いつになってもまともなレンズが出ないことに業を煮やし、処分してしまったNEXシリーズ。
ここのところ、ぽちぽちと使えそうなレンズが発売となり、今回のSEL1670Z発売を機に、NEX-6を購入しました。
本来、NEX-7を買い戻すことが順当のような気もしますが、NEX-7の操作性の悪さやAFの遅さを考えると、画素数は少なくても、やはり後発機のNEX-6の選択となってしまいます。

個人的には、長短色々あってもm4/3よりAPS-C、だと思っているので、小型軽量のNEXシリーズでシステムが組めれば、m4/3はいりません。現在、サブはOM-Dを中心としたm4/3。NEXレンズ群の充実は、私にとってAPS-C回帰のきっかけとなりそうです。
ちなみに、現在、私のメイン機は、フルサイズ単焦点コンデジ、RX1です。写りは抜群ですが、35mmレンズ限定となってしまうので、サブで小型軽量のズーム機が欲しいわけです。

そんなわけで、待望の、E 16-70mm F4 ZA OSS です。

■ 総評から先に言うと、ちょっと良さげな標準ズーム。だけど、価格は高すぎ。
ほどほど良いレンズ、だと思います。
しかし、現在、最安値8万円台半ばという価格を考えると、なんだかな〜、という感じです。
せいぜい5万円のレンズ。ツァイスへのブランド料が3万円、という感じでしょうか。
ちなみにソニーのツァイスレンズは、設計ソニー、監修ツァイス、そしてMade in Thailand、ということみたいです。
それにしても、NEXのズームレンズはまともなものがなかったので、これで、なんとか使える標準ズームが出てきたという感じです。

■ NEX-6装着時のバランスは、なかなかGood。
NEX-6とのバランスは、若干レンズが大きい感もありますが、なかなかカッコいいです。
ちなみに、私は、E 35mm F1.8 OSS(+フード)を付けたときの格好がとても気に入っています。このレンズ、安くて写りもいいですし。
また、ズームのトルク感は、程よい堅さでスムーズに操作できます。もちろん、自重でレンズが伸びるようなこともありません。
レンズの重さは、308g。本体と合わせると、総重量は653g。ほどほどの重さになりますが、許容範囲です。

NEX-6

この組み合わせ、レトロボディーとは違ったNEX独特のソリッド感が強調され、なかなかカッコいいです。



■ 手ブレ補正機能は、かなり上等。
NEX-6のファインダー撮影にて、露出を変えて5枚ずつ撮影。毎度の簡単テストをしてみました。
広角端(換算24mm)では、1/4までぐらいはほぼミス無し。2EV以上は効いています。
望遠端(換算105mm)では、1/8までぐらいはほぼミス無し。3EV以上は効いています。
これはかなり効きのいいほうだと思います。
望遠端でも、手ブレ補正が効き始めると、ファインダー像がピタリと止まり、安心してシャッターが切れます。
ただし、テストでの連続撮影はどうしても精度が上がりぎみなので、実際には(私の場合)、焦点距離を意識せず1/15ぐらいが安全領域の目安となりそうです。
この手ブレ補正、なんでツァイスがここまでできるんだ、と思ったら、ソニー製ということを忘れてました。
何にしても、手ブレ補正の効きは、かなりいいほうだと思います。

■ 肝心の写りは、ちょっと期待はずれ。
最初に書きましたが、写りは、ほどほど良い、というぐらいの感じで、ちょっと期待はずれです。
価格が4〜5万円ぐらいであれば納得の「良」レンズですが、高価なだけに愚痴の一つや二や三つや四つや、、、出てきます。
広角端(換算24mm)では、解放F値が4.0にも関わらず、周辺解像落ちが目立ちます。F8ぐらいまで絞れば、それなりに改善されますが、今一つシャキッとしません。
中心付近の解像もほどほど良いレベル、、、、
この絵を眺めてたら、もしかしたら、パナソニックのm4/3キットレンズのほうが写りがいいかも?、と、よからぬ考えが頭をもたげ、比べてしまいました。ついでに、単焦点APS-CコンデジのCOOLPIX Aも。

解像比較。画像クリックで、オリジナルを表示。

解像比較。画像クリックで、オリジナルを表示。



写真は、全て補正無し、Lightroom5、ストレート現像です。
画面右上に六本木ヒルズがくるように撮影。等倍で、右上400X400を切り取ったものを並べています。勿論、フォーカスは遠景に合わせています。
上の段から、NEX-6 + E 16-70mm F4 ZA OSS、OM-D + G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 II、そして、単焦点APS-Cコンデジの、COOLPIX Aです。
絞りは、左から、F4.0, F5.6, F8.0 としています。COOLPIX Aは解放F2.8、周辺解像も高いので F2.8, F4.0, F5.6 としています。
E 16-70mm F4 ZA OSSは換算24mmですが、その他は換算28mmとなっています。
OM-Dに装着したG VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 IIは、LUMIXのキットレンズで、単体で15,000円ほどで買える代物です。
また、単焦点APS-CのスペシャルコンデジCOOLPIX Aと比べるのは反則だ、という感もありますが、良く写るものはこれくらい写るんだという参考比較として並べてみました。ちなみに、このCOOLPIX A、E 16-70mm F4 ZA OSSより1万円ほど安く買えます。
センサーサイズや画角、そして焦点距離が違うものと比べるのはおかしいだろう、と、色々あるかと思います。
しかし、細かい事は抜きにして、この比較から大体のことは分かります。SONY Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS SEL1670Zは、少なくとも、手放しで褒められるレンズじゃないと。
何か悪口ばっかりのようになってしまいましたが、広角以外の領域ではけっこういい描写だと思います。ただ、私の場合、広角域の使用頻度が高いので、ついついこの辺りに関して辛口評になってしまいます。ご容赦を。

倍率色収差はほとんど無く良好です。パープルフリンジはそれなりに出ますが、許容範囲、現像時に難なく補正できます。
歪曲は、広角端でかなりの樽型です。これも、ズームしてゆくにしたがって解消され、望遠端で若干の糸巻となります。
歪曲に関しては現像時に補正できるので大した問題ではないですが、Lightroom5でまだこのレンズのプロファイルが無いので、現時点で、補正するのが大変です。
フレアに関しては、まだ撮影枚数は少ないですが、出にくいほうだと感じています。
ついでに、発色やらコントラストやら透明感。普通だと思います。巷言われてるほどのことは無く、普通だと思います。

総評を先に書いてシメの文章が無くなってしまいましたが、何にしても、NEXで普通に使える標準ズームが出てきたことは喜ばしい限りです。

以下、今回のサンプル写真です。Lightroom5でTIFF現像後、Photoshopにてjpg変換。

NEX-6標準設定で撮影(F9.0 1/160)。広角端の換算24mm。Lightroom5、ストレート現像。Photoshopにてjpg変換。 標準的な撮影写真。一般的には、こんな写りだと思います。 私には、ちょっと良さげの標準ズームの写りに感じます。 また、ツァイス特有の発色やらコントラストやら透明感、、、私には分かりません。それなりに良い絵には見えますが。 クリックで、オリジナル表示。

NEX-6標準設定で撮影(F9.0 1/160)。広角端の換算24mm。Lightroom5、ストレート現像。Photoshopにてjpg変換。
標準的な撮影写真。一般的には、こんな写りだと思います。
私には、ちょっと良さげの標準ズームの写りに感じます。
また、ツァイス特有の発色やらコントラストやら透明感、、、私には分かりません。それなりに良い絵には見えますが。
クリックで、オリジナル表示。ファイルサイズ、約10MB。



NEX-6標準設定で撮影(F9.0 1/200)。広角端の換算24mm。Lightroom5、ストレート現像。Photoshopにてjpg変換。 ビルの歪曲がけっこう目立ちます。 倍率色収差がほとんど無いのはサスガです。 クリックで、オリジナル表示。

NEX-6標準設定で撮影(F9.0 1/200)。広角端の換算24mm。Lightroom5、ストレート現像。Photoshopにてjpg変換。
ビルの歪曲がけっこう目立ちます。
倍率色収差がほとんど無いのはサスガです。
クリックで、オリジナル表示。ファイルサイズ、約6MB。