柳亭市馬の演芸図鑑「中村美律子、立川真司、林家彦いち」 2015.09.13


お目覚めでございますか?柳亭市馬でございます。
今日はですねお金の単位でございます。
落語の中に出てくる江戸時代のお話が多いですから文。
1文2文というね。
「時そば」という落語でおなじみだと思いますが「そば屋さんいくらだい?」。
「16文頂戴します」というあの1文2文。
寛永通宝。
あの時代劇の「銭形平次」がピシッと投げますあれが一文銭なんですな。
あれを1,000枚集めますと1貫となりましてね4貫で1両になる訳で1両と一口に言ってもかなりの金額であるという事がこれでお分かり頂けると思います。
一文無しとか「早起きは三文の徳」だとかこの番組のためにあるようなそんなことわざも今にも残るというそんなお話でございますが。
さて今日の出演者をご紹介致しましょう。
まず立川真司さん。
鉄道のものまねでございます。
鉄道ファンの方にも人気があります。
そういう面白いものまねでございます。
そして落語は林家彦いちさん。
熱血落語家と自分で言うくらいでございましてヒマラヤでも一席やったという行動派でございます。
今日は生きのいい新作落語でお楽しみ頂きたいと思います。
ではどうぞ。

(拍手)お待たせ致しました鉄道ものまね芸人立川真司。
あの電車運転ゲームの全ての車掌の声にも出演しています。
(観客)へえ〜。
立川真司は鉄道という身近なものまね。
ですから皆さんはこのあと駅に行った瞬間からあの黄色いスーツを思い出し急に急に笑いが込み上げるという現象が必ず起きるのであります。
今私の一番のお気に入りは開業した北陸新幹線。
なぜ北陸新幹線の駅の放送自動放送英語放送はああいうふうにしゃべるんでしょう?今日まで気にもならなかったのに駅に行った瞬間から放送を聞くだけでスピーカーでしゃべっているのはあの黄色いやつに間違いないと。
身近なネタだからこそ。
それでは朝の北陸新幹線。
そう案内メロディーが流れてきてそうあの女性の自動放送が流れます。
(口笛)いい音だ〜。
(口笛)「間もなく23番線に…」。
「23番線にかがやき501号金沢行き12両編成で到着致します」。
「グランクラスは…」。
「グランクラスは12号車グリーン車は11号車です」。
「この電車は上野大…」。
「停車駅は上野大宮長野富山終点金沢の順に止まります」。
金沢じゃない。
「金沢の順に止まります。
金沢の順に止まります」。
今やりましたね。
駅員さんは北は北海道から南は九州そして全ての駅員さん自動放送の声を自分で必ず上でかぶせます。
なぜかぶせるんでしょう?私は諸説ありますが友人の鉄道員から正しい答えを聞きました。
なぜ自動放送をかぶせるのか。
皆さんだけに教えたいと思います。
理由はこうなんです。
我慢ができないんです。
(笑い)そして新幹線はしばらくしたら…。
プルプルプルプルプルプル…。
発車します。
プルプルプルプルプルプル…。
ワンワンワンワン…。
乗った気分になるでしょう。
ワンワンワンワン…。
発車したあと床下から聞こえるあの機械とモーターがこう…する重複な音。
ジジジジジジジジジ…。
乗った気分になってるじゃないですか。
ジジジジジジジジジ…。
すると加速する音が…。
ヒュ〜ッ。
それだけではないんです。
実はこの北陸新幹線と東海道新幹線には車掌さんのしゃべり方に決定的な違いがあるんです。
今日まで気にもならなかったのに。
そう東海道新幹線は50年以上走っていますからやっぱり車掌さんの年齢が非常に高くて比較的高くて音程の低い車掌さんが多いんです。
のぞみ号はこんな感じ。
「のぞみ520…失礼しましたのぞみ328号東京行きです。
先ほど新横浜…失礼しました小田原駅を通過致しました」。
そう間違った放送をたまに私はネタでやるんです。
知り合いの車掌からは「このネタはやらないでくれ」と言われています。
ヒュ〜ッ。
しかし北陸新幹線をはじめ東の新幹線は車掌の年齢が比較的若いんです。
ですから声が高い人が多い。
今日まで気にもならなかったのに。
高い人が多い。
ヒュ〜ッ。
「ご乗車ありがとうございます。
この列車はかがやき501号金沢行きです。
次の停車駅は高…失礼しました。
次は長野に止まります。
長野富山終点…」。
一瞬間が空きます。
「終点金沢の順に止まります」。
ヒュ〜ッ。
今日まで間の空いた放送を聞いても何ともなかったのにあなた様はこれから新幹線で間の空く放送を聞く度に見ず知らずの乗客に説明をしたくてしかたがない。
皆さんお分かりのように新幹線も各路線によってこんなに違いがあるんです。
是非新幹線に乗ってそれぞれの新幹線の旅を是非お楽しみ下さい。
本日ご案内したのはそうヒガシナガノオンユク実際ありません。
立川真司車掌がご案内致しました。
あ金沢に着きます。
一回また切り替えます。
「間もなく終点金沢です」。
「Ladiesandgentlemen,WewillarriveatKanazawaterminalinafewminutes」。
あなたは終着に着く度に全ての新幹線の色がドクターイエローに見えてしかたがない。
(笑い)さあ鉄道ものまね芸人立川真司間もなく終点です。
本日はご乗車賜りましてまことにありがとうございました。
皆さんまたよい旅を続けましょう。
定刻どおりの到着ありがとうございました。
(拍手)
(拍手)本当にお運びさまでございましてありがたい訳でございます。
いろんな登場人物というのが落語には出てくるというところは皆さんご案内だと思うんでございますけれども大体落語に出てくる登場人物で世の中の人大体表せられたりするんでございますけれどもなかなか出てこない人物というのが体育会系の人々というのはですね楽屋にもほとんどおりませんでございましてなかなか出てこないんでございます。
見た事ないと思うんですね。
楽屋にもあんまりいないんでございます。
「元気よく挨拶するように」って僕らも言われるんですけど「おはようございます!」なんて言うとですね「嫌だね無駄に元気で」とか言われたりなんかするのが楽屋でございますからあんまり規律正しくいいんですけれどもあんまり元気過ぎるというのもそうでもないというのがこの世界なんでございますけれども僕なんかは運動部の出身という事もありましてそういう人たちが身近にいるんでございますね。
ですからそういう人物が落語に出てきてもいいんじゃないかなと思いまして。
接点としましてはなかなか文化系と体育会系というのはなかなか難しいですね。
僕なんか高校時代柔道部という所に所属しておりまして忘れもしませんね公立高校でございましたんで顧問の先生が国語の痩せた先生だったんですね。
だからね大会のねインターハイの予選なんてありますね。
地区予選でございますよ。
「行ってこいよ!」ぐらいの事を言ってもらいたいんですねやっぱり運動する人間としては。
しかしながらですね大会の本番でございますよ後ろにその監督が顧問の先生がいるんですよ。
で恐る恐る後ろを…。
「行ってこい!」ぐらいの事を言ってバチンとかやってほしいんですよ。
恐る恐る向いたらね痩せた国語の先生がね小さな声で「臥薪嘗胆」。
「聞こえません!先生大きな声で言って下さい!」っていうような事がありまして僕なんかも最近学校公演やなんかにね学校に行くとサークルの多様化というのでやっぱりいろんなサークルがありますね。
僕らが中学高校時代は大体サークルね文化系はこれ体育会系はこういう感じというのがあったんでございます。
いろんなサークルがあったりなんかする今日はそういう学園もののお話でございましてそぐわない先生が顧問に就いてしまうというお話だったりするんでございますけど。
「よ〜しはい!今日からこの怪談話サークルの顧問になりました流石といいます。
もうじき発表会がありますからね文化祭ですよ。
大きな声ではっきりとね怖いお話をビシビシやってもらいますからね。
え〜っとですねはい起立!はい礼!」。
「えっとすいません」。
「何だ?」。
「あのすいません僕らは…すいませんあの先生文化系のサークルなんでそういう体育会系的な乗りは何か苦手的な感じで…。
挨拶的な事は授業の中で終わってる的な感じで…」。
「うるさい!本当に。
何なんだお前は本当に。
何ですか?君たち。
そんな関係ないでしょう。
サークル活動部活活動もこれはもう全部そうですよ。
学園生活の一つなんですから厳しくやりますからね。
そもそも分かってませんか?怪談話サークルでしょう。
霊に始まって霊に終わるんです!」。
「プ〜ッ!さすが」。
「うるさいよ!そこでそういう事言うんじゃない。
はい起立!はい礼!はい着席!君たちがねどれぐらいの事できるか先生見たいですよ。
大きな声ではっきりとね怖いお話。
君たちはどれぐらいの事ができるんですかね?怖いお話怖いお話ね。
え〜はいちょっと君。
怖い話」。
「僕っすか?」。
「お前だよ」。
「急に言われてもな〜」。
「『急に言われても』って発表会近いんだから怖いお話の一つや二つできなきゃ駄目だろう」。
「いやなあ…」。
「なあ…」。
「君が怖かった話があるだろう」。
「いや〜…はい。
じゃああの…本当の話でもいいですか?」。
「いいね〜。
君は何だね話し方を知ってるね。
『本当の話でいいですか?』と言うとリアリティーっていうのが出てきますね。
非常に今よかったです。
はい『本当の話でいいですか?』はいこれ反復練習みんなではい!」。
「本当の話でいいですか?」。
「はいそうそうはいそうそう。
よくできました。
これ大事な事ですね。
じゃあ先生聞きたいね。
その本当の話が聞きたいね。
おいちょっとどうだ」。
「はい…。
この学校の事なんですけど実は…」。
「うん」。
「体罰があるんです」。
「何の話してんだ!?怖いの種類が違いますよそれ!怪談話サークルでしょう?それは怪談話じゃなくて告発ですよそれ。
ねえ違いますよ。
ちょっと何か勘違いしてませんか?そこぼんやりしちゃいけないよ。
はいそっち怖い話」。
「フッあっしですか?」。
「あっしってお前!いくつだお前は!?別にあっしは悪くないけどあっしの怖い話やりなさいよ」。
「あっしはまあ特に怖い話はないんでございますけれどもまあないんでございますないんでございますけれど強いてまあ何が怖いのかと言われれば何でございますかねこれはまあないんでございますけれども何ですか何でございますかねこのやっぱりこのまんじゅうが怖い…」。
「違う!サークルが違います!向こうに扇子とか手拭いとか持った人がいるから。
君たちちょっと勘違いしてませんか?そういう調子じゃ駄目ですよ発表会近いんですから。
文化祭近いんですから駄目駄目ですよ。
先生ちょっと生徒指導がありましてね見回りがありますからちょっと一時解散です。
はい起立。
はい礼。
はいはいちょっと一時解散。
今先生が言ったのをちゃんとね自習しておくようにねはい。
本当に駄目だな。
少しは厳しくやんなきゃな。
あれじゃあ誰ひとり使えないじゃないか本当に。
本当にとぼけた連中ばっかりで。
よ〜しこの学校見回り見回り。
運動場よしよしよしと。
ちゃんとボールも片づけてんで偉いな。
よし体育館体育館と。
バレーボール部よしとバスケットボール部よしよしよしと。
この学校優秀だな。
こういうところがいいんだな。
おいどうした?そこで1人うずくまって具合でも悪いのか?保健室閉まってる時間だからな。
先生あれだったら開けてやるからな。
どうした?具合でも悪いのか?どこの部だ?どこの何組だ?」。
「はい向こうで道を尋ねた人がいたんです。
その人はとてもとてもおびえていたんです〜」。
「何だうちのサークルか。
おおいい口調じゃないか。
君みたいなのがいたのがうれしいじゃないか。
ああいう連中じゃ手を挙げてちょっと言いづらかったのか。
先回りして先生に聞いてもらおうとなるほど。
分かった分かった。
そういう心意気先生は大好きだ。
続き続き。
雰囲気いいんだからちょっと続き続き続き。
先生聞いてやるから」。
「その人は…その人はおびえているんです。
『どうしたんですか』と聞いたら『向こうで道を尋ねたら目も鼻も口もないのっぺらぼうだったんです。
私を正しい道に連れていって下さい』と私に…私に道を尋ねたんです」。
「いいね〜。
よかった君みたいなのがいてくれて先生うれしいよ。
でもうずくまって向こう向いてちゃ分かんないんだから。
先生が聞いてあげるって言うんだからちょっとこっちへ向いて。
ちゃんと聞いてあげるから続けなさい」。
「それで私は答えたんです。
『そうですか。
それはお気の毒でしたね。
ひょっとしてその方というのはこんな顔?』」。
「顔が消えてるぞお前!何ですかそれは!?ゆで卵ですか?あなた。
何つるんとして」。
「私はこの土地に800年住んでいるのっぺらぼう〜」。
「運動場10周!どうして先生が一回言っただけで分からないんですか?本当に。
ちゃんと出して下さい顔を」。
「こ…こんな事言われたの初めて。
私は…私はこの土地にずっと住んでいる…」。
「何泣いてんだ?どっから涙が出てるか分かりません!ちゃんとしなさいちゃんと!本当に運動場10周!行きなさい本当に!いいもの持ってるんだから。
雰囲気いいんだから。
振り返ってるかどうか分からないじゃないか本当に。
ちゃんとしなちゃんと。
何だ少しはいいもの持ってると思ったら…。
おいそこにも誰かいるのか?誰だ?そこにいるのは」。
「はい…。
私は23年前に体育教官室で殺された…」。
「おお〜いい表情だな。
君もうちのサークルか?先回りして先生に聞いてもらおうってのか。
分かった分かった。
ちょっと降りてきなさい降りてきなさい」。
「はあ?私は23年前に殺され夜な夜なここに現れ恨み晴らさでおくべきか〜」。
「降りてきなさい!どうして君たちは先生が一回言っただけで分からないんですか?何ですかその反抗的な目は!?先生うちのサークルだと思うから聞いてあげようと思ってんのに。
ちょっと目線が高すぎです。
さっきプリント配ったでしょう。
同じ目線でしゃべらなければいけません。
降りてきなさい。
何ですかその反抗的な目は!?あ〜君がそういう態度をとるんだったら先生も言わせてもらいますよ。
長い髪の毛校則違反です!結んで下さいちゃんと。
スカートも長すぎです!ふわふわしない本当に!どこ行くんだ?本当に。
しょうがないなどこ歩いてるか分からないじゃないか本当に。
しょうがないなめてんだなまだ。
本当にしょうがないな。
何ですか?この教室は。
ガタガタうるさいですよ。
帰る時間ですよ何ですか?この組は!」。
ガラガラガラガラガラ…。
「何が猫娘ですか?何考えてんですか?何がおおかみ男だ。
君に至っては何だこの傘がピョコタンピョコタン飛んできて。
おかしいでしょ傘がこうやって一つでボンボンやって来たら。
何ですか君たち何か勘違いしてませんか?そういう事…。
だからばあさん砂かけない本当に!さっきからガサガサガサガサするでしょう。
どうしてそこのおじいさんも小豆洗ってるの!?本当に。
おかしいです。
ちょっと部室に集合部室に集合です。
いいですか?何か大きな勘違いしてます君たちは。
もうじき発表会なんですから。
何ですか?『この教室から出てません』じゃないだろう。
『ちゃんと自習してました』。
そういううそつくんじゃない。
先生はこの目でちゃんと見ましたよ。
先生をねなめるんじゃないぞ本当に。
駄目駄目です!明日から厳しくやりますからね。
もういいです今日は。
はい起立!はい礼!はいさようなら」。
そういうふうに頭を下げる流石先生。
すると流石先生の首がゆっくりとズズズズ…ズズズズズズズズ〜ッと伸びたかと思うと教室の中をぐるっと回ると僅かに開いた窓の隙間からス〜ッと明け方の空に消えていきました。
「ちょっと知ってる?この学校」。
「聞いたわよ廃校になってからでしょう?」。
「そうなのよ。
どっからともなく大きな声で明け方になると『駄目だ駄目だ!』って声が聞こえてくるのよ」。
(拍手)それ!・「エーンさても一座の皆様へ」・「チョイト出ました私が」・「中村美律子と申します」・「ヨーホーホイ」はい!・「エンヤコラセードッコイセ」よくできました。
楽しいですね。
飲み込み早いですね。
いやいやもう是非本当にやぐら囲んでやりたいですな。
そうでしょう。
ねえ。
で浪曲なんですけども。
はい。
このお話をちょっとね伺いたいんです。
ありがとうございます。
私ねもともと歌が好きで歌手ずっとやってましたでしょう。
それである時まだ私メジャーデビューしてない頃の話ですけどこのままいったらヒット曲も…。
まだデビューしてない訳ですから何にもないんですよ。
せやけど私は歌を歌い続けていたいから何かないかなと思てた時に浪曲やったんですよ。
浪曲やったらいくつになってもできるやないですか。
そらまあね。
ねっ。
でまあ歌が歌える訳ですから節もちゃんとできるんですよ。
ただあんなふうにセリフをやったりとかっていうのは慣れてない事ですからせやけど今から勉強するんやったらこれやと思ってで周り見渡したら浪曲される方は結構年齢的には…な方ですから私じゃ若手で通るがなと思いまして。
それからです。
春野百合子先生のとこ行きまして弟子にして頂きまして。
第一人者の大師匠じゃないですか。
「樽屋おせん」とかね。
あうれしいな。
大好きでしたね。
おおきに。
でそれを教わりながらそれは今歌の中に生きててああやって歌謡浪曲にもね。
そこなんですよね。
だから私は浪曲でちゃんと舞台に立ってねできはしなかったけれども「河内おとこ節」がおかげさまで売れてきてしまって浪曲ほとんどしてない状態やってこれではいかんしせっかく教えてもろうた浪曲を無駄にせんとこと思ってそれで私のできる事は歌謡浪曲やという事でやっぱりこれからもね大切にしていきたいと思いますし今やらせて頂いてる演題のほかにもやっぱりもっと幅広くいろいろとやっていけたらというふうには思てますね。
美律子さんの歌謡浪曲はね定評あるし。
そんな事ないですよ。
ステージでも「瞼の母」はもちろんねこれはもう十八番でしょうしえ〜っとね「壺坂情話」。
はいありがとうございます。
「壺坂霊験記」をねやらせて頂きました。
それから「お夏清十郎」とか。
あらよくご存じで。
ありがとうございます。
・「可愛いお夏を」出た!・「小舟に乗せて」
(2人)・「花の清十郎に漕がせたや」よよよよ…。
いいですね。
だからこれ置いてあるんですよ。
こういう粋な歌も歌われるんや。
そうですか。
いやそれをまあ「お夏清十郎」。
この歌もあるしひばりさんの歌もあるしね今のは東海林太郎さんのね。
でそれをあの歌謡浪曲でお芝居仕立てというかね芝居も入れて美律子さんがやるとまたねあの悲しいお話ねえ。
ありがとうございます。
本当に涙が出ちゃうね。
最近はね一つまたね昔に一応CDにはなってるんですけどそれっきりやってないというのを最近やってるんですよ。
何なんですか?落語が出てくるんです。
あら何ですか?「桂春団治」をやらせて頂いております。
「春団治」を。
はい。
当然落語やるんですよ。
舞台で?はい。
落語は普通テレビで見てるもんで座布団ひいてはったよね。
確か扇子持ってはったよなとかね。
そこから始まるんですね。
改めてやるとなると。
いやまあそらね。
何かのネタですか?自分の事をちょっと言うてるという…。
ちょっとやりましょうか?ちょっとじゃあ。
「毎度おなじみの春団治でおます。
ハハハ…あすんまへん。
近頃はやりのあの蓄音機。
聞いてはる方はおもろいかもしれまへんが吹き込んでる方はなんぼおもろい話をしても相手は機械。
それに難しい顔した技師の姿しか見えんよって頼んのうていけまへん。
どうせやったらおもろうておいしい…いやお菓子ちゃいまっせ。
おいしい食べるレコード。
物言う煎餅っちゅうのをこしらえましてな」。
どんなですか?これ。
これいいねえ。
落語になってます?いやいやいや。
やっぱりこう…。
はいすいません。
あいえいえ。
噺家の口調になってもう引き込まれますね。
うそ。
いや本当に。
ほんまに?ありがとうございます。
そんな言うてもろうてうれしいです。
ちょっと自信につながります。
それを舞台でなさればお客さんも喜ぶわ。
また今度はねお客さんが何か一席小ばなしからねそんなものも聞いてみたいと思いますよ。
小ばなしね〜。
いややってみたいなと思います。
美律子さんそうやっていろんなもんにチャレンジするそういう精神がまた旺盛なんでしょうね。
っていうか結局何も分かってへんさかいできるのかも分かりません。
怖いと思うたら何もできへんもんね。
お客さんが楽しむ姿を見るとまたやりたくなるでしょう。
…だと思います。
美律子さんに芸人つっちゃ失礼かもしれないけれど。
いや芸人やと思うてます自分で。
私はね何か芸人の血を感じますね。
歌い手さんとかね役者さんとかね芸能人ってよく言われますけどそういう方に比べてよく芸人はね能がないから芸人になったとかそういう自虐的なギャグがありますけども私は芸人という言葉にね誇りを持っておりますよ。
芸があるから芸人でね芸なかったら芸人じゃない訳でして。
同じ字書くねんけど歌手と言われるよりは歌い手と言われる方が好きですし。
ああやっぱり。
ちょっと違う。
何かちゃうねんて。
我々もね噺家落語家とこれどっか違うんですよ。
落語家って言われると何かねピンと来ないっていうか。
ちょっとだけ硬なりますよね。
噺家って…うんもう私は噺家。
よう分かりますはい。
話はまたねちょっと飛ぶんですけれども私たちのね大阪の噺家の先輩にね桂文太さんというね。
もう〜はい。
聞いて聞いて。
私から言いたいわこの話。
だってねあの方10年前に目が見えなくなってしまってそれからあとね盲導犬が欲しいなと思われて私は実は「壺坂情話」というのは目の不自由な夫を支える妻の気持ちを歌ってるんで。
お里沢市。
はい。
毎年盲導犬を贈らせてもうてるんです。
ただ私の方からはどなたにあげて下さいというような事は言えないんで分からない誰に行くか。
たまたま5年前に3頭いっぺんに贈った時の中の1頭が文太さんに行ったんです。
いや同じ芸能界でこうして盲導犬使って頂く方ができてうれしいわなんて思ってましたらこの間文太さん独演会されましてね面白いんですよ。
その時もそのデイリー君っていうんですけど。
盲導犬の名前がね。
ワンちゃんの名前がね。
出囃子が鳴るとねパ〜ッとねお仕事モードに入るんですよこの子が。
分かってるんですね〜。
いや私もね何べんかご一緒したんですけどもまああのデイリー君がねちゃんと高座の袖でね待ってるあの姿を見るとね。
もちろん手かけちゃいけないからそれは分かってんですけどもいじらしくてね。
ほんまですね。
本当によく働いて。
文太さんがおっしゃってました。
「もしもね30秒でも10秒でもええ」と。
「もしもこの目が見えるならねもう嫁はんの顔も娘の顔も別に見たい事おまへん。
できたらこいつの顔をいっぺんでええさかい見てみたい」いうて涙流して言うてはる姿を見てねもう私胸いっぱいになって。
こうして盲導犬贈らせて頂いててもどなたに渡っててどんなふうに活躍してくれてるか私分からへんでしょう。
分かった時のこのうれしさっていうのはもう半端やなかったですね。
これからも頑張ってこれは続けていきたいとつくづく思いました。
それはもう大変な事だけども尊いですねそれはね。
頑張ります。
今日はいろんな楽しいお話を。
それからまた…。
何か意気投合しましたですね。
やっぱりね自分の芸にね鏡として映す事ができるっていう方はなかなかお話ししててもねそうはいらっしゃらない。
2015/09/13(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
柳亭市馬の演芸図鑑「中村美律子、立川真司、林家彦いち」[字]

落語家・柳亭市馬が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、立川真司の鉄道ものまね、林家彦いちの落語「熱血怪談部」。対談のゲストは中村美律子

詳細情報
番組内容
落語家・柳亭市馬が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、立川真司の鉄道ものまね、林家彦いちの落語「熱血怪談部」。対談のゲストは中村美律子。
出演者
【出演】立川真司,林家彦いち,中村美律子,【ナビゲーター】柳亭市馬

ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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