学校法人 東洋大学 総長 塩川 正十郎
Masajuro Shiokawa
激しくなる一方の国際化と競争 ー そんな激動の時代だからこそ、真の人間性が問われます。周囲がいかに変わろうとも、ゆるぎない信念をもち、同時に、変化に対応できる柔軟性を兼ね備えていること。東洋大学は、何よりもまず人間の価値を高める教育を実践しています。
本学の学生には実直で温和なタイプが多いと言われます。言葉を換えれば、社会的に信頼される資質を備えた若者が多いということです。その背景にあるのは、広い教養と確かな倫理観、そして程よいバランス感覚です。自己の利益だけを追求するのではなく、他人にも十分配慮できる惻隠(そくいん)の情をいかに備えているか。ものごとの本質を見極めて、いかに合理的なものの見方・考え方ができるか。そのために欠かせないのは、広い意味での「哲学」でしょう。
「諸学の基礎は哲学にあり」とする建学の精神にも象徴される創立者・井上円了の教えは、主体的に生きるための実践的哲学です。そうした基本をしっかり身につけ、その上で専門的な知識や技術を磨いてゆく。それが私たちのスローガンである「知徳兼全」なる教育です。
東洋大学は、自ら考え、選択し、行動できる人材を育てます。教学の充実とともにキャリア形成支援にも力を入れ、各界の著名人による特別講演会などを開催しているのもその一例です。働く意味や目的を一人ひとりが考え、より豊かな人生を切り開いてゆく。それが、ひいては仕事に対する責任感と忍耐力、持続力、さらには周囲との協調性の高さにもつながると思います。このような資質を持つ本学の学生たちに温かいご支援をお願いいたします。
略歴
大正10年 | 10月13日生 |
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昭和19年 | 3月 慶應義塾大学経済学部卒業 |
昭和39年 | 6月 布施市助役 |
昭和42年 | 1月 衆議院議員当選(以降11回当選) |
昭和47年 | 12月 通商産業政務次官 |
昭和51年 | 12月 内閣官房副長官 |
昭和55年 | 7月 運輸大臣 |
昭和61年 | 9月 文部大臣 |
昭和63年 | 12月 学校法人 東洋大学理事・理事長 |
平成元年 | 6月 内閣官房長官・学校法人 東洋大学顧問 |
平成元年 | 9月 学校法人 東洋大学理事・理事長 |
平成3年 | 11月 自治大臣・国家公安委員長 |
平成12年 | 6月 衆議院議員当選(平成15年10月引退) |
平成13年 | 4月 財務大臣(平成15年10月退任) |
平成13年 | 4月 学校法人 東洋大学顧問 |
平成16年 | 1月 学校法人 東洋大学総長 |
表彰・功績
平成12年 | 11月 勲一等旭日大綬章 |
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