2015-09-19

広告ブロック正当化する「アド割れ厨」たちの話

AdBlockという、Web上の広告非表示にするツールがある。

はてブほか、このようなアド(=広告)ブロックツールを喜んで使っているやつらは多い。

しかし、彼らは自分たちが「割れ厨」と同じことをしている自覚が無いのだろうか。

 

割れ厨とは、漫画アニメゲームなどのコンテンツソフトウェアを正当な対価を支払わず

無料で入手している人たちのことを指すのは御存知の通り。

このワードポイントは、「正当な対価を支払うことなく」、「無料コンテンツを取得」しているという点だ。

殆どのアドブロック利用者は、自分の行動が割れ厨行為類似していることに無自覚である

サービス無料ではない 

まず、サービスというのは無料運用できるものではない。

特にWeb上のサービスというものは、サーバ代がかかる以上は必ずお金がかかる。

ただサイトを公開するだけでもコストはかかっているのだ。

まりWeb上のサービスにおける広告表示とは、サービス料金がタダである代わりに利用者側が支払う対価である

からこそ、多くのWebサービスアプリで、お金を支払うことで広告非表示にする機能があるのだ。

 

すると、AdBlock利用者のやっていることは、本質的には割れ厨となんら変わることがない。

「正当な対価を支払うことなく」、「無料コンテンツを取得」しているからだ。

これは、言うならば「アド割れ厨」とでも呼称すべき存在だろう。

アド割れ厨は以下のように反論するかもしれない。

それぞれに再反論記載しておく。

 

アド割れ厨「一般の割れ厨と違って、アド割れ合法じゃないか!違法割れ厨と一緒にするな!」

厳密に言えば、マンガダウンロードに関しては現在罰則規定はない(よって、民法上の争訟しか存在しない)。

また、音楽ゲームなども、数年前は罰則規定が無かった。

一応法律上規制はあったが、歩行者信号無視自転車の並走禁止と同レベル規制しかない。

から割れ問題無いと主張する割れ厨が多かった(今も多い)ことはご存知か?

アド割れ現在のところ刑事罰対象になっていないが、それは法律問題しかなく、倫理的にやっていることは大差ない。

アド割れ厨AppleもiOS9でアドブロック機能を入れたし!全く問題ないじゃないか!」

以下の記事にもあるが、米ネット広告業界ではこの機能への訴訟検討されている。

http://zen.seesaa.net/article/425387889.html

もし訴訟で勝った場合は、アドブロック行為犯罪であることが法的にも示されることになる(あくまアメリカでだが)。

そもそも、なぜAppleはこんな機能を入れたのか?

答えは単純で、ライバル利益を阻害しつつApple自身の売上には全く響かないからである

Apple基本的ハードウェアを売って儲ける会社であり、Webサービスを売上として会社ではない。

から、このような犯罪行為を平然と行えるだけの話だ。

それでも一般ユーザーはアド割れを続けるだろう。

それはさながら、Winnyファイルを大量にアップロードしたものが捕まっても、ダウンロードしか行っていないユーザーは捕まらないので割れを続けている状況に似ている。

 

 

アド割れ厨スマホを中心に、ずっとついてくる広告がウザい!動画広告がウザい!ウザい広告が増えたかブロックされるのは当然!」

確かに、ウザい広告はある。特に小さい画面を専有する広告がウザいのは私も同意だ。

だが、それがなんだと言うのか。

「この本は、本文で著者が他の作品宣伝をしていてウザいから無料ダウンロードしても問題ない!」

「この映画は、動物虐待があるインモラル映画から無料ダウンロードしても問題ない!」

と主張することと何が違うのか?

広告がウザかろうが、それはコンテンツ信者が選択した広告なのだ

まりコンテンツ利用の対価として運営者が設定したものなのだ

その対価がウザい(=料金が高すぎる)というなら、そのサイトを見ないようにすれば良い。

幸いにして、普通のボッタクリ店と違い、うっかりそのサイトクリックしても、広告が表示されるかされないかの段階でブラウザバックすれば対価は取られずに済む。

広告がウザいからブロックして問題ないという主張は、どう考えても割れ厨自己正当化(どうせ買わない作品ダウンロードしているだけだから問題ない、など)とあまり違いがない。

コンテンツを読むなら対価を払え。それが嫌ならブラウザバック。

ただ、それだけの話なのだが。

 

最後

以上より、アド割れ厨たちのメンタリティがいかに割れ厨と被っているか、また彼らが自分たち犯罪行為正当化するために用いている論理がいかに脆弱かが分かったと思う。

しかし、割れ厨がいくら批判されても割れを止めないのと同じく、この文章を読んでもアド割れ厨たちはアド割れを止めないだろう。

アド割れ現在のところ法に触れないのだからなおさらだ

それでも、良識ある人が増えることを願ってこの文章を書いた。

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