セブン&アイ・ホールディングスは18日、総合スーパーを運営するイトーヨーカ堂について「活性化が進まない店を中心に約40店を閉鎖する方針を固めた」と発表した。決断の背景には、2017年4月に予定される消費税の再増税に対する危機感がある。
14年4月の消費増税の影響で、ヨーカ堂単体の15年2月期の営業利益は前期比83%減の18億円に落ち込んだ。再び個人消費が冷え込む可能性に備え、経営資源を首都圏や地方の大型店に集中し収益性の改善を急ぐ。
ヨーカ堂が全店の2割にあたる店舗を閉鎖する方針が報じられ、セブン&アイの株価は上昇した。市場でも不振が続いていた総合スーパー事業の採算が改善するとの期待が広がったようだ。
ただ、計画では16年2月期中に閉鎖する店舗は数店にとどまる。その後に年間10店前後のペースに上げる方針だが、不採算店の整理は喫緊の課題。再増税を乗り越える効果が引き出せるかは時間との勝負になる。
セブン&アイはコンビニエンスストア事業が好調で15年3~8月の連結営業利益は過去最高を更新したもようだが、ヨーカ堂単体では営業赤字だったとみられる。
このため1月から地区ごとに商品開発の責任者を置く組織体制に変更。店舗のある地域のニーズを反映した地域限定品を増やすなど運営手法の見直しを急いでいる。
セブン&アイ・ホールディングス、イトーヨーカ堂