NHKニュース7 2015.09.13


一面、水と泥に覆われた街。
行方不明者の捜索が続いています。
きょう新たに、2人が遺体で見つかりました。
一方、3日ぶりに戻った自宅は。
こんばんは、ニュース7です。
関東や東北の記録的な豪雨。
鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では、きょうも自衛隊などが行方不明者を捜索しました。
こうした中、男性2人の死亡が確認されました。
このうち1人は、堤防が決壊した現場からおよそ1キロ離れた所。
もう1人は、およそ2キロ離れた所で、それぞれ見つかりました。
今回の豪雨では、堤防が決壊した三坂町の8つの自治区のうち、決壊現場となった地区も含め、6つの自治区に、事前の避難指示が出されていませんでした。
堤防の決壊から3日がたった茨城県常総市。
きょうも、行方不明者の捜索が続きました。
妻が行方を捜している、栗田要也さんの自宅です。
傾いた建物を確認する自衛隊員。
近所の人によりますと、堤防から水があふれてきたとき、栗田さんは、自宅脇の物置の屋根にしゃがんでいたということです。
栗田さんがあそこにいて、その建物が倒壊しちゃったんですよ。
どういう形でも生きていてくれればいいと思いますけどね。
きょうの捜索。
浸水被害に巻き込まれたと見られる人も相次いで見つかりました。
昼前、新石下の田んぼで、男性1人が心肺停止の状態で見つかり、その後、死亡が確認されました。
免許証から、県内に住む51歳の男性と見られるということです。
さらに。
時刻は午後2時40分です。
警察が遺体を発見したと見られます。
午後には、市内の三坂町の田んぼで男性1人が遺体で見つかり、身元の確認を進めています。
茨城県内の死者はこれで2人ですが、依然、15人の行方が分からなくなっているとして、警察などでは引き続き捜索しています。
多くの家が水につかった常総市。
使えなくなった家具や電化製品などが大量に出ています。
市内に3か所ある仮置き場は、午前中でいっぱいに。
常総市では、新たな仮置き場の設置を急いでいます。
ようやく水が引いて、3日ぶりに自宅に戻った人たち。
しかし、こちらの男性の家は。
芝生が植えられていた庭は、60個余りのタイヤが流れ着いていました。
一方で、家の周りが依然として水につかっていて、作業を進められない人もいます。
つくば市に避難している山口進さんと、一枝さんの夫婦です。
全部ひっくり返っちゃった。
2人はきょう、自宅の様子を見に、3日ぶりに戻ってきました。
山口さん夫婦は、老後の暮らしを考えて、3年前に自宅を新築したばかりでした。
家の中は、床からおよそ70センチの高さまで水の跡が。
買い替えたばかりの家電製品や、タンスが横倒しになっていました。
新しいうちにしようという、望みをかなえてやってみたんですが、まさか、水でこんな被害を受けるっていうのは、想定もしていなかったですね。
せめて床下であってほしいなぁと思って。
ショック受けました。
これからどうしようか、片づくまでが大変だと。
一部の地区で、行政の避難指示が遅れていたことも明らかになりました。
大雨で水位が上昇した鬼怒川。
午前6時過ぎ、常総市の若宮戸地区で、水が堤防を越えてあふれ出しました。
昼前の常総市役所では、職員が浸水被害などの対応に追われていました。
そして午後0時50分ごろ、若宮戸地区から5キロほど下流の三坂町地区で堤防が決壊。
ところが、この時点で地元の8つの自治区のうち、およそ1200人が住む6つの自治区には、避難指示が出されていませんでした。
常総市の高杉市長は、住民からの事前の通報があった2つの自治区には避難指示を出したが、当時、残りの6つの自治区にも指示を広げるかどうかの議論はなく、異論も出なかったと説明しました。
行政からの情報がない中、住民たちはどう避難を判断したのか。
避難指示が遅れた自治区の区長、渡邉操さんです。
渡邉さんは、当時、堤防の近くで川の状況を見ていました。
そこで突然、押し寄せる濁流にのまれたといいます。
もうだめかと、もうこれで終わりかなと思いましたね。
渡邉さんは、ヘリコプターで救助されました。
今回の豪雨、茨城県では2人が死亡、15人が行方不明となっています。
また、栃木県ではきょう新たに1人の死亡が確認され、死者は3人となりました。
被災地では大勢の人が厳しい生活を強いられています。
避難している人は、常総市の市民を中心に、少なくとも3600人に上ります。
停電は午後5時の時点で、およそ1万世帯。
断水も、浸水した東部地域のすべてで続いています。
こうした中、被災地を支援する動きがきょうも見られました。
バケツ1つ、ほうき。
体育館に集まった大勢の人たち。
日曜日のきょうは、多くのボランティアが、被災した地域を訪れました。
住宅の中や庭には、大量の泥です。
しゃべるでかき出し、袋に詰めていました。
同じく、記録的な大雨に見舞われた宮城県。
こちらの寺は、境内や墓地が水につかりました。
シルバー人材センターから手伝いにきた6人が、墓石の泥を洗い流しました。
支援は身近なところからも。
断水が続いている常総市。
地元の農家の男性が、自宅の井戸からくみ上げた水を、無料で配っていました。
常総市では、県やほかの自治体の協力を得て、給水車の数を増やしていますが、断水が解消されるメドは、今のところ立っていないということです。
そして、こんな動きも。
はい、トマト。
りんご。
飲料水や日用品などの支援物資。
近くの商店や個人の家など、地域から寄せられました。
自主的に窓口を作った地元の女性たちのグループが、訪れた人に配っていました。
被災地では、このあとも雨に注意が必要です。
関東北部では、このあとしばらくは、局地的に激しい雨が降るおそれがあります。
気象庁は、川の増水や土砂災害に十分注意するよう呼びかけています。
今回の記録的な豪雨では、各地で堤防が決壊しました。
最も大きな被害が出た鬼怒川の堤防を専門家が調査した結果、この堤防の裏側の地盤が、深くえぐられていたことが分かりました。
専門家は、堤防を越えた川の水が地盤や斜面を削り、決壊につながった可能性が高いと指摘しています。
鬼怒川の現場を訪れた、河川や地盤の災害に詳しいおよそ20人の研究者。
堤防の壊れ方や、周辺の地形の変化などを詳しく調べました。
調査の結果、決壊した堤防の裏側の地盤が、深くえぐられていたことが分かりました。
山田教授が考える、堤防が決壊したメカニズムです。
川の水位が少しずつ上昇し、堤防を越えます。
川の水が裏側の斜面などを削り、堤防の幅が小さくなっていきます。
そして、強度が低くなり決壊。
大量の川の水が一気に流れ出し、地盤を深くえぐったうえ、住宅地に流れ込みました。
山田教授は、なぜ鬼怒川でこの区間だけが決壊したのか、今後シミュレーションを行うなどして、詳しく調べたいとしています。
次は、埼玉県警の警察官が、男性を殺害したとして、逮捕された事件です。
警察官は、去年公務で男性の自宅を訪れたことがあり、金庫の場所を覚えていたと供述していることが警察への取材で分かりました。
警察は、事件の計画性などを調べています。
殺人などの疑いできょう、検察庁に送られた埼玉県警の巡査部長、中野翔太容疑者。
今月4日、埼玉県朝霞市の住宅で、寺尾俊治さんが首を絞められて殺害されているのが見つかりました。
ロープで首を絞めたことを認める一方、殺意については、否認しているという中野巡査部長。
調べに対して、現金を奪う目的だったという内容の供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かりました。
警察官になって13年余りの中野巡査部長。
このうち8年6か月は、刑事の部署に配属され、殺人事件などを担当する県警本部の捜査1課で勤務していたことも。
一方で、これまでに2回の処罰を受けたことがあるということですが、警察は内容について明らかにしていません。
その中野巡査部長。
被害者の寺尾さんとの間にはどんな接点があったのでしょうか。
埼玉県警によりますと、去年10月、寺尾さんの父親が病気で亡くなった際、地元の警察署で刑事課に所属していた中野巡査部長が、検視のため、ほかの署員と自宅を訪れていたということです。
中野巡査部長は調べに対して、家にあった金庫の場所を覚えていたと供述していることが、警察への取材で分かりました。
金庫は、寺尾さんが死亡していた住宅の1階にありましたが、扉が開いた状態で、中に現金は入っていませんでした。
警察は、中野巡査部長があらかじめ、現金があることを知ったうえで犯行に及んだのではないかと見て、事件の計画性などを調べています。
先月、タイの首都バンコクで起きた爆弾テロ事件。
警察は新たに、中国籍のウイグル族の男の逮捕状を取りました。
警察はウイグル族のグループが、組織的に関わっていた可能性があると見て捜査しています。
20人が死亡、120人以上がけがをした爆弾テロ事件。
現場の監視カメラには、黄色いシャツの男がリュックサックを置いて立ち去る様子が映っていました。
警察は、事件に10人以上が関わったと見て捜査し、これまでに外国人の男2人を逮捕しました。
そのうちの1人が、爆弾を黄色いシャツの男に渡したと供述。
さらにこの男は、イザーンと呼ばれる男の指示で爆弾を渡したと供述しています。
このイザーンという男。
警察はきのう、爆発物の不法所持の疑いで、イザーンこと、アブドゥサッタル・アブドラフマン容疑者の逮捕状を取りました。
事件の首謀者の可能性があると見ています。
アブドゥサッタル容疑者は、中国籍のウイグル族。
逮捕された別の容疑者も、パスポートからウイグル族と見られています。
中国の少数民族でイスラム教を信仰するウイグル族。
中国政府の抑圧的な統治政策から逃れるため、ここ数年、タイなどを経由して、民族的に近いトルコを目指す動きが広がっています。
これに対して、タイ政府は、ウイグル族の人たちを相次いで不法入国の疑いで拘束。
ことし7月には109人を、強制送還しました。
こうしたタイ政府の対応に、海外に逃れたウイグルの人たちの間に、怒りが広がっていました。
今回の事件では、複数の容疑者の銀行口座に、日本円にしておよそ470万円が海外から振り込まれていたことが分かりました。
警察は、ウイグル族のグループが組織的に関わっていた可能性があると見て捜査しています。
北朝鮮が、拉致被害者などの調査委員会を設置して1年以上がたちますが、帰国につながる進展はありません。
被害者の家族はきょう、大規模な集会を開き、すべての拉致被害者の一括帰国に向けた取り組みを、政府に強く求めました。
安倍総理大臣は、拉致被害者らの調査結果の報告がいまだにないことは極めて遺憾だとしたうえで、次のように述べました。
このあと、一人一人が訴えました。
集会では最後に、政府に対し、拉致被害者の一括帰国を、北朝鮮に要求し続けるとともに、それが実現しなければ、去年の日朝の政府間合意を白紙にすると通告すべきだなどとする、大会決議を採択しました。
では、ニュースを続けます。
日本、中国、韓国の農業担当の閣僚会合が、3年5か月ぶりに東京で開かれました。
会談では、国境を越えて感染が広がるおそれがある鳥インフルエンザなどへの対策を強化するため、3か国が連携して、ワクチンの研究開発などに取り組むことなどで一致しました。
日本とブラジルの外交関係樹立から、ことしで120年。
記念の花火祭りがサンパウロで開かれ、およそ4500発の花火が夜空を彩りました。
花火玉は、ブラジルの会社が特別に作り、日本の花火師たちが打ち上げました。
日本とブラジルの国旗を色でイメージした花火が浮かび上がると、訪れた人たちも大喜びでした。
沖縄県の久米島沖の日本の排他的経済水域でけさ、中国の海洋調査船が、事前の通報と異なる海域で調査を行っているのが確認されました。
船体の後部から、ワイヤーのようなものを垂らして航行し、およそ1時間後に、ワイヤーのようなものを回収しましたが、その後、午後3時前までに、日本の排他的経済水域で、3回にわたって同じ動きを繰り返したということです。
中国の海洋調査船が久米島沖の排他的経済水域で確認されたのは、ことし6月26日以来です。
およそ300人の親子が参加した綱引き。
相手は、けさインドから到着した旅客機ボーイング787型機。
重さはおよそ170トンです。
20日の空の日にちなんで、成田空港会社などが開きました。
全員で力を合わせて、およそ20メートル動かすことに成功しました。
大相撲秋場所は初日に波乱です。
満員の観客が見つめる結びの一番で、36回目の優勝を狙う、横綱・白鵬が敗れました。
ことしに入って、満員御礼が続く大相撲。
きょうもチケットは、朝のうちに売り切れました。
白鵬は、部屋の土俵が場所前使えず、いつもと違う出稽古での調整を強いられました。
小結の隠岐の海には、これまで12戦全勝です。
踏み込みは隠岐の海。
ちょっと引いた、白鵬。
左四つか、上手はどうか、上手はどうか?上手は、上手、巻き替えた、白鵬、寄り切り。
白鵬、初日黒星スタート。
首を横に振りました。
隠岐の海がやりました。
白鵬は、巻きかえで体が起き上がっちゃったと、淡々と振り返りました。
朝赤龍は、およそ3年ぶりに幕内に復帰した初日を白星で飾りました。
逸ノ城は新入幕から1年の今場所、これまでと違う姿で土俵に上がりました。
逸ノ城は初めての大いちょう。
前に出る、逸ノ城、あー、はじき飛ばしました、逸ノ城の勝ち。
快勝の逸ノ城。
大いちょうについては、ちょっと似合うと思うと、笑顔でした。
4大関はそろって白星。
横綱の鶴竜は、小結の栃ノ心を退けました。
プロ野球・西武の秋山翔吾選手が、史上6人目となるシーズン200本安打を達成しました。
秋山は5年目の27歳。
今シーズン、西武不動の1番に定着しました。
シーズン200本安打まであと1本に迫り、きょうの第3打席。
これがヒットとなり、プロ野球6人目のシーズン200本安打を達成しました。
秋山、次は阪神のマートンが持つ、シーズン最多安打記録214本の更新にも期待がかかります。
ただ西武は、秋山の記録達成を勝利で飾れませんでした。
優勝へのマジックナンバーを4としているソフトバンクは、延長戦を制して7連勝です。
ヤクルトは引き分けで、セ・リーグの単独首位に立ちましたが、上位3チームが0.5ゲーム差の中にひしめく大混戦です。
気象情報は菊池さんです。
こんばんは。
浸水被害のあった被災地では、今夜は念のため、急な雨に注意をしてください。
このあとの予想です。
活発な雨雲は、海上を東へと進んでいきそうです。
陸地の雨は局地的ですが、雨の予想の出ていない所でも、急にざっと降る所があるでしょう。
今夜はところどころで一時雨が降りそうです。
そしてあすの天気はどうでしょうか?
あすは高気圧に覆われてきますから、全国的に晴れるでしょう。
この高気圧、秋の涼しい空気を連れてきます。
あすの朝は気温が下がりそうです。
あすの最低気温を見ていきましょう。
各地とも20度以下となる見込みです。
けさよりも2度から3度前後低くなるでしょう。
名古屋、5度も下がりそうです。
薄着だと肌寒く感じるでしょう。
では、あすの天気を詳しく見ていきます。
お伝えしていますように、今回の記録的な豪雨で、鬼怒川の堤防が決壊した茨城県の常総市では、きょう2人の遺体が見つかりました。
これで茨城、栃木、宮城の3県で死亡した人は、合わせて7人になりました。
2015/09/13(日) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽記録的豪雨・堤防決壊 現地は ▽大相撲秋場所 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】中山庸介,【気象キャスター】菊池真以

詳細情報
出演者
【キャスター】武田真一,【サブキャスター】中山庸介,【気象キャスター】菊池真以

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