「安保攻防」的外れな議論を続けた野党は、今こそ自省せよ!〜戦争法案・徴兵制・対米従属どれもミスリードだった
現代ビジネス 9月18日(金)6時2分配信
枠組みの根本にある安保条約を破棄するなら、日本は単独で中国の脅威に立ち向かわなくてはならない。それができるかといえば、残念ながらできない。中国は人口で日本の10倍、国土で25倍、経済力で2倍、毎年の軍事予算で4倍もある大国であるからだ(7月31日公開コラムなど、http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44454)。
だからこそ安保法制を見直して、日米同盟の強化が必要になる。「米国の言いなり論」とは、日本がどうやって国を守るのかという根本論を無視して、安っぽい感情に訴えかけた扇情論である。それで安っぽくなったのは政権ではなく、野党の側だった。
扇情論ではないというなら、野党はどう日本を守るのか、自分たちの安保戦略を示す必要がある。共産党は曲がりなりにも安保廃棄を唱え首尾一貫している。彼らは安保廃棄だけでなく自衛隊廃棄も唱えている。彼らはたしかに首尾一貫しているが、それは首尾一貫して根本から間違っているにすぎない。
多くの憲法学者が唱え、左派マスコミが便乗している「違憲論」についても触れよう。違憲かどうかを判断するのは、憲法学者の仕事でもマスコミの仕事でもない。それは最高裁判所の仕事である。
いずれ違憲論争は裁判所に持ち込まれるだろうが、最高裁は砂川判決ですでに明快な判断を示している。それは安全保障のような重要問題は一見、明白に違憲でない限り、最終的には国民の判断に委ねられている、という結論だ(6月12日公開コラムなど、http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/43719)。
私は今回の法案が成立後、裁判所に持ち込まれても、最高裁は同じ判断を示すと思う。
最後に野党の戦い方について。野党は最後の局面でどうするのか。採決に反対投票するのか、それとも議場を退出して棄権するのか。こんな重要問題で棄権は許されない。
それは国民から付託された国会議員の職務放棄である。棄権するくらいなら、ぜひ辞職してもらいたい(7月17日公開コラム、http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44226)。
反対する野党が全員辞職するなら、もしかしたら、今国会での採決は先送りされるかもしれない。改めて言うが、全員辞職で反対こそが、野党の最強戦術である。
長谷川 幸洋
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