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「おおかみこどもの雨と雪」の大ヒットを放った細田守監督と、ソフトバンクモバイルの「白戸家」シリーズを手がける澤本嘉光氏の異色対談連載。多くの人の心を動かすコンテンツの作り手同士が、オンからオフまで語り合います。

(写真:大槻 純一、以下同)撮影協力:MAREBITO(マレビト

澤本:細田さんと僕は、実は初対面ではなく、ツイッターでつながっていまして。

(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会、スタジオ地図作品

細田:ツイッターつながりなんですよね。

澤本:というか、もともと僕は一ファンとして細田さんの作る映画が、すごく好きだったんです。

細田:ありがとうございます。

澤本:それで、あるとき細田さんがツイッターで僕をフォローしてくれているのに気が付いたんですよ。

細田:僕も澤本さんの一ファンでしたので(笑)。

澤本:そうだったんですか!

細田:広告界のすぐれたクリエイターの方たちの発想とか考え方は、映画にも生かすことができると思っていたんです。僕は「広告批評」をずっと続けて読んでいたんですよ。

 それで、ある時期から誌面が澤本さん一色になっていって、「この人、どういう人なんだろう?」と、興味をひかれていたんですね。もっといろいろ知りたいなと思っていた。そうしたら、まだ十分に澤本さんのことが分からないうちに、「広告批評」が休刊になっちゃって。

澤本:ああ(笑)。

「原田知世も好きですが、アニメ版も大好きで」

細田:だからツイッターでアカウントを見つけたときに思わずフォローしました。そうしたら澤本さんからお返事が来て、びっくりしまして。

澤本:僕がアニメ映画の監督として「細田守」の名前を認識したのは、「時をかける少女」を見たときなんです。まあ、とにかく、僕はあの映画が好きで好きで、しょうがなくて。

細田:あはは。原田知世が出た実写版の方じゃないですか?(笑)。

澤本:そうそう、原田知世のときの「時かけ」も好きですよ。その話をすると、たぶん2時間ぐらいいきますよね(笑)。

※「時をかける少女」(細田守監督版) ボーイッシュで放課後に男友達とキャッチボールに興じるような高校2年の元気な紺野真琴が主人公。原作の筒井康隆『時をかける少女』で主人公だった芳山和子は、博物館の学芸員を務めるミステリアスな叔母として登場。

※「時をかける少女」(大林宣彦監督版) 1983年公開。同級生の深町一夫と関わる中で、突然、タイムリープの能力を身に付けてしまった高校1年の芳山和子を、映画初主演の原田知世が好演。記念すべき80年代のアイドル映画となった。

細田 守(ほそだ・まもる)
アニメーション映画監督
1967年、富山県生まれ。金沢美術工芸大学卒業。91年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、劇場アニメ「時をかける少女」(2006年・角川ヘラルド映画)を監督し、小規模上映ながらロングラン・ヒットとなり国内外の数多くの賞を受賞。続く「サマーウォーズ」(09年・ワーナー・ブラザーズ映画)では16.5億円の興行収入を達成し、ベルリン国際映画祭にも正式招待された。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。最新作で自身が監督・脚本・原作を務めた12年公開の「おおかみこどもの雨と雪」(東宝)は、この記事の公開時点で興行収入41億円を超える大ヒットとなった。現在、日本を代表するアニメーション映画監督の旗手として国際的に知られる。

細田:そっちはそっちで、別の話があるんですよね(笑)。

澤本:だいたい大林宣彦さんや、相米慎二さんの話を始めると終わらなくなるんです。

細田:ふふふ(笑)。

澤本:とにかく細田監督の「時かけ」は、ものすごく好きで。何が好きって、雲とか空が大好きで、さらに野球が好きなんですが、雲がきれいで、空がきれいで、しかも登場人物が野球のキャッチボールをやっているという(笑)。

細田:野球。そうですよね。そうなんですよね、ええ。

澤本:あと、これを言うとあれなんですけど、主人公の女の子のキャラクターが好きなんです。

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