気分をスッキリさせたいとき、眠気をさましたいとき、コーヒーを飲むことが多いと思います。アメリカでは59%の人が飲んでおり、日本でも身近ですが、コーヒーが目から血液に至るまで、体全体に及ぼす影響をご存じですか?
『Yahoo Health』で紹介されていた、コーヒーを飲んでから1時間以内にからだに起きる変化を見てみましょう。
■1:カフェインで脳がスッキリする
カフェインのおかげで、コーヒーを摂取してから約30分で緊張感のある状態になります。カフェインには、精神的機能や集中力を高める効果が期待できるからです。
なにかに集中して取り組みたいとき、締め切り前に追い込みをかけたいとき、長時間のドライブをするときなどは、コーヒーが最適です。ただしカフェインの取りすぎは、からだの機能を低下させてしまい、かえって集中力を削ぎ、不安感や焦燥感を感じさせることもあります。摂取はほどほどに。
■2:元気になり目がよく見えるようになる
カフェインはからだの無意識の活動を制御している交感神経系にも作用し、からだの機能を活気づけ、アドレナリンの分泌を促します。
マーシー・メディカル・センターのマーク・リーヴェイさんによれば、この作用によって瞳孔が少しだけ大きくなるそうです。肉眼でそれに気づくことはできませんが、普段より目がよく見えるようになるわけです。
■3:心臓に影響し脈拍や血液が上昇する
コーヒーを飲んでから約15分後、血圧が上昇します。リーヴェイさんによれば、カフェインには神経系経路の感度をアップさせ、心臓から送られる血液が体中に回るのを楽にする効果があるのだとか。その結果、コーヒーを飲んでから心拍や血圧が平均で10~15%も上がるのだそうです。
リーヴェイさんは、「コーヒーを1日2杯飲む程度であればほとんどの人は問題ないが、心臓病や高血圧や不整脈を患っている人は注意が必要」としています。
■4:胃液が増えて消化が速くなる
カフェインには、胃の分泌液を増やす効果があるとリーヴェイさんは語っています。カフェインを摂取すると胃の分泌液が10~15%増加し、食べたものをより速く消化することができるようになります。食後のエスプレッソは、理にかなったものだったのですね。
■5:腸と膀胱が刺激されて大にも小にも行きたくなる
コーヒーに含まれるカフェインと、ステロイドのような効果を持った物質によって、腸と膀胱が刺激され、トイレが近くなります。リーヴェイさんによれば、カフェインは腸に「もっと働け!速く動け!」と促す効果があるそうです。
しかし大便を固めるのには時間がかかるので、ゆるい便が出やすくなるんだとか。また、コーヒーに含まれるステロイドのような効果がある物質には利尿作用があるので、コーヒーを飲むと尿意を感じやすくなります。
これらはすべて、コーヒーを飲んで1時間以内に起きる変化。さらにコーヒーを飲み続けることによる、長期的な影響もご紹介しましょう。
■1:コレステロール値が上がる
「私はコーヒーはブラック派だから、コレステロールなんて関係ないわ」と思っている方、実はコーヒーにはコレステロールを上げる効果があるのです。
リーヴェイさんによれば、コーヒー豆には油分が含まれているので、それがコレステロール値アップの原因に。
この油分はペーパーフィルターで淹れた場合には取り除かれますが、フレンチプレスで入れた場合には入ったままになります。次回コーヒーを飲むときには、表面を見てみましょう。脂肪が丸く浮かんでいるかもしれませんよ。
■2:歯に良い効果がある
実は、コーヒーには歯にもよい効果があるのです。歯科医師のキース・アルバイトマンさんによれば、コーヒーには口のなかの歯垢や細菌を破壊する効果があるポリフェノールや微量栄養素が多量に含まれています。
ただし牛乳や砂糖、シロップなどを加えてしまうと、ポリフェノールは完全に逆効果に。
ポリフェノールが歯石を破壊したところに牛乳や砂糖が入り込むことになってしまうため、歯の深いところにダメージを与えることになってしまいます。ブラックは歯によいけれど、なにかを入れたら歯には大ダメージとおぼえておきましょう。
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スッキリ目がさめるというイメージがあるコーヒーですが、意外にもからだ全体に影響を与えていることがわかりましたね。眠気ざましに使うときは、他の効果にも気をつけましょう。
(文/スケルトンワークス)
【参考】
※Your Body Within an Hour of Drinking a Cup of Coffee-Yahoo Health