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 満州事変のきっかけとなった柳条湖事件から84年を迎えた18日、事件現場に近い遼寧省瀋陽市の「九・一八歴史博物館」で式典があった。中国政府が「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70周年」と位置づける今年は約1千人が参加したが、中央政府高官の出席はなかった模様だ。市内ではデモなどの騒ぎはなかった。

 式典では、遼寧省の李希共産党委員会書記や学生らが鐘を鳴らした。李氏は「悲しい歴史を記憶にとどめ、抗戦精神を発揚してよりよい未来をつくろう」と演説した。昨年は劉雲山・党政治局常務委員が出席したが、今年は中央政府高官の出席は報じられていない。

 2012年には、尖閣諸島の国有化を巡って式典後に反日デモが暴徒化した。今年も博物館周辺に人だかりができたが、式典が終わると立ち去り、組織化された動きはみられなかった。今年も外国メディアの会場内取材は認められなかった。黒竜江省ハルビン市や吉林省長春市でも同様の式典が開かれた。(瀋陽=平賀拓哉)