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  •  1983年に劇場公開された映画『廃市』。
  •  北原白秋の作品を親しんだ福永武彦が「水の構図」の写真に写る柳川の風景を眺めて書いた同名小説を原作としています。映像化が難しいと言われ、本人も映像化することを生涯拒み続けた福永の作品。自分の作品かと思うほど彼の作品を偏愛した大林宣彦監督は、福永の小説の世界観を忠実に映像化しようと、全編を柳川で撮影しました。 
  •  卒論を書くために一夏を運河のめぐる町で過ごした江口。新聞記事を目にし思い出した、大学時代に訪れたその町での出来事。江口が過ごした旧家に住む娘・安子。その姉・郁代と、夫・直之の複雑にすれ違う思い。
  •  この映画では、川水の音がとても印象的です。そして安子はいいます。「町が死んでいく音なのよ。」
  •  映画『廃市』の悲しく切ないストーリーの中での柳川は時間の流れが止まった滅びゆく町として描かれます。それと対極するかのように、柳川の風景はこの町を訪れたいと思わせるほど、水の豊かな美しい町として見た者の印象に残ってしまうのです。
  •  この映画の冒頭、大林監督はこう記しています。
  • この映画は柳川市と、
  • 柳川のひとびとの友情を得て生み出された
  • この物語りは現実の柳川市を舞台としたもの
  • ではないが
  • 柳川は、このようなひとの心の模様についての
  • 空想の物語りの、よく似合う
  • 美しくたおやかな水の都である



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  •  柳川はこれまでに何度も映画の舞台となっています。
  •  1987年公開、高畑勲監督の映画『柳川掘割物語』。
  •  もともとアニメの舞台のロケハンとして柳川を訪れた高畑勲監督。そこで聞いた柳川の掘割の壮絶な歴史に感銘を受けた監督は、ドキュメンタリーとして映画を製作することに。
  •  かつて、柳川の掘割には蛍が飛び交い、人々はその水を飲み、そこで遊び、掘割の水とともに暮らしていました。ところが、昭和に入ってからの水道の普及とともに、人々と掘割との関わりかたは変わっていきます。昭和30年代にはゴミとヘドロで埋没し、昭和37年から始めた観光川下りも、40年頃には舟も進めない状態へと変わっていってしまったのです。ついには掘割を埋め立て、土地として活用する下水路計画が。
  • その責任者に任命された広松伝さん。彼は水路の歴史的な役割を調べ上げ、掘割を守ることを提案。住民が皆で取り組めば必ず再生するという信念で市長を説得。住民とも100回以上にわたる懇談会の末、ついに河川浄化計画は進行し柳川の掘割は守られてきたのです。
  •  子どもたちが堀に入り、舟を浮かべて遊び、釣りをして楽しむ。お母さんが川で洗濯をし、お皿を洗う姿。お父さんが水車を漕いで田んぼに水をおくる姿。掘割再生のために柳川の住民が掘割に入り、浚渫する姿。昔の姿を取り戻しつつある掘割。
  •  人々が掘割とともに生活していた時代の柳川の風景と、柳川の人々に守られてきた掘割の歴史がこの映画には残されています。

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  •  映画などの作品の裏には、欠かせない存在があります。フィルムコミッションは、地域活性化、文化振興、観光振興を図ることを狙いとし、映画などの撮影場所の誘致や撮影支援をする機関です。2000年、大阪に日本で初めて設立されて以来全国的に広まり、現在では数多くの映画やドラマ、CMなどがこの機関を通じて製作されています。柳川市観光課では以前から活動を始めていました。ゆっくりと進む舟の上から、すれ違う祝い舟の写真を撮る本木雅弘さん。お中元を届けに舟で川を下る竹内結子さん。はっぴの下にダウンを着た川下りの船頭さん。
  •  数々の作品を支援していく中で、作品のエンドロールに文字が入ることで、他の作品への足がかりとなるようにという考えから2012年11月1日、正式に“柳川フィルムコミッション”を発足。発足してから関わった作品に、『福岡恋愛白書』があります。エンドロールには“柳川フィルムコミッション”の文字。そこから次の作品にもしっかりとつながっています。
  •  映画などでは通常ロケ地を決める担当者がいます。しかし、その地を知らない制作者と現地の方との交渉は、必ずしもうまくいくとは限りません。
  •  撮影が行われる時に、地域の方々の日常生活の妨げになったり不安などから守ったりすることが自分たちの役目であり、そうやって撮影を支援していくことで良い作品を作っていただきたい。柳川フィルムコミッションは熱い思いを胸に活動しています。
  •  2013年10月、強力な助っ人も加わりました。
  • 埼玉県で写真家として活躍されていた風間英人さんは“地域
  • おこし協力隊”として柳川に移住。柳川フィルムコミッション
  • の一員となり、現在柳川で活動されています。
  •  柳川フィルムコミッションは、サポーター会員を募集しており、
  • 現在は50名近くのサポーター会員に支えられています。
  • 柳川の人々が一眼となって映画製作などに関わり、新たな
  • コミュニティを築き、結果として柳川の地域活性化につながる。
  • 柳川フィルムコミッションの理想のかたちです。 


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柳川おでかけWeb
表紙スライドショーの写真のご紹介

11月・霜月
北原白秋を偲び、イベントの多い柳川の風景です。

白秋に浸る、白秋生家。/水上パレードの終着点での花火は圧巻です。/後輩たちが白秋の歌/掘割沿いの紅葉/柳川の小路にある大きな銀杏の木/北原白秋生家にある全身写真/一番海苔の入札開始/柳川駅前を彩るイルミネーション


白秋生家-1.jpg白秋祭花火縦.jpg文字-白秋祭式典.jpg川下り紅葉.jpg文字-小路紅葉.jpg白秋全身.jpgIMG_2404.jpgIMG_2226.jpg