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 アボット首相(57)率いるオーストラリアの与党・自由党は14日夜、キャンベラで党議員総会を開き、党首選の結果、ターンブル前通信相(60)が新党首に決まった。敗れたアボット氏は、元首である英女王の代理のコスグローブ総督へ首相辞任を伝え、ターンブル新首相が誕生する。

 上下両院の99議員が無記名で投票。ターンブル氏の54票に対し、アボット氏は44票だった(無効1票)。

 ターンブル氏は投票後の記者会見で「我々には経済ビジョンが必要だ。それは、直面する大きな挑戦について国民に説明するリーダーシップだ」などと決意を表明した。鉄鉱石などの資源価格の下落で陰りがみえる経済の盛り返しに取り組む姿勢を強調した。

 党首選は14日、ターンブル氏が突然記者会見を開き、大臣辞任を表明した上で「首相は経済面での指導力を示せていない。このままでは次の選挙に勝てず、労働党政権へ交代してしまう」と首相の退陣を求めたのを受けて行われた。

 アボット氏は昨年半ばから医療や教育などで不評な政策や方針変更が相次ぎ、支持率が低迷。今年2月にも党内から党首辞職を求める動議を出されていた。