「この国は個別的自衛権でも守れるんです!なんでわざわざ集団的自衛権が必要なのか。そんなに米国の機嫌が取りたいですか。米国はもちろんわれわれの友だちで同盟国ではあります。でもやはり間違ってる、違ってる、そういうことは友だちでもちゃんと言えなくちゃおかしいと思います」——。

 雨の国会前が歓声に包まれた。安保法制をめぐる国会審議で、2015年9月17日、与党・安倍政権は参議院の特別委員会で突如、強行採決という暴挙に出た。しかし議事録にも記録がなく、野党は裁決無効を訴えている。舞台は参議院本会議に移り、与野党の攻防が続く。そんななか、昨日から夜通しの抗議が行われている国会前に、午後8時半、俳優の石田純一さんが突然登場し、スピーチした。

 石田さんは、先の大戦で日本兵20万人のうち18万人が飢えや病気、銃弾で命を落としたインパール作戦など、過去の戦争の惨禍をあげ、「戦争は文化ではありません!」と訴えた。自身の「不倫は文化」という物議を醸した発言にちなんだ言葉に、聴衆からはどっと歓声がわき起こった。

 終始、明るい口調で堂々とスピーチした石田さん。その動画と全文文字起こしを以下、掲載する。(佐々木隼也)

新規会員登録  カンパでのご支援

一般会員の方で、サポート会員への変更をご希望される場合は、会員ログイン後、画面上部の会員種別変更申請からお進み下さい。ご不明の際は、shop@iwj.co.jp まで。

石田純一さん国会前抗議でのスピーチ全文

「雨の中お疲れさまです。

 われわれは、いろんな歴史をずっと続けてここまでやってきております。中には諸外国から問題になっている、そういう時期もありました。ただ僕たちが言えるのは、今ここで、いろんな方の意見があるという、そういう国、まだものを言える国、そういうことは僕たちはまだまだ救いがあると。そして、こんなにたくさんの方が毎日、毎日、(抗議の声をあげている)。今日も、僕は京都も見てまいりました。京都でもすごく、河原町通り、デモをやっておりました。

 やっぱり、ここ何年も政治やなんかに無関心で何も言ってこなかった人たちでさえ、こうやって立ち上がっているんです。

 一つだけ言いたいことがあります。攻められたらどうするんだ。そういうことをいろんなツイッターやメディアでも聞きます。でもそれは、われわれが今まで、自民党と言えども多様性があって、個別的自衛権、攻められたらそこで周辺事態でなんとかなるわけですよ!(拍手)ここへきて、確かにアメリカは同盟国でありますけども、わざわざ中近東に行って、その彼らを助ける必要があるのか。ないですよね。

 われわれは世界が誇る平和国家です。戦後70年たちました。これを100年、150年していきたいと思います。(拍手)われわれの子どもたち孫たちがずっと平和で暮らしていけるように、この国を守るというのは個別的自衛権でも守れるんです!なんでわざわざ集団的自衛権が必要なのか。そんなにアメリカの機嫌が取りたいですか。

 アメリカはもちろんわれわれの友だちで同盟国ではあります。でもやはり間違ってる、違ってる、なんかそういうことは友だちでもちゃんと言えなくちゃおかしいと思います。

 先の世界大戦で皆さま、310万人の尊い命が亡くなっているんですよ。一説では400万人とも言われています。最後の大空襲からポツダム宣言をやっぱりスルーして、その間何十万人と一般の人が亡くなっている。インパール作戦では20万人も日本兵がアジアに出て行って、帰ってきたのは2万人です。18万人が飢えと病気とそして戦争で、弾丸でも亡くなっている。

 戦争は文化ではありません!(どっと歓声がわく)

 絶対にわれわれは誇るべき平和をずっーと、もう一度言います、70年、80年、100年、続けていこうではありませんか。よろしくお願いします」

(須原拓磨、遠田哲也、佐々木隼也)

IWJのこうした取材活動は、皆様のご支援により直接支えられています。ぜひIWJ会員にご登録いただき、今後の安定的な取材をお支え下さい。

新規会員登録  カンパでのご支援

一般会員の方で、サポート会員への変更をご希望される場合は、会員ログイン後、画面上部の会員種別変更申請からお進み下さい。ご不明の際は、shop@iwj.co.jp まで。

■関連記事(岩上安身インタビュー)

■関連記事