米国防長官:露国防相と電話協議 シリアでの衝突回避

毎日新聞 2015年09月19日 11時05分(最終更新 09月19日 12時33分)

 【ワシントン西田進一郎】カーター米国防長官は18日、シリア情勢についてロシアのショイグ国防相と電話で協議した。アサド政権の退陣を求める米国に対し、ロシアは政権支援の立場で軍事的関与を強め、対立している。両氏は偶発的な衝突を避けるため対話を続けることで一致した。

 米政府はロシアのウクライナ介入を受け、ロシア軍との対話を昨年3月に凍結したが、今回の電話協議で対話の再開を確認した。

 ロシアは、アサド政権支配地域のシリア西部ラタキアで航空拠点の整備を始めている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は18日、当局者の話として、ロシアの戦闘機がラタキアの基地に少なくとも4機到着したなどと報じた。

 国防総省高官によると、ショイグ氏はシリアでの軍事力増強について、アサド政権を守るための「防御的な性格」だと主張。これに対しカーター氏は、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦と、アサド政権の退陣を含む政権移行を同時並行で進めることが重要だと伝えたという。

 両氏は、対IS戦で米露両軍が誤解などで偶発的に衝突しないよう、国防当局間の協議を続けていくことを確認したという。

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