チンパンジーもストーリー記憶 京大、ヒト以外で確認
- ボノボにジュースを与えながら動画を見せ、視線を記録する実験風景（京都大熊本サンクチュアリ提供）
類人猿のチンパンジーとボノボは一度見た出来事を長い間覚えていることを、京都大の狩野文浩霊長類研究所助教と平田聡野生動物研究センター教授のグループが実験で確かめた。ヒト以外の動物も長期記憶の能力が高いことを示している。米科学誌カレントバイオロジーで１８日発表する。
グループは、ボノボとチンパンジー各６匹で実験。二つある扉の片方から着ぐるみの類人猿が室内に侵入して人間を襲う動画を見せ、翌日に同じ動画を流した時にそれぞれの視線の動きを比較した。
その結果、２４時間後の時には、着ぐるみが侵入する扉を事前に注視する傾向が見られた。ボノボとチンパンジーは１日を隔てても動画のストーリーを覚えている証拠になるという。
ヒト以外の動物では、一度見ただけの出来事を長期にわたって記憶できるかどうかはよく分かっていなかった。狩野助教は「類人猿が他者の心を読むことができるかどうかについても同様の手法を用いて調べたい」と話している。
【 2015年09月18日 07時20分 】