いつの頃からだろうか、僕は"穴"というものに取り憑かれている気がする。
例を挙げると「蓮コラ」だ。
あれを最初に見たとき、僕は何とも言えない「ぞわぞわ」を感じた。
そしてそれが、最高に気持ちよかったのだ。
有り得ない場所にーー本来は美しいはずの場所にーー綺麗な穴が空く。
僕はかなり長い期間、角栓の除去に執心していた時期があった。
これも結局のところ、自分の肌という有り得ない場所に穴の空くことが、代え難い快感となってしまっていたことによる、緩い自傷行為だ。
結果として僕の小鼻は見るも無残な状況になってしまった。
また、僕がアレな好奇心を抱く対象の年齢がアレなのも、根源的にはそういったものが絡んでいるのかもしれない。
美しいものに美しい穴がある、それは美しい。
余分な皮膚や余計な体毛のないことが前提となるので、必然、その対象年齢は生物化学的に見てもアレな感じになっていく。
奥行きのない次元においてはある程度まではカバーできるのだが、我々の住む世界の次元だとそうなってしまうのも致し方ないように思う。
さて、先日、自作の小説で使うためにヘビのピット器官というものを検索していた。
知識としてそういったものがあることは既に承知していたが、現物をみたことはあまりなかった。
そしてそこで僕は予想外の不意打ちを受けたのである。
詳細を描写しようとするとそこそこの分量になるので、ここでは割愛させていただき、Google検索に譲るが……
……指先で撫ぜたい。
ふつう穴と言えば丸だし、他のヘビでも基本的にはピットは丸い。せいぜいがスリット状といったところか。
それが彼らの場合は四角いのだ。
この衝撃は今までになかった。
その画で頭が埋め尽くされる。何を見ても網膜にちらつく。
背筋が騒めいて、何も手に付かなくなる。
ああ……気持ちいい……。
誰か共感してくれ。