若手ライバルの登場で多額の選挙資金が必要に
ホンダ氏はカリフォルニア州第15選挙区でそれまで7回連続当選してきた。そのホンダ氏が2014年の下院議員選挙で資金集めに必死となったのには明確な理由があった。同じ民主党のロー・カナ候補の激しい挑戦を受けたからである。ホンダ議員の選挙区は人口の変化などで再区分され、2013年からカリフォルニア州第17選挙区に変えられた。その第17選挙区でカナ候補にチャレンジされたのだった。
現在74歳のホンダ氏に対してカナ氏は39歳、インド系米国人の気鋭の弁護士である。過去の大統領選挙ではオバマ陣営に入り、オバマ政権では商務次官補も務めた。
民主党内はホンダ、カナ両候補の支持で二分され、激しい選挙戦となった。そのうえホンダ氏を長年支持してきた抗日連合会もカナ候補支援に回ってしまった。民主党候補を決める予備選ではホンダ氏が勝ったが、カナ候補は第2位となったため、2014年11月の本選挙でも立候補の資格を得た。
両候補の選挙運動の激しさは、当時「全米でも最も多額の選挙資金が投入されたキャンペーン」と評されるほどだった。ホンダ陣営では選挙資金の調達に全力を投入し、しかもカナ陣営に回りそうなインド系有権者たちにも積極的に働きかけた。本選挙の得票はホンダ氏が6万9000票、カナ氏が6万4000票という大接戦となり、ホンダ氏はなんとか勝利をおさめた。
今回の倫理調査がホンダ議員の将来にどう影響するかはまだ不明だが、カナ氏は2016年の連邦議会選挙でホンダ議員に再チャレンジする意向をすでに明確にしている。長年の日本叩きで知られてきたホンダ議員の命運がどうなるのか、日本側としても大いに気になるところである。