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日本食 外国人の料理人を認定へ
9月19日 20時46分

日本食 外国人の料理人を認定へ
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世界的に日本食が広がるなか、伝統的な方法とは異なる料理法が目立つようになってきたことから、農林水産省は、料理の味付けや知識を備えた外国人の料理人を認定する新しい制度を来年度から始めることになりました。
日本食は、ユネスコの世界無形文化遺産に登録されたこともあり、海外の日本料理店の数はことし7月末時点でおよそ8万9000店と2年前と比べて1.6倍に増えています。
しかし、現地では、だしを取らずにしょうゆをお湯で薄めてうどんのつゆにするなど、伝統的な方法とは異なる料理法が目立つようになってきたということです。
このため農林水産省は、日本食の文化を海外で浸透させようと、外国人の料理人を対象に新たな認定制度を作ることになりました。
認定にあたっては、一定の期間、日本の飲食店で修業を積んだり、日本食の専門学校で必要な講習を受けたりするなど、条件を満たした料理人に認定証を発行します。
認定を受けた料理人が働くレストランは店頭で認定を受けた旨を表示できるということで、農林水産省では、来年度からこの制度を始めることにしています。
農林水産省の櫻庭英悦食料産業局長は「海外では見よう見まねで日本食レストランを開いている人もいるので、正しい日本食の基本技術を身につけてもらい、日本食ブームをさらに広げたい」と話しています。

新たな認証制度のねらい

農林水産省が料理人を対象にした新たな認証制度を導入する背景には、過去の苦い経験があります。
農林水産省は、海外で提供される日本食の質を守りたいとして、9年前、平成18年に伝統的な味付けや調理法を取り入れている海外のレストランを対象にした認証制度の導入を検討したことがあります。
しかし、海外のレストランから、認証が得られなければ、いわば偽物扱いを受け、営業に支障が出ると行った懸念の声が相次ぎ、アメリカでは「日本からすしポリスがやってくる」などと批判され、制度の導入を断念しました。
こうした教訓から、新たな制度では、認証の対象をレストランそのものから料理人に改めました。
農林水産省の担当者は、そのねらいについて、「新たな制度の対象はあくまでも料理人で、海外のレストランそのものを格付けするわけではない。必要な講習などを受ければどの料理人でも認証を受けることができ、すべてのレストランが制度に参加できる」と説明しています。
世界的な日本食ブームが続くなかで、新たな認証制度が海外で受け入れられるか注目されます。

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