台風15号:熊本県に上陸 各地で猛烈な雨や風

毎日新聞 2015年08月25日 09時28分(最終更新 08月25日 14時09分)

木が倒れて道路をふさいでいる=熊本市中央区桜町の崇城大学市民ホール前の県道28号線で2015年8月25日午前7時15分、出口絢撮影
木が倒れて道路をふさいでいる=熊本市中央区桜町の崇城大学市民ホール前の県道28号線で2015年8月25日午前7時15分、出口絢撮影

 ◇九州のほぼ全域が暴風域に入り

 強い台風15号は25日午前6時過ぎに熊本県荒尾市付近に上陸した。九州北部を縦断し、九州・山口のほぼ全域が暴風域に入り各地で猛烈な雨や風を観測した。強風にあおられ転倒するなどして、少なくとも37人が負傷した。24日に通過した沖縄県内の10人を含め、台風15号によるけが人は47人に上った。土砂災害や河川氾濫などの恐れも高まり、福岡、熊本、山口の3県の約24万世帯(約56万人)に避難指示・勧告が出された。九州新幹線全線や山陽新幹線の博多−広島間が始発から運休するなど、交通機関もマヒした。

 気象庁によると、台風15号はやや勢力を弱めたものの、依然として強い勢力を維持し、正午現在、山口県下関市の北北西約70キロを時速約35キロで北へ進んでいる。中心気圧は965ヘクトパスカル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の北東側170キロ以内と南西側110キロ以内が風速25メートル以上の暴風域となっている。

 最大瞬間風速は、熊本市で41.9メートル、佐賀市で37メートルを記録。山口県で女性が転倒して骨折し、福岡県福智町では県道を走行中の8トントラックが横転した。猛烈な雨も降り、1時間に約120ミリの大雨を観測した福岡市早良区や佐賀市三瀬村、約110ミリを観測した北九州市小倉南区などに気象庁は「記録的短時間大雨情報」を出した。

 避難指示が出されたのは福岡県久留米市や福岡市西区、早良区などの一部地域で計8万2768世帯(17万7653人)。避難勧告は山口県下関市の全域を含む福岡、熊本、山口の計16万1050世帯(38万8338人)に出された。毎日新聞の集計では午前11時現在、九州・山口の避難者数は最大で8607人に上っている。住宅損壊は少なくとも19軒確認され、各地で停電も発生した。

 台風は朝の通勤時間帯を直撃した。新幹線のほか、九州全域で在来線やバスの運行見合わせが相次いだ。航空6社によると、中国、四国、九州発着の約250便が欠航し、約3万人に影響した。

 気象庁によると、台風は26日には日本から次第に離れる見込み。ただ西日本から東日本では湿った空気が流れ込み、26日にかけて西日本を中心に雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る恐れがある。26日正午までの24時間に予想される雨量は、いずれも多いところで、近畿、東海で250ミリ、四国で200ミリ、九州北部、中国で100ミリが見込まれている。【吉住遊】

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