2015-09-19

"穴" コンプレックス

つのからだろうか、僕は"穴"というものに取り憑かれている気がする。

例を挙げると「蓮コラ」だ。

あれを最初に見たとき、僕は何とも言えない「ぞわぞわ」を感じた。

脊髄の芯から千匹の蟻が頭の中に這い上がってくる感覚

そしてそれが、最高に気持ちよかったのだ。

とは言え、蓮の花托のものには、それほど執着はない。

重要なのは、蓮の実を抜いた後にそこに残るであろう"穴"だ。

有り得ない場所にーー本来は美しいはずの場所にーー綺麗な穴が空く。

その様を想像するだけで、僕の背骨がザワザワと音を立てる。

僕はかなり長い期間、角栓の除去に執心していた時期があった。

これも結局のところ、自分の肌という有り得ない場所に穴の空くことが、代え難い快感となってしまっていたことによる、緩い自傷行為だ。

結果として僕の小鼻は見るも無残な状況になってしまった。

また、僕がアレな好奇心を抱く対象の年齢がアレなのも、根源的にはそういったものが絡んでいるのかもしれない。

美しいものに美しい穴がある、それは美しい。

余分な皮膚や余計な体毛のないことが前提となるので、必然、その対象年齢は生物化学的に見てもアレな感じになっていく。

奥行きのない次元においてはある程度まではカバーできるのだが、我々の住む世界次元だとそうなってしまうのも致し方ないように思う。

さて、先日、自作小説で使うためにヘビのピット器官というもの検索していた。

ピット器官というのは赤外線感知器官である

知識としてそういったものがあることは既に承知していたが、現物をみたことはあまりなかった。

そしてそこで僕は予想外の不意打ちを受けたのである

それはニシキヘビのピットだ。特に下唇。

詳細を描写しようとするとそこそこの分量になるので、ここでは割愛させていただきGoogle検索に譲るが……

……指先で撫ぜたい。

いやこれかなり理想に近いですよ先生

穴が四角いというのがまた絶妙である

ふつう穴と言えば丸だし、他のヘビでも基本的にはピットは丸い。せいぜいがスリット状といったところか。

それが彼らの場合は四角いのだ。

しかも、複数の穴が等間隔に並んで空いている。

この衝撃は今までになかった。

初めて蓮コラを見たとき感覚が、僕の脳裏に再浮上してきた。

その画で頭が埋め尽くされる。何を見ても網膜にちらつく。

背筋が騒めいて、何も手に付かなくなる。

ああ……気持ちいい……。

誰か共感してくれ。

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