ひるブラ「あぁ懐かしの青函連絡船〜青森・青森市〜」 2015.09.16


生字幕放送でお伝えします
きょうは懐かしい「ひるブラ」。
東北・青森市の空、晴れてます。
この空のもと、青い海に浮かぶこの黄色い船・八甲田丸がきょうの舞台となります。
八甲田丸は北海道の函館と青森を結んだ船。
この船をきょうは、たっぷりと楽しんでいただこうと思います。
私、船の上で手を振っています。
分かりますか?この青函連絡船八甲田丸、27年前に連絡船としての役目を終えたあとは船のまま博物館として保存・公開されているんです。
この階段、見てください。
27年がたち老朽化が進んでいたんです。
ことし中に改修工事が完了します。
郁恵さん。
青函連絡船乗ったことありますか?
たぶんですけど、一度修学旅行のときに乗ったんではないかと記憶を一生懸命たどってますけどたぶん、1回は乗ってます。
きょうは、ぜひ懐かしんでいただきたいと思います。
ドラを持ってやってまいりました郁恵さん。
これ、かつてこの連絡船では出港の合図がこのドラだったということなんですね。
船内中をボーイさんがドラを鳴らしながら歩いていたそうなんですよね。
この青函連絡船ものすごい活躍だったんですね。
青函連絡船は青森と北海道の函館を片道およそ4時間で結びました。
歴史は長く明治41年から昭和63年までの80年におよびます。
最盛期の昭和47年には八甲田丸を含めて13隻の連絡船が活躍。
客と貨物を1日30運航で運んでいたんです。
まさに日本の大動脈の一つといえる存在だったんです。
そんな青函連絡船が青函トンネルの完成に伴って役割を終えたのは今から27年前の昭和63年3月13日のことです。
最終航海の客席は満席。
桟橋は名残を惜しむ人たちであふれかえりました。
連絡船の終わりを惜しんだのは利用客だけではありません。
最終航海に出発する前には船員さんが参加して終航式というセレモニーも行われました。
利用客にとってもそして、運航を支えた船員にとっても連絡船は特別な存在だったのです。
今のVTRの最後に映っておりました八甲田丸の元機関長で今はボランティアガイドをしています葛西鎌司さんに来ていただきました。
終わった瞬間、葛西さんどんな、お気持ちでしたか?
やり遂げたという満足感、そしてこれで終わりだという一抹のさみしさがありました。
それだけ愛着のある仕事だったということですよね。
さて、私たちは船の内部、車両甲板という場所に来ました。
物流の大動脈だったことが分かる場所なんです。
郁恵さん、これ、鉄道の車両貨物列車です。
連絡船ならではの場所で陸上の線路から直接、貨物列車を載せられるようになっていたんです。
これが、連絡船の最大の特徴です。
郁恵さん、運んだものは郵便物、そして牛や馬などの家畜。
また、なんと現金までお金まで運んでいたというんです。
3日、運航がないと北海道の物価が2倍になるということまでいわれていたんですね。
すごい大切だったんでしょうね。
そんな青函連絡船きょうは特別に非公開の場所をご覧いただこうと思います。
その多くが乗組員用の風呂や食堂の生活スペースなんです。
そこを見ていただきますとへえと言ってしまうような船員たちの暮らしを体験できます。
なぜ、専用のお風呂や食堂があるのかというと船で暮らす生活を送っていたからなんです。
葛西さんのある日の勤務です。
勤務時間が長い日だったんですけどなんと、20時間勤務です、1日。
函館を出発して4時間、4時間、4時間2往復。
なんと下船するのが翌日の午後4時5分ということなんです。
当時の船員は船に住んでいたといっても過言ではありません。
長時間勤務のために生活設備が必要だったんですね。
その生活を癒やすリラックススポットからご紹介したいと思います。
私たちがやってきたのは船員の皆さんのお風呂でございます。
リラックスする場所ですね。
今は、郁恵さん。
非公開なんですけど、実は30年前から全く変わらないままで残っているということで結構、広い空間なんですよね。
ただ、見てもらいたいものがこちらでございます。
そのまま残ってる手付かずのシャンプーなんですが見覚えありますか?
あります、あります。
昔ありましたよね。
そして、このお風呂普通のお風呂と違う特徴があります。
この出っ張り郁恵さん、なんだか分かりますか。
もしかして、湯船に入るのに足場?
きましたね、郁恵さん。
私が実践しますよ。
ここに足をのせ、そして私の体が入湯です。
当たりました。
足をかけて入るんですよね。
なぜ?またごうとすればまたげますよね。
なぜあるかといいますとこちら、中を見ると深いんですよね。
私の身長183cmあるんですがちょうど、私のももぐらいまでは浴槽に入ってしまってる状態なんです。
なんで、そんなに深いの?
というのが船なので海が、しけで荒れたときにお湯が、ざばんとこぼれないように深めに作ってあるそうです。
お湯はそんなにたくさんは入ってなかったんですね。
でも、これしかも、入るときにもしけた海ならではの入り方があるんです。
葛西さん、お願いします。
ここに2人で入りますね。
向き合っております。
お湯が揺れます。
体も揺れます。
それを支えるために両手でしっかりと支えて入ると。
踏ん張る形で入るんですね。
しかも向き合って…。
これ、結構リラックスする場所なのに緊張感がありますね。
入ってるときって、葛西さん。
このお風呂は船員さんにとってはどんな場所ですか?
勤務を終えて船を降りるときおかに飲みに行くという話をしながら仲間と入っていました。
大変、楽しいところですね。
リラックスしながら憩いの場なんですね。
気持ちいいです。
絶対、一人では入らないんですね?
2人みたいですね。
郁恵さん。
続いても非公開スペースです。
船員の憩いの場所。
こちらは食堂になります。
こちらも27年間手付かずなんですね。
その証拠をご覧いただこうと思います。
最終運航の日27年前の献立がそのまま書かれたまま残されています。
注目してもらいたいのは夕食のうなぎ定食。
豪華ですよね。
葛西さんによりますと長い船員生活でこんな豪華なメニューが出たのはこのときだけだったそうなんです。
さらに、この食堂でも同じく、しけ対策がなされていたということなんですね。
ちょっと郁恵さんにご紹介したいと思います。
これ、食事の模型ですけどテーブルクロスを敷いて当時の船員たちは食事をしていたんですね。
しけ対策、どんな対策が施されているでしょうか?テーブルクロスを見てください。
ぬれてますよね。
これ、霧吹きでぬらしていたんだそうです。
ぬらすことによって滑らないような対策をしていたということなんですね。
別にテープで止めるとかそういうわけじゃないんですね。
連絡船ならではですよね。
私たち戻ってまいりました。
ここは皆様にとっては家みたいなものなんですね。
非常にプライベート空間がたくさんあります。
その中で、ここからいくとある場所に連絡船のこの職場ですけど船乗りの皆さんにとって楽しい職場の空間だった場所があるんですね。
今から2人で行ってみたいと思います。
すぐ近くに、楽しくくつろげる場所といいますとここ、お部屋なんですけれどもふだんは、船長さんそして、高級士官の方々の部屋というのは公開されているんですが一般船員の方々の部屋っていうのは非公開なんです。
なので、見ていただくことも非常に貴重だということで。
まず見てもらいたいのがベッドも非常にコンパクトにできてましてここに縁がついてますよね。
これも先ほどのお風呂同様海が、しけたときに転がって落ちないようにということで柵がされているわけですよね。
また、30年前から変わってないものがあります。
船員の方々の荷物は撤去されているんですけどここ、開けるとまだ、そのころの名残が…マッチです。
住所が函館市になってます。
葛西さん。
函館・大門の居酒屋のマッチです。
船から降りたら居酒屋に行こうと話し合ってたそこの居酒屋さんですかね。
これ、居酒屋行くときにいつも着て行ってるものがありましたよね。
ゴショウギです。
なんて言ったか分かりますか?ゴショウギといっているんですけど船員用語で一張羅のことなんです。
英語でいいますとGoonshoreといいまして陸に上がったときに着る着物という意味なんですね。
それで、ゴショウギといっているんですけれどもこのゴショウギを着て居酒屋に行くとき葛西さんたちはどんなお気持ちで行かれてたんですか?
船、上がっておかに行くとおかみさんに会えるということでワクワクして行きました。
これ、行き来する中でもいいリラクゼーションが作れたんでしょうね。
すばらしい。
私の心も、ほっこりしましたね。
幸せな空間です。
郁恵さん。
私は元客室で今は博物館の展示スペースに来ています。
一方、船員の皆さん大きな任務を背負っていたということもお伝えしておこうと思います。
まず、外の様子をご覧ください。
八甲田丸の左側の映像です。
こちら青森駅のホームになります。
青森駅に到着した、お客さんや貨物を、速やかに船に載せていました。
列車のダイヤと合わせて運航されていたので定時運航が求められる船だったんです。
函館と青森ですね。
これ、航路なんですけどそれぞれ岬などのポイントがあります。
このポイントを通過する時刻定時運航を求められていたんですね。
遅れてはならなかったんです。
天気によっても波の状態もいろいろあったでしょうにね。
定時運航を求められて青森から函館まで向かうこのポイント、ポイントそれぞれ通過する時刻がびっしりと決まっていたんですね。
遅れてはならない。
では早く着けばいいのかというと葛西さん、どうでしょうか。
早く着いても前の船が出港しないかぎり岸壁は空きません。
そして、早く走るということは燃料を多く消費します。
不経済です。
ということで、とにかく定時運航が大事だということです。
さて、一方、船員の皆さんはお客さんを楽しめる創意工夫も欠かさなかったんです。
芸術作品です。
船員たちが生み出しました。
飾り毛布といいます。
個室のベッドの毛布を折り紙のように折って花や動物を形づくっているんですね。
数十種類の折り方があるそうです。
明治41年に撮影されました連絡船の貴賓室の中なんですけどこの真ん中、ベッドの上のところ飾り毛布、見えますか?
見えます。
貝みたいな感じの。
飾り毛布と連絡船の関わりというのは非常に古くからあったんだなということが分かりますよね。
連絡船の元客室係の吉田孝志さんです。
今、飾り毛布を広める活動をしていらっしゃいます。
連絡船と飾り毛布はどんな関係だったんでしょうか?
連絡船は4時間弱の航海でしたが、その短い中でもお客さんにくつろいでもらおうという船員の日本の船の文化だとおもてなしの表現だと思っています。
男性がそういう発想を持たれたんですか?女性からじゃなくて?
男性の方が多かったんですよね?
最初はそのとおりだと思います。
船員ならではのこまやかさがあったんですね。
早速飾り毛布、作品を作っていただこうと思います。
こういう発想浮かばないですよね。
きれいにたたもうということしか考えつかないですけど。
これ、本当に毛布でできるのっていうぐらい手早くやっていただけるんですもんね。
ここで作品をご紹介していきたいと思います。
郁恵さん、バラなんですよ。
蓄音機かなんかだと思ったら違いました…。
スピーカーの感じのね。
続いては羊です。
続いて、郁恵さん。
これ、どうですか?何に見えますか?
海の下のほうに…貝?
ホタテでございます。
正解です。
青森名物ですからね。
有名ですね。
また毛布の色を使っていい感じに表現してるんですね。
白を使ったり茶色を使ったりですね。
続いては、先ほどから折ってくださっていたのは吉田さんの弟子で八甲田丸のスタッフです。
柴野紗智子さん。
何をお作りになったんでしょうか。
富士山です。
後ろは日の出になります。
山頂部分は雪ですね。
細かいですよね。
折り目を計算して折らないといけない難易度の高い富士山です。
飾り毛布どうでしょう、柴野さん。
難しいですか?
大変、奥が深いと思います。
でも、これ芸術ですからね。
そうこう言っている間に…。
吉田さんが作品を完成させました。
これ、なんでしょうか?郁恵さん。
よく見てくださいね。
何か立ってますね。
これ、松竹梅なんです。
これ、郁恵さん、松竹梅おめでたい題材なんですけど正月になるとよく作られていたそうなんです。
吉田さんたち、客室係は見よう見まねで学んでいったということです。
お正月も暮れも、クリスマスとそういうのも全部いろんなことやってたんですね。
それで季節感を出したりとかしてたんだ。
竹、松、梅ですね。
照英さん、ここで飾り毛布照英さんにも挑戦してもらおうと思います。
今、広げてもらってますけどこれをちょっと、ずらしますね。
そして、ここを真ん中をきゅっとやりますよね。
2番目も、きゅっといきますね。
この毛布もそのときずっと使ってた毛布なんですね?
そうなんですよ、これ。
だから、使用感があります。
ぬくもり感じますね。
結構ね、これ丁寧にいってるんですけど崩れちゃうんですよ。
やわらかいんですね。
ここ、きちっといきますよ。
持っていきます。
おいしそうですよね、これ。
バグパイプかと思った。
いい感じですね。
後ろにきゅっきゅっといきますよ。
完成でございます、郁恵さん。
なんだと思いますか?
は?
葉っぱの「葉」ですか?これ、実は大輪大きな花の輪ですね。
なるほどね。
郁恵さん、感じてください。
私も勉強させてもらってこんな自分でもやることができる僕にとってみたら大作です。
毛布で色と芸術がね作品が作れるなんて思ってなかったですからね。
吉田さんに伺ってみたいと思いますけど飾り毛布今後どうしていきましょう。
日本の船の伝統文化ですので今後も残していけるように継承活動を頑張りたいと思います。
おっしゃるとおりですよね。
やっぱり飾り毛布はお客さんに喜ばれたんじゃないですか?
中には毛布を崩さずそっとソファーのほうに置いておられたお客様もおられるようですね。
その気持ちは分かりますね。
私も絶対、写真に残してから崩しますもんね。
大切ですから。
私は、崩せないですね。
元八甲田丸の機関長の葛西さんに伺おうと思います。
この船大切にしていきたいですね。
50年経過してます。
こうして、元気で青森港に浮かんでいるということは、われわれ元乗組員にとっての心の支えでありますし安らぎでもあります。
この船を維持・管理していただいている青森市民の皆様方に心から感謝申し上げます。
ありがとうございます。
本当に皆様の気持ちをいただきまして心も、ほっこりしましたね。
(大輔)おはよう。
2015/09/16(水) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「あぁ懐かしの青函連絡船〜青森・青森市〜」[字]

かつて青森と函館を行き来した青函連絡船。メモリアルシップとなった八甲田丸の非公開部分に潜入!船員専用の風呂や食堂でお宝発見!?多くの人に愛された秘密に迫ります!

詳細情報
番組内容
【ゲスト】照英,【コメンテーター】榊原郁恵,【司会】松岡孝行 〜青森県・青森市から中継〜
出演者
【ゲスト】照英,【コメンテーター】榊原郁恵,【司会】松岡孝行

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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