京都の映画文化と歴史
第16回
東映太秦映画村~映画文化館
かつての"日本のハリウッド"太秦には,現在,子供から大人まで「映画」を遊んで観て体験でき,貴重な映画資料も所有・展示している一大テーマパークがあります。
東映太秦映画村~映画文化館
場所:右京区太秦東蜂岡町 10
吉原通り
「東映城大手門」がそびえ立つ映画村の正面。その隣に立つ大型エンタテイメント施設「パディオス」の1階では,映画やテレビに関する特別展示イベントが開催されています。そこから外のオープンセットへ抜けるとまず広がるのは「明治通り」。チンチン電車のレトロな雰囲気で明治へタイムスリップ。映画でも大正時代の浅草として撮影されました。
映画村のオープンセットでは実際の映画やTV撮影が行われています。村内を歩いていると撮影の現場に遭遇するかもしれません(撮影予定は撮影日前日の夕方以降にHP上で発表)。足を進めると現れる「江戸の町」。宿場町,吉原,日本橋などは,最近話題のコスプレイヤーにも人気の撮影スポットとなっています。
他にも池に恐竜(!?)のひそむ「港町」,アトラクションの行われる芝居小屋「中村座」,お姫様や武士などで村内を歩ける「時代劇扮装の館」など,楽しい趣向でいっぱい。また,江戸の生活様式を時代劇俳優さんに学ぶ「寺子屋面白体験」,「殺陣講座」などの体験ものや,からくり忍者屋敷,お化け屋敷,3D映像アトラクション,ヒーローショーなどのイベントも充実しており,まさに「映画三昧」の内容となっています。
(公式HP: http://www.toei-eigamura.com/)
映画の泉と映画文化館
そして,江戸の町並みを抜けると姿を現すのは,泉の前にそびえ立つ明治風の建物・・・映画の歴史や文化のすべてが詰まった「映画文化館」へとつづきます。
さて,映画村の目玉の一つである「映画文化館」を訪れてみましょう。こちらでは貴重な映画資料や数多くの映像,模型の展示により,映画の歴史や文化について知ることが出来ます。
映画文化館1階
1階には,映画の製作工程が分かる「ミニチュア撮影所」,日本映画の名作やアニメ映画の名場面が見られる「名作ミニ映画劇場」「ミニまんが劇場」などがあります。
映画文化館2階
2階には「映画の殿堂」コーナーがあり,尾上松之助を始め,マキノ雅弘,溝口建二,小津安二郎,黒澤明,宮川一夫,田中絹代,萬屋錦之助,美空ひばりなど,日本映画に貢献した映画人の遺影と貴重な遺品が展示されています。そして,昭和33年(1958)以来,日本映画に多大な功績を残した映画人に送られてきた「牧野省三賞」のコーナーもあります。歴代の受賞者の顔写真が飾られた一面は壮観です。
ここに来ればきっとあなたも映画通。何度でも足を運んでいただきたい場所です。
「東映太秦映画村」は昭和50年(1975)11月1日に誕生しました。折しも日本映画界の斜陽が取り沙汰される中で,撮影所の存続を賭けての新事業でした。当初は大きな資本投入もなく,撮影所に所属する既存のオープンセットと,そこで行われる実際の撮影現場を公開するという形でしたので,一部俳優や時代劇番組を抱えるテレビ局等の強い反発もありました。それを乗り越えて開村を迎えられたのは,「時代劇の火を消すな」との撮影所スタッフの強い思いがあったからです。蓋を開けてみると大盛況。開村3年間足らずで入場者数が500万人を突破。
さて,その稼いだお金の投入先ですが,施設の充実を図ったことは勿論ですが,時代劇復権を掲げて『柳生一族の陰謀』(1978)に始まり,『真田幸村の謀略』(1979)等々,大型時代劇の製作費にそれが充てられたあたり,如何にも京都の活動屋らしい発想だったと言えるでしょう。