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安保通せんぼ!野党が「人間バリケード」通路を封鎖

日刊スポーツ 9月17日(木)10時21分配信

 16日夜に予定された安全保障関連法案の締めくくり総括質疑は、大幅にずれ込んだ。民主党など野党が「人間バリケード」で、鴻池祥肇委員長を委員会室に入れないよう通路を封鎖。怒号や悲鳴が飛び交い、早期成立を目指す安倍晋三首相は待ちぼうけとなった。

 参院特別委員会が予定された第1委員会室は16日夕から、民主党など野党議員が「人間バリケード」を張り、占拠状態になった。開始予定の午後6時を過ぎても、野党の抵抗で委員会は開かれず、結局、日付をまたいだ。

 理事会で部屋に入ろうとした鴻池委員長は、野党議員ともみくちゃになり、衛視に押し込まれるようにして、ようやく入室。その後5時間以上、部屋から出られない状態に。その間、委員会は、理事会、理事懇談会が断続的に続き、協議がまとまらず、何度も休憩に追い込まれた。

 部屋の前には野党議員が陣取り、「散会だ」「真っ黒の違憲法案だろうが!」と、罵声を浴びせた。民主党の女性議員らは最前線で、ピンクのはちまきを締め「女性の声を聞け」と主張。自民党の男性議員が近寄ろうとすると、「セクハラだ」の声も上がり、与党側は困惑するしかなかった。

 首相は午後8時40分ごろ、野党議員が陣取る場所から離れた。通常は記者や傍聴人が使う出入り口から委員会室に入った。野党女性議員のはちまきと偶然同じ、ピンクのネクタイ。トイレに立ち、側近議員の報告を受け、落ち着かない様子もみせた。通路で響く野党の怒号に加え、雨の中、国会周辺で上がる法案成立反対の抗議の声が、首相が座る席にも聞こえていた。

 野党はバリケードに先立ち、民主、維新、共産、社民、生活の野党5党首が会談し、法案の採決が強行されるなら、内閣不信任決議案や問責決議案などの提出を含め、「あらゆる手段を講じて成立を阻止すべきだ」との認識で、一致した。

 衆参の本会議での与野党激突は、今日17日、重大な局面を迎える。野党は徹底抗戦で廃案、与党は17日中の成立を目指すが、この日の審議が遅れたことで、審議日程に少なからず影響する可能性もある。

 与野党のまったく異なる思惑がぶつかり合い、与野党は、かつてないほどの「激突態勢」に入った。

最終更新:9月17日(木)10時21分

日刊スポーツ

鴻池祥肇

鴻池祥肇(こうのいけよしただ)
所属院 選挙区 政党:
参議院 兵庫県 自民党
プロフィール:
1940年11月28日生 初当選/1995年 当選回数/6回
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