日本の軍事的役割拡大、抗議デモは学生が主導
【東京】日本の学生たちは、何十年間にもわたって政治的な議論でほぼ沈黙を保ってきた。しかし、ここに来て再び、抗議活動で強大な勢力になりつつある。国会が今週、日本の軍事的役割拡大する安全保障関連法案を可決するとみられ、これに突き動かされた動きだ。
5月に結成された「自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」は、数カ月間にわたる抗議活動の最前線に立っている。何万人もが参加した過去数十年で最大級とみられている最近のデモでも中心的な役割を果たした。SEALDsは野党や一部の法学者に同調し、安倍晋三首相の同法案が第2次世界大戦の敗戦後に作られた日本の平和憲法に違反すると主張している。
この団体の創設者の1人である筑波大学の学生、本間信和さん(20)は「この法制が通ると、自衛隊は確実に海外に行って、他国の戦争に協力するようになる。自衛官が死ぬ可能性もある。国内外で日本人がテロにあう可能性も高まる」と述べた。
SEALDsの人数は、創設時のメンバー6人前後からほぼ1000人にまで膨れ上がった。現在は弁護士会、労働組合や学者を含む連合組織を率いている。
学生アクティビズム(運動)が突如湧き上がったことは、多くの人々を驚かせたほか、反対勢力を勇気づけた。反対勢力が高齢化するリベラル派の集まりで、人数も先細り傾向にあったからだ。
音楽アーティストの坂本龍一さん(63)は、8月30日の大規模なデモに参加した。坂本さんは「(今回の安保法案のことが盛り上がってくる前は、)かなり現状に対して絶望していたが、このSEALDsの若者たち、そして主に女性たちが立って発言してくれているのを見て、日本にもまだ希望があるんだなと思っているところだ」と述べた。
この団体の略称はSealdsだが、メンバーはこれに「h」を入れて「Shields(盾)」のように発音する。これは民主主義を守る「盾」になるという彼らの目標を示す。英語名を使うという判断は、この団体が西側の影響を受け入れていることの表れだ。抗議に使う看板などは英語のみで書かれていることもしばしばある。メンバーの一部は髪を金色に染めており、ほとんど全員が髪の黒い日本人の中では目立つ。そして、ヒップホップのリズムに乗せて政治的なスローガンを叫んでいる。
日本最大の放送局であるNHKが約1000人を対象に行った世論調査によると、安倍内閣の支持率は、抗議デモが始まった5月の時点の51%から、先週の時点で43%にまで落ち込んでいる。政治アナリストは、この落ち込みが主に安保法案の不人気に起因するとしている。抗議デモがこのように内閣不支持の増加につながったのか、それとも自分の意見を表明する場所が与えられただけなのかは不透明だ。
上智大学のデービッド・スレーター教授(文化人類学)は、「人々はSealdsが普通の大学生の集まりだと承知している。過激派ではなく、アクティビスト(活動家)でさえもない。普通の学生たちがこの国の政治の行方を懸念しているのだ」と述べる。同教授は大学で「Voices of Protest Japan」というプロジェクトを監督している。
スレーター教授は「彼らは多くの層からの支持を得て強い基盤を構築した。年上の活動家、子持ちの母親、そして高校生などだ。これらの事実は全て、他の大半の団体が持っていない持久力を彼らが持っていることを示唆している」と話した。
菅義偉官房長官は8月30日の抗議デモについて、安保法案への誤解によって参加者が増えていると指摘し、誤解が生じた責任はメディアや野党にあると述べた。
安倍首相は、この安保法案が必要なのは、中国軍が急速に増強され、北朝鮮が不透明な状況にある中で、日本の安全を確実するためだと主張している。
法案は自民、公明の与党が支持しているほか、野党3党からも条件付きの支持を得ている。最も中道左派寄りの政党は法案に反対している。2本の法案は既に衆議院を通過しており、18日に参議院を通過する見通しで、この結果、安倍首相の勝利となりそうだ。
日本では1960年代と70年代に学生がデモを先導していた。それは日本が「戦争放棄」の憲法の解釈を徐々に緩和し始めた時期だった。日本は志願者から構成される自衛隊を創設し、米国との同盟関係を拡大した。
しかし、その後、政治的無関心が広がった。戦後の経済ブームと生活水準の上昇を受けて、若い人々は現状に満足するようになっていった。
1990年の経済バブル崩壊後の20年間にわたるスタグネーション(景気停滞)と、2011年3月11日の東日本大震災に伴う原発事故を受けて、一部の学生が抗議行動に参加し始めた。しかし政治的な無関心は根深く、14年12月の前回総選挙では20代の日本人で投票したのは3人に1人にすぎない。
佐竹美紀さん(23)は、看護師を目指して勉強しているが、それまで政治にほとんど関わっていなかった。だが、ひょんなことからSEALDsのデモに参加した。
佐竹さんは6月のSEALDsの集会でのスピーチで、2012年にドイツの支援団体と活動した経験を引き合いに出した。そこでは手足を失ったり、顔にやけどを負ったりしたアフガニスタンの子供たちを目撃した。
佐竹さんはその際、こう言ったという。「私がこの法案に反対するのは、日本に普通の国になって欲しくないからだ。アフガニスタンには大切な小さな友人たちがいる。彼らやその家族を日本人が、日本人の作った武器が、傷つけることに私は耐えられない」。そして彼女は「戦争がさらなる憎しみを生むのだ」と付け加えた。
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