夢の扉+【坂口憲二▼100万人の命を救え!〜日本発、マラリアワクチン開発】 2015.09.13


私たちは人類を苦しめてきた…
3億人もの命を奪ったとされる…
しかしどうしても克服できない感染症が
世界中の科学者が
100年以上も撲滅に挑んできたが
いまだに…
そんな病と闘うため一人の日本人が立ち上がった
マラリアを防ぐ薬を作ることは
不可能に近いといわれてきた
しかし男は立ち向かう壁が高いほど燃えた
僕らはいつまで夢を見られるのだろう
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マラリアの中でも命に関わるとされているのが
熱帯熱マラリア
赤道付近の流行地域の中でも
被害が深刻な国の一つがこちら
この地に降り立ったのが…
日本を出てから目的地まで丸二日
この国で堀井が取り組んでいるプロジェクトがある
自ら開発した薬がこの最前線で効くのか?
それを確かめるためにやってきた
現地の病院ではマラリアを発症した患者たちが
次から次へと運ばれてくる
犠牲となる多くは小さな命だった
なぜマラリアで命を奪われるのは子どもが多いのだろうか?
そもそもマラリアの原因は
細菌でもなければウイルスでもない
では何なのか?
それは
…という寄生虫
この髪の毛の10分の1ほどの極小の寄生虫が
体に入り込むという
どうやって体内へ侵入するのか?
その運び屋は蚊の一種…
この蚊の中にマラリア原虫が寄生しているケースがある
蚊が血を吸うとき人間の体内へ唾液と一緒に
マラリア原虫を100個から200個送り込む
マラリア原虫はまず肝臓に取りつく
3日から1週間かけて…
…しながら形を変えていく
それは肝臓から飛び出した後
血液中の赤血球に寄生するため
やがて赤血球を次々に破壊していく
その破壊活動は全身に広がりながら
マラリア原虫はさらに増殖
赤血球が破壊されるときに
有害な物質が血液中に出ることで…
さらに感染した赤血球が血管に詰まることで
急性の腎不全や肺水腫
さらには脳の障害などを引き起こし
最悪の場合死に至る
今なお…
特に抵抗力の弱い子どもは犠牲になりやすい
危険な時期は…
蚊が大発生しマラリアの患者が急増する
当然現地の人は蚊に刺されないように
対策を講じているのだが…
サイズとしたら
たとえマラリアにかかっても
その症状に対処できる治療薬は存在する
それでもこんなにもたくさんの命が奪われるのは
どうしてだろう
母親として何もできなかった
その罪悪感に今も苦しんでいる
想像を絶する貧困社会
そこにはさらなる問題が潜んでいた
スタッフが潜入したのは町の中心から少し離れた市場
奥の倉庫に積まれていたのは
闇のルートで国外から持ち込まれた大量の薬だ
国が認可していない違法な薬が
正規より安く売られている
その売人に接触することができた
驚いたことに薬の中には
…も混ざっているという
貧しい人を食いものにする現実
堀井はそれが許せなかった
子どもがマラリアで熱を出して苦しんでるときに親はワラをもすがるつもりでこちらを買って飲ませるとこれを飲んでも治るわけではありませんたぶん亡くなられる方がたくさんおられると思いますでこういうものを生産したり販売したりするのは殺人行為ですよね
一刻も早くこの現状を変えたい
そこで堀井が開発しているのが
マラリアにかかったときに飲む薬ではなく
マラリアにかからないように予防するもの
一つの家族でお子さんが4人いらっしゃるとします一人当たり平均2回感染すると8箱要るわけですよそうするとそれだけで莫大な出費になって恐らく総収入の4分の1ぐらいになってしまうと思いますねワクチンだと一度打つだけそれで何年も効くはずですから
貧しくて薬を買えない人もワクチンならきっと救える
その画期的なワクチンとは一体どんなものなのか?
こちらは世界が注目するマラリアワクチン開発の最前線
その技術を学ぼうとマラリアに苦しむ世界各国から
研究者が集まってくる
現在堀井のワクチンには世界中が期待を寄せている
ところがかつてその思いを踏みにじられたことがあった
マラリア研究を始めた堀井
国から予算をもらう会議の場でこんな言葉を浴びた
堀井の心に火がついた
それでも堀井の味方をする出席者は少なかった
今では「国際貢献」と一言言えばそれで済むんですけれども
医療の国際貢献にまだ理解がない時代
何とか予算を獲得し堀井は走り始めた
しかしマラリアワクチンの開発は
…といわれていた
これまでイギリスやアメリカがその開発に挑んできたが
マラリアの…
劇的に効くワクチンはいまだ世界に存在しない
なぜそれほど難しいのだろうか?
そもそもワクチンは人間が本来持つ
…を利用する予防法
免疫システムは病原体が侵入すると
「敵だ!」と判断し
…を作りだす
体は一度攻撃した病原体を覚えているため
同じ病気にはかかりにくくなるという仕組み
これを利用したのが…
これをあえて体内に入れることで
抗体を作らせる
するとその病気に対する
強い抵抗力が生まれる
この方法で多くのワクチンが作られてきた
ではなぜマラリアの場合不可能に近いのか
なんとマラリア原虫には
抗体が攻撃すべき標的が数千種類も存在し
さらにそれが原虫ごとに異なるという
たとえ一つのマラリア原虫でワクチンを作っても
ほかの原虫が現れると標的が変わるため…
そのためにワクチン開発は
不可能に近いといわれてきた
その不可能に堀井は研究者人生を捧げてきた
しかし一体どうやって
莫大な種類があるマラリア原虫と戦うのか?
堀井はマラリア流行地にもかかわらず
…がいることに注目
ウガンダやソロモン諸島で彼らの血液を調査した
堀井は考えた
やはり…
…が存在するのでは?
手がかりがあった
かつてアメリカに留学していたときに
偶然発見したマラリア原虫のある標的
それは…
このSERAについて調べを進めると
驚くべきことがわかった
数千種類の標的を持つといわれるマラリア原虫だが
実はすべてにSERAという
同じ標的が存在するんじゃないだろうか
そこで堀井は世界中から
…を集め何百回と解析を繰り返した
するとすべての原虫が
確かに同じSERAを持っていることがわかった
もし本当に感染しなくなるんだったらそれは世界が変わることになると思います
「よしこのSERAでワクチンを作ってみよう!」
すべてが順調に進んでいた
研究を続けて15年あまりがたった頃
ついにワクチンが形になった
これでアフリカで臨床試験を進めれば
いい結果が出るはずだ!
ところが…
もう目の前真っ暗ですよね
マラリアのワクチン開発は不可能といわれ続けた中
ついに…
半年後堀井のもとに結果が届いた
データを教えられたときはもう目の前真っ暗ですよね理由がわからない想像もつかない「ああこれで人生終わりか」みたいな
いや…
諦めずにデータとにらめっこし続けた堀井に
あるひらめきが
ならばあまり感染していない…
SERAのワクチンは…
マラリアの犠牲者の多くは子ども
大人に効かなくても子どもに効いてくれれば
早速堀井は
…を行うことに
もしこれが効かなかったら…
堀井は祈るような気持ちで結果を待った
すると…
現在でも海外の研究で3割から4割しかない予防効果が
このときなんと…
嬉しさにも程があるだろうというぐらい嬉しかったですね
そして今回マラリアの一番の犠牲者である
5歳以下の子どもたちのための臨床試験に挑む
マラリアに苦しむ人々のため走り続ける堀井
支えとなるのは家族との時間だ
奥さんはアフリカに通う堀井を人知れず気遣っていた
もう毎回毎回これで最後かなとか思ってホンマかいな?えッホントに思ってんだよ一回最後の…例の行く前日のうどんすきを食べてたときに使ってたお茶わんが割れちゃってあのときはすごく嫌だったわ何でこんなときに割れるの?ってもう行っちゃったらねケロッとしてるんですよでもね行かないとダメだしわかってるしブルキナファソ
それでも堀井は行かなくてはならない
一人でも多くの命を救うため
いよいよマラリアの一番の犠牲者…
…が始まった
大丈夫大丈夫
(子どもが泣く)
(大声で泣き叫ぶ)おねむになったねごめんね〜
このワクチンは年齢層が低ければ低いほど
いい結果が出ると予測されている
1歳から5歳ですと感染防御という意味で8割を超える効果を期待してます
最終的な結果がわかるのは来年の12月だ
これだけ期待されてるから期待裏切っちゃダメだよねみたいな子どもたちの命を救うということは子どもたちがかわいそうだから救ってあげるだけの意味じゃなく親も救う社会も救う全体的にマラリアというものが与えてる負担というものを軽減するだけで随分アフリカの諸国というものは貧困から脱出できるんじゃないかと思います
世界中が待ちわびている堀井のマラリアワクチン
5年後を目指す実用化までには
様々な困難が立ちはだかるかもしれない
それでも堀井は挑み続ける
次回は独占!…
…が期待する一人
彼が挑むのは…
画期的アプローチ
山中教授と主人公が語る…
ナレーターは彼にバトンタッチ
最先端の技術展示会で「夢の扉」の主人公たちが
イノベーションの秘けつを明かします
2015/09/13(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【坂口憲二▼100万人の命を救え!〜日本発、マラリアワクチン開発】

世界最高レベルの発症予防効果!日本人研究者の挑戦

詳細情報
番組内容
エイズ、結核と並ぶ“三大感染症”の一つ、「マラリア」。
100か国余りで流行し、年間2億人以上が感染、100万人以上が命を落としている・・。
この世界的な感染症を撲滅しようと、一人の日本人研究者が立ち上がった!
大阪大学、堀井俊宏教授。
“不可能に近い”とされてきた『マラリアを予防するワクチン』の開発に約20年間挑み続け、臨床試験で、世界最高レベルの“72%”という発症予防効果を実証したのだ。
番組内容2
これまで、世界各国でワクチン開発が行われてきたが、その予防効果は、高くても40%以下。効果的なワクチンは、いまだ存在しない。
堀井のワクチンが承認されれば、“世界を救うマラリアワクチン”となる。
しかし、実用化までには、複数の臨床試験をクリアしなければならない・・。
さらなる効果を実証するため、堀井は、西アフリカのマラリア高度流行地域へと飛び立った。
出演者
【ドリーム・メーカー】大阪大学微生物病研究所 教授  堀井俊宏(62歳)
【ナレーション】坂口憲二
音楽
小田和正「やさしい雨」
公式ページ
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
公式ページ2
☆twitter
@yumetobiplus
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公式ページ3
☆facebook
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制作
【制作協力】TBSビジョン
【製作著作】TBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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