【白老】ニュージーランドの先住民族マオリの若手リーダーを養成している団体代表者らが17日、胆振管内白老町のアイヌ民族博物館を訪れ、同館でアイヌ文化を学ぶ若手担い手と交流した。ワークショップでは、民族の文化や言語を学ぶ意義などについて、それぞれ意見を交換した。

 首都圏や道内のアイヌ民族でつくる「アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム実行委員会」(島田あけみ代表)が主催。同会は2013年、ニュージーランドに研修団を送り、言語復興などの先進事例を学ぶなど、交流してきた。

 今回来日したのは、マオリの若手リーダー育成団体「AMO」のベンサム・オーヒア代表(44)と、ケイト・チェリントン副代表(45)。2人はマオリの若手育成やコミュニティー改善に長年、携わっている。23日まで、白老や平取、札幌など道内に滞在する。

 ワークショップにはアイヌ文化の担い手5人が参加。チェリントンさんが「いま学んでいることは何にプラスになる?」などと問いかけると、参加者は「知識と経験を増やせている」「アイヌ民族としてどう生きたいか考えるのに役立っている」などと答えた。

 チェリントンさんは「文化や知識を実生活で生かし、将来的には導き手の手本となって」と話し、参加した中井貴規さん(38)は「これまでと違う視点が得られた」と語った。

 同会は2人の講演会を21日午後7時から、平取町二風谷の町立二風谷アイヌ文化博物館のポロチセで開く。入場無料。問い合わせは同文化博物館(電)01457・2・2892へ。(田鍋里奈)