SWITCHインタビュー 達人達(たち)「田中泯×挾土秀平」 2015.09.17


「SWITCHインタビュー達人達」。
今夜はこの人。
連続テレビ小説「まれ」では武骨ながらも心優しい塩田職人元治を演じている。
潮時っちゅうがはものの終わりっちゅう意味じゃねえげぞ。
何かをちゃするがにちょうどいい時やっちゅう前向きな言葉ねん。
田中と話してみたいと名乗りを上げたのは挾土秀平53歳。
土のソムリエと呼ばれる左官職人。
天然の土にこだわりこれまでにない斬新なデザインの土壁を世に送り出してきた。
東京タワーが窓から一望できるレストラン。
タワーのオレンジの光と時間と人のスピード感を表現した。
洞爺湖サミットの会場で使われた「土の円卓」。
水色の土で大陸が地続きだった太古の地球の姿を描いてみせた。
去年日本に初参入した外資系ホテルのメインロビー。
挾土は宿泊客を出迎えるレセプションの壁を手がけた。
土壁には本物の枝や実がそのまま塗り込められている。
エレベーターホールの壁。
紙すきに使うのりを用いカラマツの落ち葉を何層にも重ね合わせた。
晩秋の林をイメージした。
なぜ挾土は田中泯に引かれたのか。
坂本龍馬というたな。
大河ドラマ「龍馬伝」。
土佐藩の重臣吉田東洋を演じた。
どこにでも転がっちゅう。
黙れ!わしは殴ってもええがじゃ。
天才じゃき。
画面見てて…それはやっぱり興味そそるというか。
俺なんかどうも恥じらいとかねかっこ悪いんじゃないかとかさうまく…人はどう思ってるんだろうとかね。
推理だけど。
強烈な存在感で圧倒する田中は世界的に知られるダンサー。
1970年代から既成概念を打ち破る独自の踊りを追求してきた。
体とは何か。
命とは何か。
田中の踊りは現代美術や舞台芸術にも大きな影響を与え続けてきた。
59歳で始めた場踊りはその場所の森羅万象を体で受け止め感じながら場所そのものを踊るというもの。
踊りの起源を考え続けてきた田中ならではの新たな試みだ。
田中は挾土を訪ねて飛騨高山にやって来た。
家具作りや木工も盛んな匠の町だ。
田中は途中挾土が丹精込めて手入れしている森に立ち寄った。
田中は挾土とどんな話をしてみたいと思っているのだろうか。
彼の世界を見る目というんでしょうか。
あるいは人間を見る目のその間口がどう広がっているのかという。
環境のために土をいじくり始めて家になったり壁になったり垣根になったりしている。
そんな話が聞けたらいいなと思います。
挾土の仕事場は市街地から車で20分ほどの所にある。
こんちは。
こんにちは。
初めまして。
初めまして。
どうぞどうぞ。
どうも。
すみません今日は。
どうもどうも。
よろしくお願いします。
はい。
いや〜待ってました。
異端児2人の強烈な個性が交錯する。
ス〜ッと…。
それはもうほとんど目じゃないですね。
どっちかっていうと何かもう…だから結局ここまでここまで…あ〜めちゃくちゃ褒められてるな今。
どれだけ感じる…。
感じてくれてるんですよね。
あっ今俺正解言ったね。
挾土は今来年の「大河ドラマ」に関わるプロジェクトに取り組んでいる。
実は「真田丸」っていうのをやるらしいんですけども…題字タイトル?はい。
へえ〜。
あっなるほど。
はい。
全身を赤で統一した真田幸村軍は赤備えと呼ばれた。
挾土は一切の混ぜ物をしない飛騨の赤土でそのイメージを表現する事にした。
きれいだな〜しかし。
墨で書くんですか?コテで書きます。
コテで書く。
えぐる?はい。
ふ〜ん。
ちょっとうまい事書けるかどうか分かんないですけど。
コテを自在に操る挾土熟練の技。
このコテも文字を書くために新たに作ったものだ。
あと照明の持っていき方でものすごい陰影が出るんじゃないかっていう事で。
そうですよね。
はい。
この壁は最後乾燥していくとブワ〜ッと割れて自分で陥落します。
これもいけるかなっていう。
きれいだな〜しかし。
俺が?はい。
いいよそんな。
そんな…。
ただ俺本当にやった事ないですから。
気持ち刃を立てて凸凹を感じながら高いと思ったら削り低いと思ったら緩めみたいな。
分かんないな。
どこに伝わってくるんだろう?こういう感じ。
うまいです。
こんな感じで下まで行ってもらえれば。
あでも…強さが違う。
そうですね。
駄目だね。
でもこれ…。
あのね例えばね手だけでこう「あ」って書くでしょ。
これが「あ」ですよね。
ここら辺にキャンバス想像する。
それをもうちょっと大きくするとこうなってくる訳ですよ。
でこっちからこう下ろしてこうなりますよね。
それを今度頭と手と胴体交えてやるとこうなる訳ですよ。
はいはいはいはいはい。
それがこう入ったりこうなったりする訳。
あ〜そうですね。
という練習はしてるんですけど。
駄目だね。
僕は泯さん実は…土っていうのは触った事もなくて。
それでもあまりにも…ちょっと俺違うんじゃないかなと思って…土壁の技能全くなかったので。
これ一番白い土です。
天然の。
それに対してこれちょっと水色っぽい土です。
でこれが僕が一番人生で一番やったなと思う紺色っぽい土です。
紺色っぽい?青っぽいでしょ?何となく。
黒じゃない。
これどんどん乾いていくと指の上に載せてブルーのインク手にたらしたみたいな色になってくるので。
僕はこの土が自分の人生の中で最高に出会った一番いい土です。
それ日本ですか?日本です。
飛騨です。
挾土が用いる色は全て天然の土や鉱物から生み出されるものだ。
土蔵の壁の鮮やかなやまぶき色。
飛騨高山の茶色い土と黄色い土をブレンドした。
アリゾナのネイティブアメリカンに招かれ砂漠の月を現地の赤土と黄色い土で描いた。
東京中央郵便局の壁。
日本画家千住博の滝を漆喰のモダンなデザインが取り囲む。
ラピスラズリの鮮やかな大空に二筋の飛行機雲が交差する。
土壁の可能性をとことん試してきた挾土。
作業場の2階をのぞいてみると…。
そういう状態で出来てます。
なるほど。
へえ〜。
独学だったんで自分の中でやれる事何でもやろうっていう…。
いい悪いはともかく。
これはどうしてこの穴があるんですか?こういう土を塗っておいてから上からポトンと落としてオレンジ色の土を。
パタッと飛んだだけです。
じゃあ寝かして…。
そうです。
あとは何でか分かんないんだけれども切ってやろうと思って。
切った。
これ。
こういうのが生きてるなと思って。
こういう何か…グニャッと行ったっていうか。
これは…腐る直前なので一体化しちゃうんですね。
これは赤土を塗ってすぐグレーの土を極薄で塗って…これミミズのはんだ跡です。
山に行って見つけて皮をグ〜ッと剥ぐじゃない?そうすると…いいですね!すんごい細かい模様になってて。
あれを思い出した見たら。
実は左官らしいんじゃないかなってな事はよく考えてるっていうか思ってます。
そういう事です。
はい。
そんな感じですよね。
そういう事です。
はい。
俺なんかこういうの好きですよ。
こういうのとか。
何かそんなような気が…。
でもこれは…平らじゃないって?そう。
ちょっと波打ってんじゃないかみたいな。
僕は伝統だと思うんですね。
大概の…今そういった意味ではもう…そうですね。
出尽くしたというか。
だからこれ全部ねこっちの方向もあるよこっちの方向もあるよってじゃあお前どこ行くんだいって。
フフフフフッ。
面白いもんでこれだけ作ると「どれが好き?」ってクライアントの人に見てもらうと…ちょっとあるんですよ。
どんなふうでも自分は…そういうところでこう…。
どうせいずれね…それに気が付かなきゃバカだよ。
バカだよね。
泯さんこれ僕の家になりますけども…。
挾土が自宅にどうしても見せたい部屋があるという。
自分のうちなんで…壁?はい。
これも漆で回してこれ土だけです。
本当にさっき言ったス〜ッと塗った壁ですね。
そしてさっき紺色の土を僕が一番大切にしてるって言ったじゃないですか。
それを床の間に塗りました。
ああ。
ほう…。
ふすまを開けると目に飛び込んでくる月。
夜大地から解き放たれる気が輝く月に吸い寄せられるさまを表現した。
今「シンプルイズベスト」とか…シンプルって言ったって…取ってって取ってって最後に残したのがシンプルだっていう事を言いたくて逆に過剰やってみようと思ったのがこの部屋です。
なるほど。
面白いですよでも。
それで何かこう…。
すごくすご〜くね…ああそうですか。
お祭りって変な言い方かな?分かんないんだけど。
僕の知ってるお祭り。
本当にポッポッと火がついて明かりがついていって。
もっとシンプルな本当に素朴な和室だったんですけど。
祭りなんですよ。
でもこうやってやるとひょっとしたら俺ちんどん屋になっちまうのかなとも思ったり…。
紙一重かもしれない。
本当にそこは…ただ「ここはこうする。
ここはこうする」ってやったんですけど。
面白いですね。
それはすごい面白い事だと思う。
それはすごい分かります。
何かあらかじめ決められてるっていうんじゃなくて…まさにコテ持ったあの状態っていうのは僕は…体になって生きてみせるっていう。
確かに動いていって「あっそうか」って後から…確かにこの部屋はそうだった。
だからこの体よりも僕は本当は…さっきのね…ええ。
無政府状態。
これは言ってみればね…なるほど。
あ〜めちゃくちゃ褒められてるな今。
例えばねこの壁でこう行くこういうふうに行く床があって垂直の壁がありますよね。
何であそこに銀を入れるんですか?こうして…。
くっきり細くシンプルにしていたいっていうか。
でもあの線はあなたが選んだ太さな訳ですよね。
そうです。
僕は入れたかった。
どうでも入れたかった。
交わっているこの水平から垂直が交わってる所なんだから線は本来ある訳じゃないですか。
そこにあえて銀を入れるという…まあそうかも分かんないです。
区切りたかったっていうか…。
ですよね。
そういうところはあります。
挾土秀平は左官の2代目として飛騨高山に生まれた。
父の姿に憧れ高校卒業後熊本や名古屋で修業を積む。
21歳の時技能五輪で優勝。
周囲を驚かせた。
今では重要文化財の修復から首相官邸内の壁まで大仕事を次々に任されている。
あなたの場合は…それがどういう図面でどういう調合…何て言うんだ?土の混ぜ具合でねどうなってるとかっていう事が残っていくって事もあるのかもしれないけども。
でも…僕は現場ですね。
泯さんライブだったら俺現場だ。
本来ね本来…これで何かを作ろうと思う事って…そういった意味ではさんざんいろんな言葉で言われてきている日本の極致的な技術芸っていうものの目指しているものとはどうも違うものを感じるんですね。
まあ僕も…東京のすごいピンピンなとこで仕事はするけどもうちの職人たちには自分をひっくるめて明日は…ずっと言ってます。
何て言ったらいいかな…。
キザな言い方だけど…幅!そう。
僕も思います!幅だと思う。
幅なんです。
僕も壁ってものに向き合ってもうず〜っと考えてるんですけど泯さんもめちゃくちゃ考えてますね。
それは私止まる事ないから。
せっかく来てもらったんでこの月の前で何かのフォルムを…。
挾土が田中の踊りを見たいと言いだした。
立ってみたいなと思ってはいます。
ああそうですか。
田中はその場所に心が動かなければそこで踊る事は決してない。
夜空に輝く月に呼応するように田中の体が動き始める。
今この時間と空間を踊る。
挾土が床の間に敷いた黒砂の上に田中の足跡が刻まれていく。

(たたく音)
(たたく音)ありがとうございました。
ありがとうございました。
田中の場踊り。
息をのむ8分間が過ぎ去った。
いや〜…。
すごいですよ。
後半は舞台をスイッチ。
田中泯は頑固一徹な塩田職人を演じている。
塩作りちゅうのはおてんとさんやら風と相談ねん。
量産はできんげ。
そんなのマシーンを導入すりゃいいじゃないですか。
変な話それを使ってしまえば…本当にいわゆる芯食った大事なシーンだったりそこでやっぱり泯さんがいる。
守らしてくれんけ。
希の弟一徹が塩田職人の後を継ぎたいと申し出るシーン。
何かだから…何か時代が時代だったら何かこう…やっぱり何か当時本当に…そういう力がある。
田中は前衛舞踊のダンサーとしてどの団体にも流派にも属さず独自の踊りを追求してきた。
一夜明けて上京した挾土は田中がいつも踊っている場所を訪ねた。
圧倒的な存在感の秘密はどこにあるのか。
こんにちは。
おおこんにちは。
昨日はありがとうございました。
どうもこちらこそ。
やって来ましたお願いします。
ここがスタジオっていうか。
しかし…ここに…ここら辺に…田中はここで実験的な試みを繰り返してきた。
現代美術の巨匠フランシス・ベーコン。
田中は己の肉体がベーコンの絵画そのものになる事を試みた。
田中にとって踊りとは自分の存在の全てをさらす事。
自分自身が踊りそのものになる事だ。
昨日いろんな事聞かせてもらったしいっぱいありますけど最後に踊ってもらったじゃないですか。
僕思ったのはやっぱり俺の壁っていうのはどんなにあでやかな壁であっても背景なんだ。
昨日泯さんが立ってくれて踊ってくれてそう思ったんですけどだけどその…普通主体だったらいっぱい付け加えていきたいのに…それは月にず〜っと流れていく雲みたいにも見えたし月の下でず〜っと芽出して伸びてく草みたいにも見えたし…うれしいですよ。
要するに秀平さんが作った壁も僕にとっては…ものすごい新鮮な環境なんです。
そこに光があり月のようなものがあり縦の線があるとかって…その時に田中泯っていう人間はあんまり関係ないんですよね。
確かに田中泯である事は確かなんだけどもそれよりは僕はここにいる…恐らくあの空間を作った挾土秀平という人はやっぱり作った人間でなければ感じえない何かをそこからグ〜ッとキャッチしていくという事…。
もうブワ〜ッと来た。
僕はね理想的に言えば…言葉があれば言葉で思い当たるような事をやってコミュニケーションできますよね。
ところがそれができなかった時代…その時代のそういう頃の…映画「ウミヒコヤマヒコマイヒコ」。
田中泯が45日間にわたってインドネシアを旅し人々の暮らしに触れたダンス・ロード・ムービーだ。
田中は行くさきざきで心の赴くままに踊り踊りの原初の姿に立ち返っていく。
私はこれを踊りとは言っていないのです。
彼らが踊りと思ってくれるかどうか全く私には分かってないんですが…。
村の老人で日本語を少ししゃべる人が私の踊りを見て「日本の兵隊さんが帰ってきたみたいだ」と言っていました。
畑やあぜで見ず知らずの家の軒先で。
たまたま通った道の上で田中の体に踊りが訪れる。
飛び入りの青年でした。
たくさんこんな事をやってきたんですが一度も叱られなかった。
一度も止められなかった。
とっても不思議な体験です。
泯さんに会うまでに「ウミヒコヤマヒコ」の映像は3度も4度も実は見たんです。
すごい印象に残ったのは何か棚田があって農民が水牛を引いていてこっちからこう来る。
泯さんがこっちから泥だらけになって四つんばいになってこう水牛が動くと呼応したみたいに動いて何かこう動いて一瞬すれ違う時ス〜ッとすれ違ったみたいな映像見た時なんてすごいっていうかきれいっていうか…。
意識がないっていうかそんなふうに見えたのが農民も全く泯さんの事を意識してない。
水牛も全く意識してない。
泯さんも意識してない…それはちょっとできないなというかすごいなと思いました。
自分では証明できないんだけど多分…全然境界を感じないっていうか…。
僕から流れていく波長が…そうだと思います。
そういう事が起きるんだと思うぐらいの…。
トンボがここら辺に止まって踊りながらね「いや飛んでかなくていいんだよ」っていうような感じで踊ってる事もあるし犬がすぐ近く足元へ来てゴロ〜ンと横になっちゃったりとかね。
それはある意味の自然観でいったら理想ですよね。
でも僕はもともと…生き物としては。
ネイティブアメリカンみたいですね。
石と話ができたりみたいな…。
いや同じ…だから今現代は…つながってますよね。
モダンダンサーとして活躍していた田中は23歳の時土方巽の踊りと出会う。
既存のバレエやダンスとは全く違う新しい身体表現舞踏の創始者土方巽。
土方との出会いは田中の人生を大きく変えた。
田中は土方を心の師と仰ぎながらも独自の踊りを模索し続けた。
飯は食えたんですか?食えないです食えないです全然。
ありふれた苦労話になっちゃうけどどうやって飯食べてたんですか?ああ全部が踊りなんですねやっぱりね。
だから例えば…井戸掘り?水道工事のバイトに行ったんですね。
井戸を掘るのが踊りの練習になるんですか?それはそうでしょうね。
それと…。
もう5mぐらい掘んなきゃ駄目ですもんね。
15m穴の中?空気を送るんですよ上から。
もうこんなちっちゃくなりますけど上見ると穴が…。
それもう精神鍛錬ですか?バキュームカーの中の掃除!?ああ…。
それちょっと踊りとは関係ないような感じするんですけど…。
いや…どっちかっていうと体を使う仕事ばっかりでしたね。
さまざまな肉体労働に従事した田中が最後に行き着いたのが農業だった。
40歳の時山梨に移住。
米や野菜を作り家畜を飼う自給自足の生活を志す。
「野良はまさしく稽古場だ」と田中は言う。
田中にとって生活する事生きる事全てが踊りなのだ。
田中が映画やドラマに出演するようになったのは57歳の時。
日本の警察の者です。
映画「外事警察」では逃亡を続ける核兵器の開発研究者を演じた。
居所を探し当てられた男は灯油をかぶり捨て身の抵抗に出る。
その日本の警察が迎えに来て出てくるところあれはもう何て言うか…霊媒してるんじゃないかって思うぐらいすごかったですね。
あれってどんな心境だったのかなっていうか…。
いや〜だからあの時に僕を訪ねてくる人がいますよね。
それでもちろん本がある訳ですから…演技してる時っていうのはその段取りを忘れちゃってるんですよね。
段取りを忘れてるのに演技ってできるんですかね?もう本当にそれになっちゃうその状態になっちゃうという自分もいるんです。
その状態でいる自分も。
多分実際に…僕自身は。
それは踊りが基にやっぱりありますね。
そうですね。
踊りはやっぱり動きは確かに大事なんだけど…それができなかったら踊りの半分しかやれてないと思うんですね。
そうか。
すごく分かります。
石があったり植物が存在してるって事でつまり…存在しているという事を見た人が感じる。
どれだけ感じる…。
そうですね。
感じてくれてるんですよね。
あっ今俺正解言ったね。
全くそうなんです。
そうだ。
じゃああの「外事警察」は役者じゃなくて踊ってたって言えますね。
そうですね。
そうですよね。
少なくとも僕は…第一もうそれ以上近づいてそれ以上うそついたら俺は今火つけて死ぬぞって言ってる訳でしょ。
ライター持ってこうやってね。
うんうんうんそうですね。
本当に震えてきたりして。
抑えられないでしょ?そうですね。
だからあの泯さんを見た時にあのスイッチの入り方というか切り替え方ってのは尋常じゃないなってのを思ったっていうのもあります。
会いたかったのは。
いやいや…。
ビビりがあんまりないんじゃないかと思って。
とんでもない。
最近はやっぱりもう建物ってなると最後の最後に僕登場するんで…。
でチョコレート食べてちょっと吐き気が止まってよしやろうと思って向かうとまた吐き気が来て…。
そういうのを3回ぐらい繰り返していつも最後成功するんですけど。
そうですか?はい。
ちょっと生意気な言い方をすれば…基本的には…そういうタイプです。
ここで踊る時なんかは…すごい速くスパンと変わります。
直前まではまだ逃げたいと思ってる訳ですよね。
そこで見事に変わっちまうんだね。
変わります。
豹変。
切り替えられる。
それはもう集中のうちなんです。
そうなんだ。
追い詰められるという集中力があるんだ。
吐き気なんていうのはまさに集中してるからですよ。
そんなポワ〜ンとしてたら吐き気なんかしませんよ。
田中は68歳にして初めてアクション映画に挑戦した。
1か月間トレーナーについてみっちり立ち回りの特訓を受ける。
ここか。
こう来て…。
去年公開された映画…田中は幕府の隠密たちの頭だった武術の達人を演じた。
ああっ!わしがお前を潰す!切れ味鋭い動きで奇跡の68歳と恐れられた。
これ監督からオファーあった時に…そうなんですか。
「あんたの映画だったら残るよね」。
ちょうど僕はもう…「いいチャンスだから徹底して動く役だったら出るよ」って言ったら本当にトレーナーが5人も6人もついてみんな寄ってたかって教えてくれる訳ですよ。
楽しかったですか。
ものすごい楽しかった。
例えばね「泯さんこうやってよけるんですよ。
よけた瞬間に上から刀が来まして」って言うじゃないですか。
立ち回りの説明ですよね。
「じゃあそれをギリギリでよけて下さい」って言うとそれをやるじゃないですか皆さん。
これがやっぱり…面白いなと思って見てました。
泯さんが踊りもやる役者もやるっていうのを両立するというかどっちもず〜っとやってくれると僕がうれしいって感じがする。
でも僕は多分向こうから言ってきた役が…これはすごくぜいたくな言い方なんだけど…そういう人をやりたいんです。
なるほど。
だからぜいたくですよね。
似たような役はやりたくないけれども自分の分かる…。
だから例えば僕という人間はまあ世の中にいくつかのタイプの人間っていうのがいるとしたらそのうちの一つだろうと思うしでも一つのタイプという人間っていうのは恐らく億という数ねこの世の中にいて生まれて死んでいってる訳ですよね。
そんなのは無限にあるよって事になりますよね。
そうですよね。
時間どおりにね「はい50歳になりました。
だから50は社会ではこういう部類になります」とか…。
そういうやつらは…俺一応70だから社会的には結構な年齢じゃないですか。
でもねくそ食らえなんですよねそんなの。
確かに70な…70顔になってるのかもしれない。
分かりませんけども。
でも僕の中では…俺子どもになっちゃう。
「ウミヒコヤマヒコ」で子どもと田んぼみたいなとこで泥投げしてるシーンはあれ誰よりもひどい子どもになってますね。
あのシーンすごかった。
あのあとみんなでわ〜って川へ走っていってドブ〜ンって川へ飛び込んでみんなで洗って。
「何だ?この人」って思った。
あのはしゃぎ方が。
それと同時に…70年の記憶詰まってるから。
まだそう思うんですか。
思う思う。
それはすごいですね。
まだ使ってないところが多いと。
ダンサー田中泯。
今度はホームレスの老人役を選んだ。
お前の父親はあの町だ。
映画「蜃気楼の舟」。
生き別れた息子と再会する父親を静かな存在感で演じる。
左官挾土秀平。
いよいよ大河ドラマ「真田丸」の題字を書く日を迎えた。
幅6m高さ3mの赤土の壁。
迷いなくえぐっていく。

(拍手)まあいいんじゃないすか?かっこいいです。
一発OK。
会心の出来だ。
年齢にも伝統にもとらわれない2人の異端児は全速力で走り続ける。
2015/09/17(木) 00:00〜01:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「田中泯×挾土秀平」[字][再]

「まれ」の塩田職人役などで強烈な存在感を放つダンサー田中泯と、「土のソムリエ」と称されるカリスマ左官挾土秀平。目ヂカラも半端ない孤高の男たち、魂がぶつかりあう!

詳細情報
番組内容
朝ドラに大河ドラマ「龍馬伝」から「るろうに剣心」のアクションまで、プロの俳優にも出せない存在感で圧倒する田中泯。いっぽう首相官邸や重要文化財の茶室、高級ホテルなどの「土壁」を手がけ、天然土から革新的な表現を生み出す挾土。自分がデザインするのではなく土がやってくれる?演じているのではなく踊っている?どちらも大人の芸ではなく子どもの芸?そして挾土こん身の和室で、田中が踊り始めた…。
出演者
【出演】ダンサー…田中泯,左官…挾土秀平,俳優…大泉洋,アクション監督…谷垣健治,【語り】吉田羊,六角精児

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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