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抗日パレード見ないと非国民!? 中国の“ゆがんだ愛国心”
中国で、抗日戦争勝利を記念する軍事パレードの中継を見なかった人を「非国民」と決め付けて一斉に批判するなど、「愛国心」をめぐる極端な行動が話題になっている。今年を「戦勝70周年」と位置付ける習近平指導部が集中的に展開する愛国キャンペーンにより、他人に攻撃的な“ゆがんだ愛国心”が形成されているとの指摘もある。
「国を愛していないのか」
「新しい一日の始まり」-。台湾系の人気女性歌手、範●(=偉のにんべんを王に)●(=王へんに其)さんは3日午前、短文投稿サイト「微博」に短いコメントと双子の息子の写真を投稿。北京で軍事パレードが開かれている時間帯だったことから、「そんなことよりパレードを見ろ」などと一方的に範さんを非難する書き込みが殺到した。
範さんは翌日、「不愉快な思いをさせてしまった」と謝罪し写真を削除した。ほかにも、3日に「今日はいい天気」などとパレードと関係のない書き込みをした中華圏の著名人は、「国を愛していない」として次々と攻撃対象となった。