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間違ったニュースの拡散に対抗策はあるか?

間違ったニュースの拡散に対抗策はあるか?

新聞やニュースなど、メディア、マスコミの情報の嘘についてたびたび日本でも問題視されることがあります。A社が発信したデマ情報がB社の媒体にも取り上げられ、後に第三者の真実の暴露によって間違いが発覚するというケースも多発しています。インターネットによって情報が速さとともにあふれかえっている今日では「情報を堂々巡りさせてしまう」という問題が引き起こされているのです。アメリカでも「子供に定期的なワクチン接種をさせるのは、自閉症を引き起こす」といった科学的根拠のない記事が拡散され、ワクチン接種反対運動にまで発展する事件がありました。記者達が手早く情報を得るために、ウィキペディアの情報を引用することも問題を深刻化させる1つの要因となっています。情報過多な現代においては、事実を追い求め、捏造や偏向報道、突拍子もないことを煽る行うメデイアを排除し、疑わしい情報を探し、批判することがより重要になってきます。(TED-Ed2015 より)

参照動画
How false news can spread - Noah Tavlin
スピーカー
Noah Tavlin(ノア・タブリン) 氏
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メディアの情報は信用できるのか

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ノア・タブリン氏:作家、マーク・トウェインによる格言があります。「真実が靴を履いている間に、嘘は地球を半周する」という。おかしな話ですね。実際にマークトゥエインがそんなことを言ったかどうかは疑わしい話なのに。

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この格言からすれば皮肉な話ですが、疑わしい理由がいくつかあることを証明してみましょう。格言というものは「誰々が言ったようだ」というはっきりとした確証のない話でも、後になればなるほど尾ひれ背びれが付いて、あたかも「誰かがそう言った」と断言されるような話にすげ変わってしまうものなのです。

ここ10年ほどの間、全世界規模のほとんどのメディアというのは、自分たちの足で情報を集める組織を持つ、いくつかの代表的な新聞、そして様々なネットワークから成り立っています。

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ロイターやAP通信のように、独自で記事を沢山集めたり、記事を焼き直したりする発信網は今日ではあまりありません。情報が速さと共にあふれかえっている、現在の状況がつくり出してしまったのは、「情報を堂々巡りさせてしまう」という情報発信の形です。

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仮に、Aという出版社が間違った情報を載せてしまったとしましょう。それをBという出版社がその間違った情報の記事を再販したとします。そうすると、今度はその記事の情報源はA社ではなく、B社が新たな発信源となります。そして、真実がうやむやのままB社からの間違った情報が拡散されてしまいます。

様々な出版社が同時に間違いに気付かないまま誤った報道をしていて、後に第三者の真実の暴露によって間違いが発覚するという現象が起こるのも、そのためです。

信憑性のない記事が事実として拡散されるケースが多い

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例えば、1998年に発行された似非科学的な新聞は、「子供に定期的なワクチン接種をさせるのは、自閉症を引き起こす」との記事を載せ、ワクチン接種反対運動に発展させたことがあります。

発端となった記事を載せた新聞の記事は科学者たちから「信用できないガセネタ」だと言われていたのにも関わらず、です。意図的に予防接種をしていない子供たちはアメリカ合衆国において、事実上は根絶されているとされる伝染病、感染すれば命取りになると判明している伝染病になる契約を自ら結んでしまったのです。

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さも本当のことであるかのように書かれた風刺的な記事はネタとしてではなく、実際のニュースとして全国ネットで取り上げられることさえあるという、恐ろしい事例があります。

例えば、定評のある『英国医学ジャーナル』で取り上げられた「次世代のコンピューターゲームをしている思春期の子供のエネルギー消費について」というネタ記事は400回以上も真面目な科学出版社によって深く掘り下げられて調べられています。

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また、ウィキペディアのような、利用者によって作られたコンテンツも情報を堂々巡りさせることに一役買っています。

手早く情報収集をするために記者たちがそのようなコンテンツに頼れば頼るほど、事実が証明されていないウィキペディアの情報を丸ごと出版物の記事に反映させてしまい、さらにその記事の情報がウィキペディアに新たに真実の情報として付け加えられるという、情報の堂々巡りが起こるのです。そうなると、ますます物事を真実から遠ざけてしまうのです。

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最近の情報伝達テクノロジーは、情報と人々の垣根を取っ払うことに成功したと言えます。しかし、「とにかく速く答えを見つけたい」という我々の願いは、確かなものを見極める目を曇らせてしまいました。このまま偏った考え方が世界中の何十億もの人々の間にあっという間に広まったら、大変なことになるでしょう。

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真実に靴を履かすために、真実を追い求めることです。突拍子もないことを煽るメデイアを排除し、疑わしい情報を探し、批判することです。情報源を突き詰め、何が真実か否かを見極めることが、でっち上げを減らすことに繋がるのですから。

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※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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