ドラマ「シメシ」 第2話【村上淳×林遣都×愛加あゆ】 2015.09.16


(池山樹里・ナレーション)
昼の忙しさが夜のにぎわいに変わる頃
都会の喧騒の奥の奥
この店はその日唯一のお客様を出迎える

ここを訪れることができるのは今まさに人生の岐路に立たされた人だけ

店の名前は「LeBonVivre」
フランス語で「よき人生」
いらっしゃいませ。
(植松)どうも。
植松様ですね?
(植松)はい。
どうぞ。
扉が閉じられる
それから数時間の後…
ありがとうございました。

と…ここまでの物語
ここはこの世から失われた料理を再現することができるレストラン
ここで振る舞われる料理は立ち止まってしまった人生を再び動かす力を持つ
それは始まりの飯「シメシ」と呼ばれている
どうぞ。
メールで何度かやり取りさせていただいたオーナーの池山です。
どうも。
皆さんそうやって驚かれます。
なかなかございませんもんねこういったお店は。
はい。
それでは早速ですがこちらのメニューを。
今回植松様がご希望する料理はこちらでお間違えございませんか?はい大丈夫です。
植松様がこちらを食されたのは…7年前の2008年11月でよろしいでしょうか?はい。
僕が18のときです。
高校の野球部の監督が自宅で振る舞ってくれた鍋ですよね?はい。
監督にはよくしてもらったんですけど最近ちょっと…連絡を取っていなくて。
監督は北原利光さん。
こちらの方ですね?はいそうです。
北原監督です。
それではもう少しだけお話をお聞きしてもよろしいでしょうか?はいお願いします。
北原監督はどのような…。
(小瀬清)植松俊介25歳。
「湘南ブルーアストロズ」に所属するプロ野球選手です。
植松さんは石川県の古豪日本海高校を卒業後ドラフト2巡目にピッチャーとして指名され今の球団に入団されたようです。
2年目には11勝を挙げ大きな期待を浴びました。
しかし4年前に肘の靭帯を損傷。
そこからは1軍と2軍を行き来しついに今年戦力外通告を言い渡されています。
(寺屋敷錬一)なるほどね。
今後はトライアウトを受け新しい球団を探すつもりのようですね。
俺さ野球詳しくないからあれだけどもしどこの球団からも引っ張られなかったらどうなるの?う〜ん…運よくコーチになる以外は野球とはきっぱり縁を切って新しい仕事を見つけなきゃですかね。
正直今の状況ではトライアウトを通過するのは難しいのではないかともっぱらの評判です。
そう…。
まあ若いし。
本人しだいだね…。
差し支えなければなぜこれを召し上がりたいのかお聞かせ願えますか?それはドラフトでプロになることが決まった冬のことです。
北原監督の家に呼ばれたんです飯食いに来いって。

(久子・回想)えっちょっと…えっ?それ入れるの?
(北原)うるさいな〜。
これがうまいんだよ!
(久子)ああっ!あっ…。
ふふふっ。
ふ〜ん
(北原)ああ〜…。
俊介1杯やるか?
(久子)やだやだちょっと!何やってんのよもう!俊介君はねこれからプロになるのよ。
バカなんじゃないの?
(北原)冗談に決まってるだろ。
なあ?
(久子)ほんとによくこれで監督が務まるわよね〜
(北原)おっ出来たか!
(久子)あっ出来た出来た!はい…どうぞ!
(俊介)ありがとうございますいただきます俊介どうだ?うまいか?おいしいですだろ〜!うちのはと・く・べ・つ…だからな!なんか食感がプチプチします早くお前と酒飲みたいわよく分からないですけど今まで食べた雪見鍋と違ってなんか食感がプチプチしてたんです。
プチプチ?
(植松)それがすげぇおいしくて。
大人の味だなぁって。
俊介はい俊介!あっはいお前はよく頑張ったないえ…。
これからですいや〜大したもんだよ今だから言うけどなお前は人一倍才能に恵まれてなかったはい
(北原)足も速くない。
持久力もなかったですね
(北原)でも…お前は誰よりもひたむきだった。
ひたむきにさずっと努力を惜しまなかった。
誰よりも汗をかき続けたんだよ
(北原)おい俊介!はい!お前なんで頑張れた?母ちゃんのためだろ?母には僕しかいませんので
(北原)そうだよな〜そりゃあ…孝行息子だ…でも僕が頑張れたのは…あっ…
(久子)あららら…ごめんね遅くまでいえ
(久子)最近ねいっつもこうなのよ。
話しながら寝ちゃうの
(植松)あははっ
(久子)ふふふっ。
年かもねこの人ねうちにいるときいっつも俊介君の話するのよ入部したときからえっ?
(久子)俊介がどうしたうまくなった球種が増えたんだよ!とかねあっ…口に出しては言わないけどこの人息子が欲しかったのかもね。
おばさんさ体が弱かったから子供は…ダメだったのよねだからかな…そういう思い俊介君に重ねちゃってるのかもね今悩んでまして。
野球を続けるべきかそれとも…。
そしたら妙にあの鍋のことを思い出して。
もしかしたら監督にいろいろぶちまけて相談に乗ってもらいたかったのかもしれません。
でも…監督の奥さんが亡くなったとき俺ケガで余裕がなくて不義理してしまったので合わす顔がなくて…。
分かりました…。
それでは調理に入らせていただきます。
小瀬君。
始めますか。
雪見鍋。
石川県の郷土料理ですね。
私食べたことないな〜。
すりおろした大根がたっぷりとのせられてるのがこの鍋の特徴です。
そんな様子を雪景色に見立てて「みぞれ鍋」とも呼ばれています。
ただ家庭によって使う具がさまざまなのがちょっと厄介かもしれませんね。
豆腐や鶏肉季節によっては牡蠣旬の魚例えばブリなんかも具材になるんですが今回は依頼者の当時の記憶をたどり石川産のものを中心に食材をそろえました。
プチプチ…。
えっ?なんだろうな…。
えっ?いやプチプチ。
あっ…。
食感がプチプチします魚卵であることには間違いないんだろうけどな。
そうっすね…。
このへんではないかと…。
う〜ん…タイの子は春だしなぁ。
順当に考えればタラの子あたりですかね。
そうなんだけど「特別」って言葉がな…。
石川県ですよね。
石川県…。
あっ!そうか。
シェフなんですか?それ。
フグの子のぬか漬け。
えっ?それって猛毒なんじゃないんですか?生のやつには毒性の高いテトロドトキシンってのがたんまり入ってるよ。
それを2年以上かけて塩漬けとぬか漬けにすることでゆっくりと毒素を抜いていくんです。
そもそもフグの卵巣は食品衛生法で食用は基本的に禁止されてるんですが石川県のごく一部の地域でこの加工法でのみ食用として製造することが認められている珍味中の珍味なんですよ。
へえ〜…。
日本酒のアテとしては最高峰だろうな。
あっそういえば…。
早くお前と酒飲みたいわまあこれだな。
よしやろう。
うん。
お待たせしました。
オーダーいただいた「恩師の雪見鍋」です。
どうぞお召し上がりください。
いただきます。
(北原)おい俊介!はい!お前なんで頑張れた?母ちゃんのためだろ?母には僕しかいませんので
(北原)そうだよな〜そりゃあ…孝行息子だ…でも僕が頑張れたのは…
(植松)僕が頑張れたのはあなたが僕を信じてくれたからです。
よ〜し!俊介
(植松)はい腕振れるようになってきたな
(植松)はい!ボールだったけどいいんだよそれで自信持って!なっ!自分信じろ!
(植松)はい!オッケーオッケー。
その感じなよしよし!リズム!
(植松)
あなたが信じてくれたから僕は今まで頑張れたんです
(北原)はい正確に!よ〜しふんばった!オッケー!いかがでしたか?ほんとおいしかったです。
それは何よりです。
感謝の気持ちを伝えたいのでシェフを呼んでいただいてもいいですか?かしこまりました。
シェフの寺屋敷とセカンドの小瀬です。
小瀬です。
今日はありがとうございます。
ほんとにおいしかったです。
で…。
はい。
やっぱり捨てるの怖いっすか?野球。
野球だけの人生だったんで。
なるほどね…。
一つ聞いてもいいですか?野球が教えてくれたことって何かあります?野球が教えてくれたこと…。
(北原)おいどうした〜?もうバテたか〜?はいすぐに戻って〜!うっ…。
はぁはぁはぁ…立てはぁはぁ…いいから立て!誰も助けてくれんぞマウンドでは一人だだから自分の足で立つんだよ。
自分の足に自分の力を込めて立ち上がるんだよ!俊介。
倒れることは誰にでもあるだけどそんなことは問題じゃない大事なのは…どう立ち上がるかだそこに答えがあるんじゃないんですかね。
これからの。
どうぞ。
ありがとうございました。
・俊介!監督…。
ご無沙汰してしまって…。
俊介…お前…。
酒は飲めるようになったか?はい!少しは…。
じゃあ飲みに行くぞ。
どっか連れてけ。
東京は分からん!はい!監督お持ちします。
(北原)ピッチャーは右手は重い物は持たないんだよ。
(植松)すみません。

これがその日「LeBonVivre」で起こった物語
最近は新曲を出すこともなく…。
私の歌はもう誰にも求められていません。
オムライスを再現しご提供させていただきます。
おじいちゃん…。
今日お前が作ってみるか?よし。
うん。
2015/09/16(水) 10:25〜10:54
MBS毎日放送
ドラマ「シメシ」 第2話[再][字]【村上淳×林遣都×愛加あゆ】

「恩師の雪見鍋」▼人には誰でも忘れられない味がある…『もうこの世には存在しない料理』を再現する不思議なレストランがあったら、何を注文しますかー

詳細情報
◎このドラマは…
レストラン「ボンビーブル」ここでは特別な料理を振る舞っている。
それは『もう、この世にもう存在しない料理』

ーー「亡き祖母の手料理」「今は跡形もなくなった老舗レストランの料理」「材料がもう取れなくなった幻の料理」など…

葛藤や悩みを抱え人生の岐路に立たされた人達は、ここで再現された料理を食べることによって、再び、前を向いて新しい人生を歩み始める。

“始まりの飯”=「始飯(シメシ)」なのだ
番組内容
プロ野球選手の植松俊介(深水元基)は、ここ数年故障が続いていた。将来について思い悩む植松は、高校時代の恩師である北原監督(ダンカン)が作ってくれた「雪見鍋」を思い出し、それをもう一度食べたいとレストラン「ボンビーブル」を訪ねて来たのだった…。
出演者
寺屋敷錬一(「ボンビーブル」・シェフ)…村上淳
小瀬 清(「ボンビーブル」・アシスタントシェフ)… 林遣都
池山樹里(「ボンビーブル」・オーナー)…愛加あゆ

植松俊介…深水元基
北原監督…ダンカン
ほか
スタッフ
【監督】小川弾
【脚本】金沢知樹
【企画プロデュース】大澤剛
音楽
【主題歌】
Ms.OOJA「花」
制作
【製作】シメシ製作委員会/MBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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