韓流の需要はゼロ!? TV業界の人に聞いた「韓流ブーム」と「嫌韓」

2015年1月19日 09時00分 (2015年1月21日 15時29分 更新)
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ただ、まだブームだった頃から韓国のタレントさん特有の面倒臭さは感じていました。日本と韓国の間に政治的な問題が持ち上がると、韓国側のタレントさんは政治とエンタメを切り離すことができないので、そこが厄介でしたね。韓国側のタレントさんの政治的な発言によって、日本のテレビ局が徐々に敬遠するようになった頃、韓流ブームも去り、今に至っているという感じでしょうか」(同・テレビ番組制作会社プロデューサー)

 確かに日本のタレントは政治的な発言は避けるものだが、韓国では記者会見などで日本の政治について意見を求められ、回答してしまうことも多い。たとえば韓流ブームの火付け役とも言われるペ・ヨンジュンは竹島がどこの領土かと聞かれて、「我が領土」と回答している。また女性ユニット・KARAは、同じような質問をされた際に日本との関係も考慮したのか沈黙してしまい、韓国国内で大きなバッシングを浴びてしまった。

「日本と韓国ではタレントの政治との関わり方が真逆です。そして、彼らのスタンスは日本のテレビ局にすれば危険なんです。たとえば翌週に日本で番組出演が決まっているのに韓国で記者会見して、日本を刺激するような政治的発言をすれば日本のネットが炎上します。そして予定通りに出演させればクレームがきますから、徐々に扱いにくいタレントになっていきました」(同・テレビ番組制作会社プロデューサー)

 ほかにも、彼らは韓国の国民に日本を敵視する姿勢をアピールしなければならないため、政治の動向によっては出演を突如キャンセルするなど、現場にとってとにかく面倒な存在になっていたようだ。そのような積み重ねによって韓流タレントは日本の番組から消え、ほぼ同時にブームも去っていったという。

「韓国だけに限った話ではありませんが、そもそもエンタメと政治は別次元の問題なので、需要があるならばどこの国の人でも使いたいです。ただ、今はとにかく韓流タレントに需要がなくなってしまったということに尽きます」(同・テレビ番組制作会社プロデューサー)

 政治に左右されて仕事まで奪われる韓国のタレントにはやや同情もする。だが、日本のテレビ局においては嫌韓だからタレントを出さないというわけではなく、単純に需要がないから呼ばないという状況にあるようだ。
(文=吉沢ひかる

※イメージ画像:『韓流ラブストーリー完全年鑑2015』/コスミック出版

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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