【AKBじゃんけん大会】藤田奈那V「大変なことをしてしまいました」史上最大下克“女王”

2015年9月17日7時30分  スポーツ報知
  • 優勝トロフィーにキスする藤田奈那
  • キャビンアテンダントの衣装で優勝

 ◆第6回AKB48じゃんけん大会(16日・横浜アリーナ)

 優勝特典のソロデビューを争う「第6回AKBじゃんけん大会」が16日、横浜アリーナで行われ、AKB48の藤田奈那(18)が決勝でAKBの中西智代梨(20)を下し、108人の頂点に立った。総選挙、じゃんけん大会含め選抜メンバー入りゼロのニューヒロイン。2010年に研究生としてAKBに所属してから6年目で、最高のチャンスをつかんだ。2~16位の15人は「カップリング選抜」としてソロデビュー曲のカップリング曲を歌う。

 じゃんけん大会始まって以来の下克上だ。過去の総選挙はすべて圏外。選抜入りを1度も果たしたことのない「なぁな」こと藤田が、一躍シンデレラガールとなった。震える声で「私は、大変なことをしてしまいました…」とぼう然。それでも「ファンのみなさん、お待たせしました。5年やってきてやっとチャンスをつかみました!」と涙をポロポロ流しながら語った。

 中西を相手にしての決勝戦。グーで6度のあいこを繰り返したのちの7度目の勝負。ここまでかたくなに14度グーを出し続けてきた藤田は賭けに出た。「2回戦からグーで勝ってきたけど、(中西が)変えるつもりはなさそうだった。『こんなチャンスは2度とない』と思うまで、6回あいこが必要だったんです」。この日初のパーは、トロフィーを決めるウィニングショットになった。ソロデビューを自らの右手で勝ち取ると、藤田は顔を覆い、ひざを折り泣きじゃくった。

 予兆はあった。初戦の相手として激突する予定だった12年のじゃんけんクイーン・島崎遥香(21)がぜんそくなどの体調不良のため出場を辞退し不戦勝になるラッキー。一気に波に乗り、2回戦から快進撃を見せた。

 2010年3月に研究生としてAKBの門をたたいた。正当派の美貌とクラシックバレエ仕込みのダイナミックなダンスが持ち味だが、これまで表立っての活躍はなかった。同期や後輩は次々に自分を飛び越えていく。正規メンバーに昇格するのも同期メンバーで一番最後で、「踊るのはいつも端でした」。それでも劇場に立ち続け、チャンスの順番が来るのをひたすら待っていた。

 この日の衣装はキャビンアテンダント。ソロデビューという最高のチケットを手に、夢の世界へ出発する。「デビュー曲は歌もですがダンスを見せられる曲にしたい。売り上げが不安ですが、みなさんCD買ってください」。もう涙はない。運をつかんだ6代目女王・藤田が、今度は自力で成功を手に入れてみせる。

 ◆「なぁな」という女…真面目で努力家、女子大生と二足のわらじ 藤田を知る関係者は「まじめな性格で努力家」と声をそろえる。約2年間の研究生時代には、正規メンバーの代役として劇場公演のステージに立つ役割を積極的に担当。ほかのメンバーが多くても5、6ポジションの振り付けを覚えるところを、藤田は15ポジションを完璧にマスターして、いつでも出られる準備をしていた。

 おとなしい性格がアイドルとしてマイナスに働くこともあり、関係者は「何でも器用にこなすので“キャラが立っていない”と見られてしまう。でも、頼んだ仕事はしっかりやる」。学業も両立させ大学受験に成功。現役女子大生とアイドルの二足のわらじを履く。

 「内面はすごく貪欲で向上心が旺盛」という一面も。キレのあるダンスは以前から定評があったが、レコード会社の担当者は「最近、歌も抜群にうまくなった」。ソロデビュー曲では、積み重ねた努力の成果を存分に発揮するだろう。(AKB48担当・有野 博幸)

 ◆藤田 奈那(ふじた・なな)1996年12月28日、東京都生まれ。18歳。2010年3月、AKB48第10期オーディションに合格。同6月に研究生になり劇場デビュー。12年に昇格。15年3月にチームKへ異動。選抜総選挙は第3回から参加し、5回連続で圏外。じゃんけん大会は前年まで通算1勝3敗。12、13年はともに初戦敗退、14年は2回戦で負け。特技はクラシックバレエとジャンプ力。身長162センチ、血液型A。

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