下院議員選挙キャンペーン中の不正活動とは

 さてAP通信など米国の複数のメディアによると、議会倫理調査部が、ホンダ議員とそのスタッフが2014年の下院議員選挙キャンペーン中に以下のような不正活動をした容疑を指摘したという。

・ホンダ議員事務所は、1000人から各1000ドルの選挙寄付を集める活動「千羽鶴作戦」を進めるにあたり、議員として本来の立法活動を進めるための資金や労力を頻繁に投入し費やした。

・立法活動の一環として国務省の南アジア担当高官を選挙区に招きインド系有権者と懇談させる催しで、参加者に選挙資金の寄付を求めた。

・ホンダ議員事務所のスタッフは観光地で頻繁に会合を開催した。本来は立法活動を検討するはずの会合だったが、選挙寄付集めの作戦の打ち合わせばかりしていた。

・ホンダ議員は、知り合いの有権者がある国を訪問するためのビザ取得に協力し、その見返りとして選挙資金の寄付を求めようとした。

 以上のような容疑が立証されると、選挙や倫理に関する連邦法に違反することになるという。

 議会倫理調査部は、ホンダ議員事務所に提出を求めたメール記録など合計1400ページの資料、さらにはホンダ議員、そのスタッフたちからの事情聴取を基に、上記の容疑を「事実だと信ずる顕著な理由がある」と結論づけた。

 今後の調査でこの案件は下院倫理委員会にかけられ、下院全体として公式調査を行う可能性も高まっている。最悪の場合は、ホンダ議員への懲戒や懲罰の処分も考えられる。

 連邦議会選挙を専門に研究するバージニア大学のカイル・コンディック教授は、ホンダ議員のこうした状況について「連邦議会下院全体の中で、ホンダ氏は議席を失う危険が最も高い議員の1人だと言える」と論評した。