[PR]

 国会前では17日、法案反対の抗議行動が朝から続いた。午後4時半過ぎ、採決の結果が伝わると、「徹底弾劾(だんがい)」のコールが響いた。

 明治大学の「オール明治の会」の黒田兼一経営学部教授(67)は「国民の声を聞かないままの採決強行。ルール無視だ」と厳しい表情。同会には教職員や学生、OB千人以上が集まった。「昔のデモのような動員ではない。これが本当の民主主義だ」

 参加者は主催者発表で3万人。夕方には歩道がすし詰め状態になった。午後6時半に抗議集会が始まり、間もなく車道が開放された。壇上では創価学会員の中年男性が「戦争法案を進める公明党をなぜ応援しないといけないのか。学会員はだまされた」と声を張り上げた。

 「安全保障関連法案に反対する学者の会」の発起人で思想家の内田樹(たつる)さんは「賛成した議員は全部落とす。この運動をやっていこう」と述べた。俳優の石田純一さん(61)は「戦争は文化ではありません。誇るべき平和を戦後100年に続けていこう」と訴えた。樋口陽一・東京大学名誉教授は「めちゃくちゃな法案をめちゃくちゃな形で進めようとしている。憲法だけでなく、日本社会の骨組みが危ない」。作家の落合恵子さんも「民主主義は抵抗し続けることで前に進む。市民の力を見せてやろう」と訴えた。