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緊迫安保法制 野党、なりふり構わず 「セクハラだ!」女性議員絶叫

産経新聞 9月17日(木)7時55分配信

 民主党など野党は16日、安全保障関連法案の「成立阻止」に向けた徹底抗戦を繰り広げた。民主党や維新の党など野党5党は幹部会談を断続的に開き、参院平和安全法制特別委員会の開催阻止を確認するなど「共闘」を演出。民主党の枝野幸男幹事長は「暴挙を許さない」と気勢をあげ、共産党の志位和夫委員長も「院外(国会の外)の戦いと連携して最後まで頑張り抜く」と強調した。

 「触るな! セクハラだ!」。16日夜、特別委理事会が開かれる参院第1理事会室前。大勢詰めかけた野党議員に交じり「怒れる女性議員の会」と書かれたピンクのハチマキ姿の野党女性議員が参戦し、絶叫しながら“女性の壁”で鴻池祥肇委員長(自民党)の入室を妨害する一幕もあった。怒号が飛び交う中、理事会は断続的に休憩になるなど紛糾した。

 これに先立ち、民主党の岡田克也代表は16日夕の野党5党の党首会談後、記者団に「採決を前提とした締めくくり総括質疑は認められないことと、採決するのであれば、内閣不信任決議案の提出を含めてあらゆる手段で阻止することを決めた」と断言した。

 5党首は特別委開催予定の1時間前に国会内で顔をそろえ、成立阻止を目指し、問責決議案や不信任決議案の共同提出に向けて結束を確認した。もともと民主党は参院で「審議拒否」戦術をとらず、質疑の中で問題点をあぶり出す手法に力を入れてきた。だが、締めくくり総括質疑の日程を委員長職権で決めたことに反発し、徹底抗戦の路線に転換した。

 「私たちの後ろには7千万人、1億人がいる。その民意を体現していくために一致団結しよう」

 岡田氏は国会内で開いた緊急集会で報道各社の世論調査結果を独自に解釈して党の結束を呼び掛けた。また、民主党国対幹部は、自民、公明両党と新党改革など野党3党との合意を念頭に「物わかりのいい野党にはならない」と採決阻止を断言した。

 今後、野党5党は参院で安倍晋三首相や中谷元防衛相ら関係閣僚の問責決議案提出を連発するほか、衆院でも内閣不信任決議案の提出を模索する。この際、長時間の演説を本会議で行い議事進行を遅らせる「フィリバスター」戦術も検討。安保法案の本会議採決で投票をゆっくり行う「牛歩」戦術を求める声もある。

最終更新:9月17日(木)8時15分

産経新聞

枝野幸男

枝野幸男(えだのゆきお)
所属院 選挙区 政党:
衆議院 埼玉県5区 民主党
プロフィール:
1964年5月31日生 初当選/1993年 当選回数/8回