量をオーバーしていると、バックアップできません。バックアップオプションから、バックアップするデータを減らす必要があります。
[すべてのAppを表示]をタップして、サイズの大きな項目やデータを引き継がなくても問題がないアプリをオフにします。
iCloudの画面に戻って、[バックアップ]をタップします。
[iCloudバックアップ]がオンになっていることを確認します。Wi-Fiに接続した状態で[今すぐバックアップを作成]をタップすると、バックアップが開始します。
2-2. iCloudのバックアップから新iPhoneにデータを復元する
iCloudから、バックアップしたデータを復元します。この作業は、Wi-Fiに接続できる環境でおこないます。
バックアップしたデータを新しいiPhoneに転送するには、端末のリセットが必要です。「設定」アプリを起動して[一般]→[リセット]をタップします。
[すべてのコンテンツと設定を消去]をタップします。iPhoneのパスコードを入力し、[iPhoneを消去]を2回タップします。
Apple IDのパスワードを入力します。
[消去]をタップすると、iPhoneが工場出荷時の状態に初期化(リセット)されます。
初期化が完了すると、iOS設定アシスタントが表示されます。画面に従って操作し、Wi-Fiに接続します。
「iPhoneを設定」という画面が表示されたら、[iCloudバックアップから復元]をタップします。
iCloudにサインインするためApple IDとパスワードを入力し、[次へ]をタップします。
利用規約が表示されるので[同意する]をタップします。
バックアップを選択します。iCloudには各デバイスのバックアップが3つまで保存されています。
該当するバックアップデータをタップし、復元を開始します。
復元が完了したら[続ける]をタップします。
続けて、Apple IDのパスワードを入力します。
Touch IDや端末のパスコードについては、新しく設定し直す必要があります。
関連:iPhoneで指紋認証「Touch ID」を設定する方法と使い方、できない時の対処法も
また、iCloudキーチェーンを同期している時は、セキュリティコードを入力(または他のデバイスで承認)します。
アプリなどは順次ダウンロードされていきます。
ただし、Wi-Fiが切れるとダウンロードは中断されます。外出する時は注意が必要です。
3. AndroidからiPhoneへ機種変更時のデータ移行と復元(Move to iOSの使い方)
Android端末からiPhoneへ機種変更する時は、iTunesやiCloudが使えません。しかし、iOS 9では「Move to iOS」というApple公式のAndroidアプリを使って、Android端末からiPhoneへのデータ移行がスムーズにおこなえるようになりました。
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データ移行できる内容は、連絡先やメッセージ(SMS)、写真・動画、ブラウザのブックマーク、Googleアカウント、カレンダーなど。同一ネットワーク(Wi-Fi)に接続していれば、これらデータを安全かつ簡単に移行できるのが特長です。
3-1. 移行したいデータの入ったAndroidでの準備
まずは、Android端末にGoogle Playから「Move to iOS」アプリをインストールします。
この時から、Android端末を自宅など安定したWi-Fiネットワークに接続しましょう(後ほど、移行先のiPhoneでも同じWi-Fiに接続します)。
アプリを起動したら[続ける]をタップして進み、利用規約をよく読んで同意します。
「コードを検索」の画面が表示されるので、このまま待機し、今度はiPhoneのほうで作業を進めていきます。
3-2. 移行先のiPhoneでデータ受信の準備をする
Android端末が接続しているWi-Fiネットワークに、移行先のiPhoneでも接続します。データ移行は、iOS 9を搭載したiPhoneにおいて初期設定中におこなうことができます(上記Wi-Fiへの接続は、初期設定プロセスの中で可能です)。
移行先のiPhoneでは、初期設定プロセスで「Appとデータ」という項目まで進みましょう。
ここで[Androidからデータを移行]をタップします。
次の画面も[続ける]と進んでいくと、10ケタの数字(コード)が表示されます。
これを、今度はAndroid端末のほうへ入力します。
3-3. Android端末にコードを入力してデータ移行開始
Android端末のMove to iOSアプリに戻り、コードを検索の画面で[次へ]をタップしましょう。
iPhoneに表示されているコードを入力します。
移行先のiPhoneとの接続が始まるので、そのまま待機します。
iPhoneに移行したいデータの種類を選択します。
この例では3種類のみ表示されていますが、写真(カメラロール)やブックマーク、Googleアカウントのほか、連絡先、メッセージ履歴、カレンダーが移行可能です。
選択後、[次へ]をタップ。
iOSへのデータ移行が開始されます。
移行完了まで10分程度かかりましたが、時間は容量にもよりそうです。
データ移行が完了すると、「転送が完了しました」の画面が表示されます。
[完了]をタップし、今度はiPhoneのほうの操作へ移ります。
3-4. iPhoneでデータを受信後、復元を確認する
iPhoneのほうでもAndroid端末からのデータを受け取り、それが端末の所定の場所に配置されていきます。
その後、「転送が完了しました」と表示されたら[iPhoneの設定を続ける]をタップし、iPhoneの初期設定を完了させます。
新しくiPhoneのホーム画面が表示されたら、データがきちんと転送されたかチェックしましょう。
Googleアカウントについては、パスワードまでは移行されないため、「設定」アプリから自動で上掲のようなメッセージが表示されます。パスワードを入力してログインし、iOSにアクセス許可を与えれば利用できるようになります。
なお、Androidにインストールされていたアプリのメタデータは、Appleに送信されます。これを元に、iOSバージョンのアプリのダウンロード推奨などがおこなわれるとされています(現時点では何の現象も確認できていませんが、今後検証できた事象については随時追記します)。