【インタビュー】キミもこれで「そらの」になれる! そらのダダ漏れ用ガジェット徹底聞き込み
これを読めばキミもそらのになれる!
ガジェットが発達し、Ustreamを使った生中継が日常的になりつつあります。UstreamやTwitCastなどを見ても、様々なチャンネルで毎日生放送されていて、ギズ読者の方々もダダ漏れには注目しているのではないでしょうか。
ということで今回は、日常的な生中継から事業仕分け、対談にいたるまで様々な生中継(ダダ漏れ)をこなす、いわばダダ漏れプロフェッショナルケツダンポトフのそらのさんに、普段使っているガジェットについて徹底的にインタビューしました。
生中継に欠かせないガジェットを中心に濃ゆ〜い話となっていますので、これを読めばキミもそらのさんになれるかもしれませんよ!
そらのさんのインタビューは続きからどうぞ。
〜スマートに中継するために必要なもの〜
いちる:基本的にはどんなセットでやっていますか?
そらの:いくつかのパターンに分けています。基本的にはパソコンとカメラと三脚だけなんですけど、これに音声をどう録音するかによって変えています。メインのカメラはHDR-HC9。それにi.LINK経由でVAIOと接続しています。ウェブカメラもありますが、自分撮りか、お散歩用。
いちる:前より重くなっているよね? 確かLet's noteを使ってましたよね?
そらの:Let's noteよりは確かに重いんですけれど、全然コッチの方がパワーがあるので、そういう意味では軽くなりました。ソニーマーケティングさんから提供を受けていて、市販されているVAIOではないですが、かなりハイスペックなものを用意してくれました。
いちる:それ、スペックが気になりますね。
そらの:DVDスロットがあって、USBポートが2つ。使っていませんが、HDMiもあります。CPUはIntel Core i5 M540(2.53GHz)、メモリ4GB。OSはWindows 7 home editionですね。
いちる:なるほど、じゃあビデオカメラもソニーマーケティングから提供されているの?
そらの:いや、これは自分で使っているやつです。最初の頃、ザクティなんかも使ってみたんですが、結局Ustreamには向いてなくて、HDR-HC9が一番長い付き合いになっていますね。
いちる:なぜ、ソニーのHDR-HC9にしたの?
そらの:ただ単にi.LINKの口があるからですね。音声と動画をいっぺんにPCへ送るのに、i.LINKがいちばんスマートだったんです。実は、それに至る経緯も実はたくさんあって...。
そらの:最初はカメラにある特殊D端子を、コンポジットAVケーブルへ変換し、さらにUSBに変換して仮想ウェブカムとして使っていました(写真)。今のカメラってPCをUSBで挿すと、メモリーとしてしか認識しないモデルしかないんです。だから、カメラとして認識させるために、USBに変換する必要があったんです。
そして音声はPC直に音声端子を挿していたので、音声改善のためにサウンドブラスターというものをかましていました。
いちる:これじゃ複雑すぎるね笑
そらの:そうなんです、複雑すぎるんですよ。それで事業仕分けをダダ漏れした時に、Let's noteがパワー不足ということでPCを変えることにしたんですね。買ってみたらi.LINK端子がついていて、あれ、もしかしてと思って試してみたら、動画も音声も一本でいけたことに気付いたんです。マジすげーってなりましたよ笑
いちる:仕分けされてこうなったんだね笑
〜現場の状況に応じて、マイクを使い分ける〜
いちる:音声はどうやってとりこんでいるの?
そらの:音声を直接ラインアウトをマイク入力につないでいましたが、それだとPC側のパワー不足になってしまい、どうしても音が悪くなってしまうので、オーディオインターフェイスUA-4FXを購入しました。
いちる:マイクってセミナーの時、ライブの時、インタビューの時という感じでマイクは一番使い分けが多いと思うんですけど、どういうふうに使い分けてる?
そらの:セミナーの時は基本ラインで貰っています。もらえない時は、事前に確認してもらえなさそうだったら「音声厳しくなりますよ」っていうのを伝えた上で、ステレオマイクをつかったりしています。会場にもよるんですけど、すごく反響するところもありますからとても気を使います。
いちる:ライブの時は?
そらの:音楽系のライブなどはライブ感を出すためにカメラにはステレオマイクを挿してそこから音声を拾っています。観客の声、「わー」とか「きゃー」とか含めてのライブだと思うんですよ。なので、綺麗な音声だけにはせずにあえてラインでは音声をとりません。観客の声が大きくても楽器自体の音が大きいのでそこまで邪魔にならないんですよ。
いちる:インタビューの時は?
そらの:90度かフラットという風に集音域を選べるので、インタビューの時はaudio-technica AT9920を使っていますね。
〜iPhone 4はそらのさん向け〜
いちる:ネットワークはどうしてる?
そらの:ネットワークは基本イベントを引き受ける時に、有線LANか無線LANがお借りできるか確認しています。会場のインフラを借りています。
いちる:外でやるときは?
そらの:外の時は基本、イーモバかWiMAXですね。けど、WiMAXはまだエリアが狭いので、その場で一番通信状況が安定しているものを優先して使います。
いちる:ちなみにiPhoneでUstream配信してみた?
そらの:もちろん試しました。iPhoneでUstreamもTwitCastingもやったんですけど、基本的に人を写さないで自分を写して外を歩くので、自分が写せないんですよね。なので使っていません。何が映っているか確認するっていうのは結構大切なんですよね。
いちる:ギズでもさんざん取り上げてるんだけど、次世代iPhoneってカメラ2個ついてるっていう噂があるんだよね(編注:この時、iPhone 4発表前でした)。それってすごくそらのさん向けじゃない? どう考えてもそらのさんのために作ったとしか思えないだろってくらい。
そらの:はい、ジョブズありがとう! みたいな笑
〜設定一つでクオリティは変わる〜
いちる:じゃあ、使ってるソフトとかセッティングとか見たいので、USTしてみてくれる?
そらの:いいですよ!
そらの:実は配信するソフトも使い分けをしているんですよ。 基本的にはUstream Producerのプロ版を使い、「そらの@日常」ではより高画質で配信出来るFMLE(Adobe Flash Media Live Encorder)を使っています。
いちる:違いは?
そらの:FMLEのほうが高画質で配信ができるんです。でも、PCのパワーがすごく必要なんですね。Core i5でもパワー不足なくらい。だから外でのUstはUstream Producerを使い、オフィスでのUstなどはFMLEを使っています。
いちる:じゃあ、まずUstream Producerの方で、デフォルトでない設定を教えてくれますか?
そらの:NTSCにすることと、画質をSDにして、16:9の比率で配信するくらいですかね。それ以外は特にいじっていません。
いちる:じゃあ高画質で撮れるFMLEのほうは? 見たところ、デスクトップPCにウェブカメラつないでいるけど、ウェブカメラでそんなに高画質で配信できるの?
そらの:はい、それができちゃうんですよ。基本配信設定一つです。簡単に言うと、パソコンに大きな画角を取り込んでそれを圧縮して配信してあげるんですよ。逆にみなさん小さな解像度の動画を大きくして配信するから荒れてサーバーに届いてしまうんですよね。でも、圧縮するせいでマシンパワーが必要になってくるんですが。
参考:FMLEによる高画質配信動画
いちる:なるほどー!
そらの:設定は、ビットレートは500kbps、インプットの解像度は640x480で、アウトプットは480x360。この設定で高画質の配信ができます。あと大切なポイントは、圧縮の形式をh.264にする事です。それ以外だと全然あんな高画質は出来ません。あと最後にカクカク感、フレーム数をどのくらいに設定するかですね。だいたい30fpsで十分ですね。これ以上やっても高負荷になるだけなんでこれでやってます。
いちる:へー!
いちる:そらのさんが注目しているUst番組ってある?
そらの:そうですね...。宇川直宏さんがやっている、DOMMUNE (ドミューン)は見てて面白いなぁって思いますね。視聴者参加型のライブストリーミングスタジオっていうのも面白いですね。
あと、この間グラビアアイドルの小田あさ美さんとTJ.Takahashiさんがパーソナリティーを務めているツイートジョッキーにお邪魔したんですよ。だれかのTLにいってそれをひろって色々やるっていう。それにお邪魔したときはこういうのも面白いなぁって思いましたね。
いちる:最後に、Ustreamをはじめようって人に一言メッセージをおねがいできますか?
そらの:はい、これはヒマナイヌの川井さんの受け売りなんですけど、まずBroadcastボタンを押してみなよって言いたいですね。もし、押して配信してみて、楽しいって思えたなら、色々やってみればいいし。
いちる:これからustやる人は増えているのかな。
そらの:増えていくとおもいます。今現在増えているっていうのもありますし、Ustが注目されて、Ustを元々やっていた人が浮き彫りになってきているところもあると思います。
いちる:なるほど。今回はどうもありがとうございました。
そらの:ありがとうござました。
ということで、そらのさんへのインタビューいかがでしょうか。
個人的には本当にノウハウのカタマリと化していると思いました。そして、中継する上で必要な基本をきちっとおさえていて、こういうところがダダ漏れを日常的にこなしているそらのさん流石だなとも思いました。
参考までに、以下にインタビュー中に出てきたソフト&ガジェット達をリンクしておきます。コレをそろえればアナタも「そらの」になれる! ...かも。
(聞き手:いちる 編集・文:遠藤充) ※ご指摘ありがとうございました! 記事修正いたしました。【そらのさん愛用ソフト&ガジェット達】
・Ustream Producer
普段中継する時に使うソフトウェア。プロ版は有料ですが、機能制限付きの無償版もあります。
・Flash Media Live Encoder
そらの@日常でも使用されているソフトウェア。高品質な中継の時にぴったり。フリーウェア。SONY フルハイビジョンビデオカメラ Handycam (ハンディカム)HC9 HDR-HC9
Logicool Qcam Pro NotebooksPro QVX-13NS
EDIROL USB オーディオキャプチャー UA-4FXCW
audio-technica ステレオマイクロホン(バウンダリー) AT9920
SONY ステレオマイクロホン ECM-HST1