人生デザイン U−29「メディアアーティスト」 2015.09.16


今回の「U−29」は熊本県の山奥で月3万円で生活するこの青年です。
2年前名古屋から移住してきました。
日々の暮らしは自給自足が基本。
お金をかけず自分の力だけで生きていくのが目標です。
小山さんの肩書は…お金は最低限必要な分だけパソコン1台で稼ぎ出します。
小山さんは今更に無駄のない極限生活を目指し始めました。
生活に最低限必要な物を詰め込んだ2畳半ほどのモバイルハウスを作りそこで暮らすというのです。
お金にも場所にもこだわらず自立した暮らしを目指す新世代クリエーター。
小山さんが描く幸せとは…?置くのか…。
熊本県のほぼ中央に位置する…小山さんが住むのは山の上の高台。
凸凹した山道を上がると現れたのはサイハテ…。
その正体はこちら。
4年前持続可能な暮らしを目指す20〜30代が全国から集まって作り上げたコミュニティーです。
今ではおよそ1万坪の敷地に0歳から62歳までの21人10世帯が暮らしています。
サイハテの外れにあるコテージに小山さんは1人で住んでいます。
ひとつき僅か3万円の暮らし。
ちょっとのぞかせてもらいましょう。
朝一番にやるのは水くみ。
共同の水くみ場は地下水なので水道代はゼロ。
ガスは使わず燃料はもらい物のまき。
サイハテに来てまき割りが日課になりました。
今住んでいるコテージは築20年以上で家賃はゼロ。
もともと寝床で…本当にこのロフトと…このエアコン。
3,000円で買ったまきストーブは主に料理に使います。
少し高かったけど冬は暖房でも大活躍。
元は取れています。
食事は自炊が基本。
献立は野菜中心です。
できれば自分で畑を造って育てたいのですが今はスーパーで買っています。
移住して2年。
ちょっと面倒な事も多いけど工夫と忍耐で月3万円生活を続けてきました。
あちい!
(取材者)暑いですか?毎日こんな感じです。
う〜ん…。
本当に自然と一緒に暮らしている感じがしますね。
小山さんの住むサイハテには住人たちが共用で使えるさまざまな施設があります。
こちらは住人たちが作った共用のスタジオです。
音楽や映像制作の機材が誰でもフリーで使えます。
こうした環境に引かれてアーティストやクリエーティブな人々が住人として集まってきています。
真さんです。
こちらは映像作家の工藤真工さん。
4年前サイハテの立ち上げを呼びかけた発起人です。
ここはもともと別荘などが並ぶ保養地でした。
およそ10年間放置されていましたが東日本大震災を機に工藤さんたち20〜30代が移住を希望。
過疎化に悩む地元の人たちもこの場所がよみがえる事を歓迎しました。
以来住人たちはそれぞれがアイデアを出し合い暮らしやすい環境をつくり出してきました。
インターネットでサイハテの存在を知った小山さん。
コテージの空きが出たタイミングで移住が決まりました。
静岡市出身の小山さん。
父は学者で母はピアニストです。
幼い頃からピアノを始め小中高一貫の私立学校で大好きな音楽を続けてきました。
高校卒業後名古屋の音楽専門学校に進学。
在学中からフリーのミュージシャンとして収入を得始めました。
卒業後も音楽活動を継続。
しかし収入は安定せず生活費が足りない時は親から仕送りをもらう日々が続きました。
小山さんの月収は3万円。
毎月必要な費用を足した額です。
欠かせないのは携帯代3,700円。
インターネット代も込みです。
1週間スケジュールはこちら。
平日はサイハテでの共同作業や新しいライフスタイルへの試行錯誤が中心。
お金を稼ぐ仕事は一日およそ1時間半だけ。
一体それはどんな仕事なんでしょうか?収入の柱になっているのがネットメディアのライターの仕事です。
新しい暮らし方を紹介する海外のブログを翻訳して記事にしています。
仕事は日々気の向いた時間にします。
目標額が稼げたらそれ以上仕事はしません。
おっチコさんいた。
サイハテの共同の畑で小山さんが頼りにしている人に出会いました。
自然と共生する暮らしを提案するデザイナーです。
自らも自然に寄り添った生活を実践しています。
あそこに育ててるんだけど。
(杉山)毒があって。
だから食べちゃ駄目だよ。
人間も毒?
(杉山)人間にも毒だよ。
植物の知識など自然の中で生きる術にたけた杉山さんは小山さんの憧れです。
建築にも詳しい杉山さんにモバイルハウスの設計図を見てもらう事にしました。
小山さんが思い描く究極の極限生活。
1か月半もの試行錯誤の末自分の理想を図面にしました。
指摘されたのは初歩的な設計ミス。
小山さんこれ本当に作れますかね?うん。
本当そう。
頑張る頑張る。
モバイルハウスには車輪をつける予定です。
軽車両として移動しながら暮らす事も小山さんは考えています。
場所にさえこだわらない自由な暮らし。
それが今描く理想です。
週末小山さんは熊本市の中心部にやって来ました。
新しい暮らし方を紹介するイベントへの出演依頼を受けたのです。
知り合いの音楽家が声をかけてくれました。
お疲れ〜。
あれ?何かみんなに変わったねって言われるけど…。
サイハテの発起人工藤さんも家族を連れてやって来ました。
25人ほどの観客を前に小山さんは自分が理想とする自立した暮らしについて語りました。
頭で思い描く理想の暮らし。
理論は分かりますが果たしてどこまで実践できているか。
先輩から鋭い突っ込みが…。
小山さんが理想とする何にも依存しない生活。
それって実際どんな生活なんですかね?こんばんは〜。
和音です。
いつも自分のコテージで思索にふける小山さんを気にかけて子育て中の小堺さんが夕食に招待してくれました。
振る舞ってくれたのは手作りのマーボー豆腐。
頂きま〜す。
(小堺)結構辛いでしょ?おつゆとごはんだけでもいいよとりあえず。
あ〜。
(子ども)何でこんな辛いの?自立を目指し自炊が続く小山さん。
久しぶりの家庭の味です。
おいしい!ごちそうさま。
おいしかったです。
小山さん何だか表情がやわらかくなってますね。
サイハテには住人以外の人たちもしょっちゅうやって来ます。
サイハテがある地区の…この日は地区の秋祭りの準備を手伝ってほしいと突然頼まれました。
やって来たのは毎年秋祭りが行われる神社。
サイハテの住人たちは地区のお祭りや行事に積極的に参加し地域の人たちと関係を築いてきました。
でも小山さんが地区の集いに参加するのはこれがまだ2回目。
(網川)昼?はい。
そう。
小山さんはサイハテに来て初めて自分でワークショップを開く事にしたんです。
区長さんも誘ってみました。
そして翌日。
まずは自分の考えを実践してみるためのワークショップ。
区長さんも宮司さんと来てくれました。
あの〜まあ僕小山和音といいます。
ここの住人です。
ふだん気に留めない身の回りの音。
そこにスポットをあてる事で音の奥深さを感じてもらう企画です。
参加者は聞こえた音を書き出したり絵で表現したりします。
あっ蜂の声あるからそれ書こう。
うんいいよ。
蜂の声?蜂がブ〜ンっていう音?うん。
オッケー。
区長さん初めての経験にちょっと戸惑っている様子。
すかさず小山さんが声をかけました。
ワークショップは無事終了。
帰り際区長さんたちが小山さんに声をかけました。
じゃあ皆さんによろしく。
はい。
じゃあまた。
あっ本当ですか?1個ずつはないかな…。
皆さんに行き渡るか分からんずたい。
ありがとうございます。
まあそういう気持ちがあられましたので。
頂きます。
ありがとうございます。
はいまた。
ありがとうございます。
じゃあお疲れさんでした。
はいお気を付けて。
(網川)どうもありがとうございました。
宮司さんからの思いがけないお返しでした。
小山さんどんな味ですか?理想とする自立目指して気負い過ぎずにいきましょう!そんな小山さんに最後に質問です。
いい感じかどうかが分からない。
そこまでいくともう別居の定義になりますよねって…。
同居でもないんだけど家隣っていう…。
2015/09/16(水) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「メディアアーティスト」[字][再]

熊本・宇城市で自給自足生活を目指す小山和音さん(24)。生活費は月3万円。ノートパソコンとネットを使い必要最低限の現金を得ている。彼が考える幸せのかたちとは?

詳細情報
番組内容
熊本・宇城市のエコビレッジで自給自足生活を目指す小山和音さん(24)。生活費は月3万円。パソコンとネットを使い、原稿の執筆や作曲で必要最低限の現金を得ている。専門学校卒業後は名古屋で音楽活動をしていたが、親からの仕送りに頼る日々。焦りを感じていた時にエコビレッジの存在を知り、熊本へと移住した。新たにモバイルハウスという移動式住居を作り、さらなる自立を目指そうとしているのだが…。
出演者
【語り】松坂桃李

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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