2011年4月9日22時59分
東日本大震災のチャリティー演技会で華麗な演技を披露する荒川静香さん=新井義顕撮影
チャリティー演技会であいさつする(右から)荒川静香さん、高橋大輔さん、羽生結弦さんら=9日午後、神戸市中央区、新井義顕撮影
阪神大震災を経験した神戸から、東日本大震災の復興への願いを届けようと企画された、フィギュアスケートのチャリティー演技会が9日、神戸市内であった。2010年の世界ジュニア王者で、仙台市で被災した羽生結弦(はにゅう・ゆづる)選手(宮城・東北高)やバンクーバー五輪男子銅メダルの高橋大輔選手(関大大学院)、トリノ五輪女子金メダリストの荒川静香さんら12人が演技を披露した。
冒頭、犠牲者への黙祷(もくとう)が捧げられた。羽生選手は、練習中のリンク上で地震に遭い、一時は避難所での生活も送った。情感のこもった氷上の舞に、2700人の観客は総立ちで拍手。演技後のあいさつで16歳は、「被災地が元の姿を取り戻せるように精いっぱい努力していくので、皆さんも力添えをよろしくお願いします」と何度も頭を下げ、アンコールにこたえた。仙台育ちの荒川さんも「被災地の方が勇気を持ち、元気が戻るように、温かな支えを送ってください」と呼びかけた。
震災のため東京からモスクワに会場が変更された世界選手権を今月末に控え、調整への影響も心配された高橋選手は、「今はこういう演技会に出ることが大事だと思った」と語った。
サイン入りのスケート靴などのオークションで295万4323円が、募金で977万3515円が集まった。チケット代から必要経費を除いた額と合わせ、日本赤十字社に寄付される。