野田哲也展/日記:軌跡をかえりみて1968-2014
ギャラリー五辻(2014年5月23日〜6月28日)
現在、ギャラリー五辻で野田哲也先生の展覧会が開催されています。野田哲也:日記:軌跡をかえりみて 1968−2014のオープニングレセプションに参加した際、ギャラリーオーナーの五辻さんにお話を伺うことができました。
−「どういう経緯で今回の展覧会に至ったのでしょうか?」
五辻「勿論大英博物館の展示というのもあるけど、今度は少し古い作品の順から並べて軌跡を辿ってみようと思いました。」
−「回顧展的な?」
五辻「まあ、そうかもしれないけれども、通常個展形式の展覧会では新作(近作)を中心に作品を発表するのが通例ですが、前々回の展覧会よりもう一度日記を紐解いて見直すということで皆さんに新ためて見て頂こうと思い、野田さんに相談をしたところ野田さんも、そのかたちを強く望んでいたのです。」
−「野田作品の魅力はどこにあるのでしょう?」
五辻「野田哲也の作品はけして古びない。なぜならば野田家の日々の生活の中で生まれた出来事が作品となり(それを「日記」という「タイトル」に表現する)その作品に出会った人達は自分の歩んで来た人生と重ねて考えることが出来るので、作品がより普遍的な説得力を持っていることに気づくのだと思います。」
−五辻さんは野田作品と関わるようになってどれくらいですか?」
五辻「1970年頃から付き合いが始まり約40年位になります。野田さん、ドリットさん夫妻と私達夫婦とは年齢がそれぞれ1才づつ違い子供達も長男、長女の順で又1才づつ違うという。不思議な縁で結ばれているのかな…」
「野田作品のマーケットって実際のところどうなってるんでしょうか?」
五辻「野田さんの作品はその高い芸術性から考えると現在の価格は大変リーズナブルすぎると思います。」
−「なるほど、本日は貴重なお話をありがとうございました。」
スペシャルインタビュー
ドリット夫人にも会場でお話を聞かせて頂きました
−「この作品のモデルはドリットさんですよね?」
ドリット「そうよ〜、よくわかったわね。」
−「今と変わらないお姿なので直ぐわかりますよ」
ドリット「あら〜、上手いですね〜」
−「この作品はどういう日記なのでしょうか?」
ドリット「これはね〜、別れの時の作品なの」
−「!」
ドリット「わたしの両親は、結婚するなら、哲也にはもっとイスラエルのことを知ってほしいし、また、二人は将来、できればイスラエルに住んでほしいと希望していたので、わたしはやむおえず、そのときイスラエルに戻ったというわけ。」
(*当時ドリットさんの家族は大使館勤めで、ご家族で日本に滞在していた。)
−「その時の想いのこもった作品というわけですね。」
ドリット「そうなの、そのあと半年くらいしてかな、テツヤがイスラエルに来てくれてね。それで父も納得してくれたのよ。」
−「今日は取材で来ているので、このエピソード、インターネットに掲載しちゃいますが大丈夫ですか?先生本人からだと絶対聞けないお話なので。」
ドリット「あら、そうなの?どうしましょう、あとでテツヤに怒られちゃう」